Home > 旅のページ > 話題 > 池上晩鐘
旅のページ
-
- 序論(Introduction)
- 池上晩鐘(いけがみばんしょう)は、歌川(安藤)広重の描いた「江戸近郊八景」の一景です。八景は、11世紀〜12世紀の中国、北宋の時代に成立した画題の、「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」を参考に8種の風景を描いた浮世絵のことです。元となった瀟湘八景は、中国湖南省の洞庭湖の南、瀟水,湘水という2つの河川が流れ出るあたりから、四季・四時に応じた8つの印象的な風景を選び取ったものです。日本へは、鎌倉時代末期に「瀟湘八景」の水墨画が伝わり、当初は「瀟湘八景」そのものが画家によって模倣されますが、次第に日本の、8つの風景が描かれるようになります。
- 内容(Contents)
- 歌川(安藤)広重は、「東海道五十三次」を出したすぐ後に、1834年「近江八景」を描いています。これは、洞庭湖を琵琶湖に変え、それそれの風景を実在の近江の風景に見立てたものでした。
その後は、江戸近郊の景観を、八景に見直して構成した、1834年に「隅田川八景」、1836年に、三浦半島の金沢文庫あたりの風景から八景を選んだ「金沢八景」、1838年に「江戸近郊八景」、1839年に「東都八景」などが描かれました。
江戸近郊八景は、羽根田落雁(はねだらくがん)、行徳帰帆(ぎょうとくきはん)、芝浦晴嵐(しばうらせいらん)、飛鳥山暮雪(あすかやまぼせつ)、玉川秋月(たまがわしゅうげつ)、吾嬬社夜雨(あずましゃやう)、池上晩鐘(いけがみばんしょう)、小金井橋夕照(こがねいばしせきしょう)で、池上晩鐘が池上本門寺です。
- 池上本門寺(いけがみほんもんじ)は、東京都大田区池上1丁目にある日蓮宗の寺院で、日蓮上人入滅の霊場として日蓮宗の十四霊蹟寺院のひとつとされ、七大本山のひとつにも挙げられています。
1282年(弘安5年)9月18日、日蓮上人は、湯治のために常陸(茨城県)へ向かう途中、武蔵国池上郷(東京都大田区池上)の池上宗仲(いけがみ むねなか)の館に到着します。池上氏館の背後の山上に建立された一宇(いちう)を日蓮上人が開堂供養し、長栄山本門寺と命名したのが池上本門寺の起源と言われています。1282年10月13日に日蓮上人が没すると、池上宗仲は法華経の字数、69,384に合わせて六万九千三八四坪を寺領として寄進し寺院の基礎が築かれ、以来「池上本門寺」と呼ばれています。
- 瀟湘八景は、
- 平沙落雁(へいさらくがん):秋の雁が鍵になって干潟に舞い降りてくる風景
- 遠浦帰帆(おんぽきはん):帆掛け船が夕暮れに遠方より戻ってくる風景
- 山市晴嵐(さんしせいらん):山里が山霞に煙ってかすみ見える風景
- 江天暮雪(こうてんぼせつ):日暮れの河の上に舞い降る雪の風景
- 洞庭秋月(どうていしゅうげつ):洞庭湖の上にさえ渡る秋の月
- 瀟湘夜雨(しょうしょうやう):瀟湘の上に夜もの寂しく降る雨の風景
- 煙寺晩鐘(えんじばんしょう):夕霧に煙る遠くの寺より響いてくる晩の鐘の音
- 漁村夕照(ぎょそんせきしょう):夕焼けの中のうら寂しい漁村の風景で構成されています。
戻る