第一回 誕生日プレゼントのスタンダード
今回は誕生日プレゼントについてお話しようかと思います。
ある日深夜帯のテレビをつけてみると、芸人さんとグラビアアイドルのトーク番組が
始まっていました。話題が毎回決められ、それについて語り合うという普通の番組です。
その中に目を奪われたテーマがありました。
「誕生日プレゼントにもらったらイヤなもの」
アイドル達は趣味の悪い服などをもらった話をしていました。
芸人さんも自分の好きな女性にポエムを贈ってヒカれた話をしていました。
逆に好かれる王道プレゼントのベスト5が発表されていまして、
1位がアクセサリー、2位が食事、3位が時計、4位が花束、5位が旅行。
というような結果になっていました。それでその番組は大団円のうちに終了。
実につまらない番組でした。
その番組では、「プレゼント」という概念が異性間でのモノに固執していましたが、
もちろん「プレゼント」という言葉のくくりはそれだけでは無いはずです。
親、子供、友達、親戚、恩師、先生、上司・・・・
お分かりのとおりプレゼントという言葉は異性間に留まらないのです。
幸い僕の19歳の誕生日が1週間前に迫っていました。
毎年誕生日プレゼントをくれる友達がいるのですが、僕は早速彼に連絡をしました。
「なんか面白いものちょうだい」
僕は彼のセンスを信じていましたので、期待を膨らませて誕生日を待ちました。
一週間が経ちました。
昼過ぎに目を覚ました僕が携帯を手に取ると一通のメールが入っていました。
「お前の家の自転車のカゴに誕生日プレゼントを入れておいたから。」
粋な計らいです。直接渡さないところがシャイな彼らしくていいですね。
僕はウキウキ気分で階段を駆け下り玄関に向かいました。
しかし僕が自転車のカゴの中に見たものは僕の求めていたレベルを遥かに凌駕してくれました。
ジャーン!!!
これぞ24世紀の魔法の靴!!
すごいです。これにはさすがの僕も参ってしまいました。
あまりにも斬新なフォルム、ローラーのついた実用性、ただただ感激するばかり。
でも冷静に考えてみると
風呂掃除用の靴にタイヤがついただけです。
どういうことなんでしょうか。これでローラースケートしろと言うことでしょうか?
あと、もうひとつ気になった点がありまして、
このニードルはなんですか
しかも片方のみ。戦えということでしょう。やってやるよオレ。見てろよ
履きました。
似合いますか?
ちなみに靴の中はクギやらタイヤ部品やら何も保護されていないので
履いた瞬間に激痛に襲われました。ことごとく実用性がありません。
このころになると僕の顔からは
笑顔が消えていました。
こんなものも付いてきました。
ごめんなさい。僕が悪かったです。
僕は心の中で自分の愚かさを恥じました。
とりあえず自分、ハッピーヴァースディ。
あなたも一生に一度くらいはこんな誕生日プレゼント、いかがですか?
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