「おい、大和っ」
「初っ端から、そんなあからさまに闘志むき出しにすんなよ」
「うっせえ。昨日の5限の休み時間から、お前は俺の敵なんだよ」
「やけに設定細けえけど、そん時なんかあったっけ」
「あった!ありましたよ。あの時俺は、天変地異が起こったのかと真剣に思った」
「お前、天変地異の意味分かって使ってる?」
「まさか」
「だよな。・・で、お前ん中で起こった天変地異並みの事ってなんだよ」
「よく思い出してみろよ。思い出せないなら、回想シーン流してやっから」
「そりゃ、ありがたい」
::回想シーン::
熊田「そー。そんで、そん時なあー・・・・っくしょーい!」
唐沢「相変わらず、豪快なくしゃみだことで」
弥栄「ばか、唾とんだっ」
大和「・・・・・・っくし、」
唐沢「あ?なんだよ、大和」
大和「熊田のうつった」
熊田「うっそ。くしゃみってうつるモンなん?」
弥栄「てか、今のくしゃみ?大和のくしゃみってそんなんだっけ?」
大和「知んねえよ、自分のなんか」
弥栄「え、だってなんかすげー可愛くなかった?」
唐沢「そーかあ?ま、熊田の後だからそう感じるかもなー」
熊田「どーゆーイミだよ、それ」
唐沢「どーゆーイミも、こーゆーイミもねえって。まんまに、君のくしゃみは可愛さのカケラも感じられんて話」
弥栄「ちげーの。そーゆんじゃねーよ。・・なあー、大和。もっかいくしゃみして?」
大和「くしゃみをコントロールする技能なんぞ持ち合わせておりません」
弥栄「ケチんなよ。いーじゃん、かわいーんだから」
「・・ああ、これか。よく俺のくしゃみの話でここまで会話がもつよな」
「ばっか、注目するとこちげーよ!わざわざ文字の大きさデカくして、太文字にしてやってんだから気づいてくださいたのむから」
「どれ、あー。『かわいーんだから』?これが何か」
「お前な。よく冷静になって考えてみ。チワワも恥らうほど可愛い弥栄くん直伝に、「かわいーんだから」て言われたんだぜ?
なんか思うとこはないの」
「いや、まったく」
「・・じゃあ、もし俺が「かわいー」て言ったら?」
「明日、試合なのに雨降っちゃうなって思うと思う」
「・・かわいくねえー」
「つーか、べつに俺は弥栄のことかわいーとか思ったことねえし、そんなん言われても」
「うっそ、マジでか。ひとときも?ほんの一瞬でも?そりゃおにいさん、末期だよ」
「だって、あいつ男だもん」
「いや。そりゃ、お前にそんな真顔で言われなくても、重々承知の上ですが」
「だったら、なに」
「それでも、かわいーもんはかわいーだろ!?あんな目ェくりっくりしてて、生意気で、ばかときた!こりゃもう、かわいー以外のなにもんでもねえでしょっ」
「お前もばかじゃん」
「うわっ、なんかさり気なく俺らとの間に境界線引いてやがる」
「だって俺、成績いーし」
「容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能。大和航くんは、この3拍子が揃ってるって有名ですもんねえー」
「・・それについて、唐沢はどう思ってんの」
「まあ、うまいこと的は射てんじゃねえーの?悔しいですケド」
「・・・・・・・・。」
「・・大和?」
「・・・帰る、」
「はあ?何だよ、急に」
「・・・・明日試合だし、身体休めとけって監督が」
「はっは〜ん。わかったよ、大和クン。・・・こっち向けや」
「やだ、嫌です。遠慮する」
「遠慮なんかさせねーよ。・・照れてんのか?照れてんだよなv」
「照れてねえ」
「素直になれよ。可愛くねーぞ」
「べつに可愛いの目指してねえし」
「俺だって、お前に可愛さなんか求めてねーよ」
「じゃあ、いーじゃん。はい、さよーなら」
「待て待て。怖いものみたさっつーか、そういうのあんだろ?世間一般では、クールビズで通ってる大和クンの照れ顔はレアだって、な」
「クールビズってなんだよ。・・って、ばかッやめろ」
ぐいっと。
「へへー。俺の勝ち」
「・・おまえ、セコイ」
「どこがだよ。超真っ向勝負じゃん」
「くすぐりのどこが真っ向勝負なのか、ぜひ教えていただきたいな」
「つか、照れてみろよ。さっきまで、顔熱かったりしてた?」
「お前は何フェチだよ。照れろって言われて照れるばかがいるか。少なくとも、俺はそんなへたれじゃねえ」
「・・・・・やっぱ、かわいくねえー。弥栄は、なんでこんな奴を一瞬でも可愛いと思っちゃったんだか。あの子は、大変な罪を犯したね」
「なに勝手なこと言ってんだ。失礼な奴だな」
「へいへい、すいやせんでしたねー。・・てか、なんでこんなんがモテんだかが、俺には一生の摩訶不思議アドベンチャーなんだけど」
「あ?べつにモテてねえし(摩訶不思議アドベンチャーって、なんの主題歌だったっけ)」
「嫌味か、このやろ。・・知ってんだぞ。今年のバレンタインに、抱え込めねえほどチョコもらってたの」
「クッキーもあったけど」
「そんなん聞いてねーんだよ。ぜってえ、皆騙されてる。明日、皆に言っちゃろか。大和はむっつりスケベなプレイボーイくんですって」
「べつにいいけど、唐沢が言っても説得力ねえと思う」
「・・うっぜーえ」
「ところでさ。暇なら、俺の悩み聞いて」
「お、めずらしーな。お前が悩みごとなんて」
「なんか、昨日隣のクラスの秋元に告られたんだけど」
「秋元ォ?秋元なんて女子いたっけ?」
「いない」
「秋元っつったら、柔道部の男しか・・」
「そう。そいつに告られた」
「うっそ!マジで?」
「危うく、押し倒されかけたし」
「しかも、お前が受け趣向なんだ・・?」
「とりあえず『悪いけど、むり』って言ったんだよ」
「うわ、きっつーぅ・・」
「そしたら『じゃあ、せめて抱・・・・・・・」
「あー、もういい。つか、むしろ聞きたくねえ!」
「俺だって、言いたかねえよ。・・男からの告白って、けっこうダメージでかいんだな」
「・・それをお前が言っちゃうか」
「あ?なんだよ、」
「なんでもねーよ。・・で。悩みっつーのは、なんなんよ?ちゃんと断ったんだろ」
「しかし、あれ以来、秋元からのラブメールが絶えなくてですね」
「イチオー、アド交はしてたワケな」
「いや。した覚えない」
「・・・・・へ?」
「どっからか、俺のアドレスが流出したんだろ」
「あー、情報社会ってこえーな。個人情報保護法なんつっても、現状はこれだもんよ。まあ、どんまいっ☆」
「唐沢も、所詮は他人事だよなあー。お前だけはって思って、言いづらかったけど相談したのに」
「嘘つけえー!お前、めっちゃ軽かったじゃん。『暇なら』って言ってたもん。明らか、濡れ衣だろ」
「濡れ衣って意味わかってる?」
「もうそのネタいーから!」>>end.
---手抜きかと思われがちですが、かいてる本人的には楽しかったのです。(若干、大和受けなとこが/駄
この2人は、リバでも素敵だと思う。(素敵なわきゃない
てか、どこが「暴露」なんだろうと書き終わっておもた。
私的には、弥栄の「大和可愛い宣言」が一番の暴露かなと思いました。