スウェーデンの戦艦バーサ号(WASA号)   
                       
 
                バーサ号

スウェーデン国王の命により建造された戦列艦です。バルチック海の制覇のために1628年に建造されましたが惜しくも処女航海の日に横風を受けて沈没してしまいました。数百年後引き上げられ、今はストックホルム港の中にバーサ博物館として保存されています。この作品の完成後に実物を見学する機会がありました。当時の引き上げ工事の工夫の様子が詳しく展示してありました。館内の土産物屋でバーサ号の絵と砲門蓋のライオンの紋章とを買いました。
 模型の縮尺は1/75、全長は93cmです。
  
 
 
  船首から突き出たバウスブリッドの周りです。船首には神が宿るとされ、工夫をこらした船首像や特別の飾りが施されています。バーサの場合はライオンでした。  
 
   
   
   
 
   メインマストを後方に引っ張る静索と縄梯子を兼ねるラットラインです。前方向には船首部分からメインマストに船で一番太い一本のロープで引っ張りマストを支えます。
 ガンデッキの壁は朱色に塗られていますが、これは砲撃戦のときに水兵が飛び散る血の色で怖がるのを防ぐためのものです。
 下に見える対の滑車はデッドアイと呼ばれ静索を締めるためのものです。(上) 

 マスト上の作業台、見張り台です。 見張りは艦の安全上最も重要な任務とされ見張り中に寝ると重刑が科せられました。(左、左下) 
 トップマストに立つと艦がはるか下に小さく見え、横に揺れると足下が海上になります。

 すべての帆はデッキ上のロープで操作します。これらのロープは模型でも忠実に再現されており模型が完成すると自分の家のようになり、すぐに甲板長ぐらいにはなれそうな気分になります。 
 
   
   
   
 
         砲門蓋のライオンの紋章。(上)

 艦尾楼のデッキ付近です。おそらく艦長や航海長は一番上のデッキから号令をかけたのでしょう。(左)  
 
 
 
   中世の帆船で最も美しいのは艦尾の部分だと言われています。国王の紋章などで飾り、豪華さを競いました。 艦尾楼には貴賓室や艦長など最高幹部の居室がありました。一般の甲板員は下層デッキで寝泊りしましたが交代勤務のため釣床は全員の1/3しかないこともあったそうです。
 蓋が閉じられていますが後方射撃用の反撃砲が2門見えます。 
 
 
       銘板にあるように1984年の作品です。 
 
 
ストックホルムのバーサ博物館でバーサの絵(左)と砲門蓋裏に付いているライオンの紋章の置物(左下)を買いました。 
 下は実物のバーサ内部に入った私です。

 訪れたのはちょうど夏至の日でした。いわゆる北欧の白夜で午前1時にやっと日が暮れ、3時頃には明るくなりました。町の商店もお祭りでこの頃は一晩中開いていました。