バーニアダイヤルのしくみ
                               
                                   
 
       バーニアダイヤル

   ラジオはバリコン軸を回転させることにより放送電波の周波数に同調させて放送を楽しむことができます。 180度の回転範囲の中に多くの放送局の周波数がひしめきあってますので、ほんの少しでも角度が狂うとうまく受信できません。このバーニヤダイヤルは黒い大きなつまみを回転させると内部機構によりバリコン軸の回転を縮小して微調整してくれます。
 左の大きなものは上に副尺(バーニア)がついており、より細かな調整ができるようになっています。
 機能もさることながらこのレトロ感がなんとも言えない昭和時代の雰囲気を演出してくれます。 
 
 
 このためバーニアダイヤルのフアンは大勢おられると思います。
 私もラジオ製作のきっかけは秋葉原の部品屋さんで見たこの美しいバーニアダイヤルとの出会いでした。
 メーカーの数は少なく写真の種類のものは「NIIMI SEIKI」という会社のものです。 今はあまり見かけなくなった「MADE IN JYAPAN」の文字が誇らしげに刻まれています。

 中を開けた写真です。
中央に見える真鍮軸が上の写真の黒いダイヤルに直結し、これを手で回転させると遊星歯車のように二枚組になった3個の円盤状のバネ板を摺動させ回転を伝えます。この円盤はその回転を外側の黒いリングに同じく摺動で伝えます。この黒いリングは、バーニアダイヤル本体裏側にあるラジオのバリコン軸と直結し、バリコンを微回転させて同調させます。大小歯車と同じ原理でダイヤルの手回転を十分の一程度に縮小してバリコンを微回転させます。 
 
 
これはなんとすばらしいアイデアと技術でしょう。歯車のような精密部品を必要とせず、金属円板の摺動のみで回転角度を増幅させています。しかも歯車であれば必ず歯間の隙間があり左右回転時に僅かな「遊び」が生じますがこの構造では「遊び」が無く、左右回転でも正確に同調させることができます。
 写真は中の回転部分を拡大したものです。 これは世界に誇る日本の技術です。

摺動:しゅうどう
   ものとものがすり動くこと。

バーニアダイヤルをもっとうまく賛美した「フルカワエレクトロン」さんのHPです。
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/furukawa-ele/index.htm

http://www.bea.hi-ho.ne.jp/furukawa-ele/parts/vernierdial.htm 
 
 
木製ラジオへの使用例

 バーニヤダイアルを木製ラジオに実装した例です。

 このレトロ感が銘木の木製ラジオによくマッチしています。

 下の大きいものは選局用、上の小さいものは音量調節用です。

 大きいバーニアの左に小さく見えるのは赤のパイロットランプ、その下は電源スイッチ、左はAM、FM放送の切替スイッチです。

左にスピーカーの一部が見えます。