早朝散歩


  ふーっと吐く息が 白く宙に浮かんでいる
  まだ 明けきらない空の下で
  わずかな光が 真っ白な霜にはね返り
  先の道を 教えてくれる
  すっかり葉の落ちてしまった 銀杏並木
  落ち葉の上を ザクッザクッと歩いていると
  遠くから リズミカルな駆け足の音が
  少しずつ 近づいてくる
  二つの音が 交わると
  快活に おはよう
  気持ちの良い 朝の挨拶
  やがて 銀杏の梢に 日が昇り
  少し 早歩きで 家に戻る
  それが わたしの いつもの朝

平成14年11月10日