HIGEさんのスポーツ救命救急 
2004・9・28
特集「AED講習会」に行ってきました!


 みなさん,こんにちは。HIGEです。「HIGEさんのスポーツ救命救急」のBBSにてお知らせのとおり,去る9月28日(火)「AED講習」を受講してまいりましたので,今回はそのレポートをお送り致します。
今回は,とある民間応急手当普及機関の「AEDコース」を職場の同僚2名と一緒に受講して来ました。民間の講習ですからもちろん有料で,ちょっとお値段は張りましたが,そのお値段に見合う充実した内容の講習会でした。

 救急車に積載されている「除細動器」については毎日のように目にしていますし,実際に使用した場面にも遭遇していましたが,「AED」については,過去に何回かの「デモンストレーション」や「ラスベガスのカジノでの救命事例を収録したビデオ」などで見たことはありましたが,実際にこの手で使用するのは私も2人の同僚も初めての体験でした。
 電車に乗り,講習会の会場に到着,インストラクターのYさんから講習の説明があった後,講習が始まりました。
 「AED」にもメーカーによっていろいろな種類の「AED」がありますが,今回の講習で使用したのは「メトドロニック社製」の「AED」を使用しました。


          メトドロニック社製の「AED」
                今回使用したメトドロニック社製の「AED」


 「AED講習」に先立ち,まずは「BLS」の基本である「CPR」の復習を実施しました。
 全く初めての方が「AED講習」を受講する場合には,まず「BLS」の理念から入り,「CPR」を理解するために,これらの講習を受け,その後「AED講習」を受講するという「CPR&AED講習」がセットになった5時間のコースが基本なのだそうですが,今回は「CPR技術」を習得している私達救急隊員が対象ということから「CPR」の復習を実施してから「AED講習」を実施する事になりました。
 もちろん,一般の方と同じように感染防止のために,患者さんの口と実施者の口が直接接しないようにする「First・Ade」用のマウスピースを使用して人工呼吸を実施しました。
 通常,救急隊がCPRを実施する時には,「バッグバルブマスク(通称BVM)」という呼吸管理用の器材を使用しますので,「マウス・TO・マウス」は現場ではほとんどの場合実施しません。
 私が以前に遭遇した「バスケットボール大会」でのCPA現場で「バイスタンダーCPR」を実施した際には,バッグの中には「マウスピース」を携帯していたものの,私が審判を割り当てられた試合が迫っており会場にいた私は,すでに審判服に着替えていましたので「マウスピース」は携帯していませんでしたが,一刻を争う状況下でしたので,そのままマウスピース無しで直接「マウス・TO・マウス」を実施しました。(それ以後は携帯するようにしています。)
 今回のように「マウスピース」を使用しての本格的な「CPR訓練」は久々でしたので息の吹き込みに少々苦労しました・・・たまには「マウスピース」を使っての訓練もしなければいけないなぁと反省致しました。

          CPR訓練
          まずは,人形を使用してのCPR訓練から・・・マウスピースを使用
          しての吹き込みは少し苦労しました・・・・

          心臓マッサージ
           続いて「心臓マッサージ」。一連のCPRを復習してからAED
           講習に入りました。

 CPRの復習を実施した後,いよいよAEDの講習に入りました。
まずは,教材のビデオでの基礎学習,AEDの機能,性能,実施する場合の注意事項,禁忌事項などの説明がありました。

まずは,注意事項について・・・・

【注意事項】

(1)除細動時に患者の胸に貼るパッドは正しい位置にしっかりと密着させること。(きちんと密着させないと除細動適応であるかどうかの解析ができません。)

(2)患者の胸が汗や水で濡れていないかどうかを確認し,濡れている場合は拭き取る。

(3)解析中は患者の体には触れない。(体動があると正確な解析ができません。)

(4)無線や携帯電話の電波が影響するため,機器から2m以上離れて実施する。

(5)ペースメーカー埋め込みの患者に対してAEDを使用する時には,埋め込まれている場所から2.5cm以上離してパッドを貼る。

(6)胸部の貼付薬があった場合ははがしてから使用する。

(7)ネックレスなどのアクセサリーも取り外す。

次に禁忌事項について・・・・

【禁忌事項】

(1)風呂やプ−ル内のように,患者が水の中にいる場合は使用できない。
(水中から引き出し, パッドを貼る胸を拭き取れば可能。)

(2)8歳以下の小児には使用できない。(小児用の特別パッドが必要)

(3)ペースメーカーや胸部貼付薬の真上に直接パッドを貼り実施してはならない。

★以上の注意事項,禁忌事項の講習の後,いよいよ基本的な「AED操作」に入りました。
 これより,基本的な「AED」操作について順を追ってご紹介します。


(1)「現場確認」
 現場の状況は安全であるかを確認する。(救助者は安全に救助することが鉄則)

(2)「セット・アップ」
 感染防止対策はOKかを確認する。(グローブ,マウスピースなど)

(3)「救急システムの作動」
 救急車を要請する。(周囲の者に依頼する。実施者が一人の場合にはまず通報。)

(4)「AEDの準備」
 電源を入れるとAEDのアナウンスが始まり,救助者に手順を指示する。

(5)AEDを患者に装着する。

   @胸の状況を確認する。(シャツやブラウスのボタンを切り取るか引きちぎる。)
   A女性のブラジャーの場合,中心から切断する。
   Bネックレスは外す。
   C汗や状況により濡れている場合は拭き取る。
   D体毛のせいで粘着しない場合は素速く剃る。

        AEDパッドを患者の胸部に装着<BR> 
                 AEDのパッドを患者の胸部に装着


(6)AEDのパッドを患者の胸に貼る。

   @パッドに書かれた図に従いパッドを貼る。
   Aパッドは胸骨の右,鎖骨の下と左の側胸下部(そっきょうかぶ:胸郭左側)に貼る。


        心電図波形を解析中
        AEDが患者の心電図波形を解析中。救助者,周囲の者は患者
        に触れない。「私は触れていません。皆さんも離れて下さい」



(7)AEDが解析を開始する。(パッド装着完了後自動的に解析開始)

   @「解析中」のアナウンス。(解析中は患者には触れない。)
   A救助者は自らと周囲の者が患者に触れないよう注意を促す。
    「私は触れていません。皆さんも離れて下さい。」

(8)解析により「除細動」が必要な場合。

   @「除細動が必要です。充電を開始します。」のアナウンス
   A充電開始

(9)除細動

   @「充電完了」のアナウンスとともに,除細動ボタンが赤く点滅発光。
   A救助者と周囲の者が触れていないことを再確認する。
    「私は触れていません。皆さんも離れて下さい。」
   B確認後,ボタンを押すと除細動実施。



       除細動ボタンをON
       解析完了。「除細動が必要です。」のアナウンスとともに除細動
       ボタンが点滅し除細動ボタンをON・・・除細動実施。



(10)除細動後の解析開始

   @再度,「解析中」のアナウンス。(解析中は患者には触れない。)
   A救助者は自らと周囲の者が患者に触れないよう注意を促す。
    「私は触れていません。皆さんも離れて下さい。」

(11)解析結果

  @除細動が必要ない場合・・・「除細動は必要ありません」のアナウンス。
  A除細動が必要な場合は,再度(7)に戻り手順を繰り返す。
  
(注意事項)

今回使用したメトドロニック社製のAEDには救助者が患者の心臓の動きを確認できる「心電図モニター」の画面はありません。よってAEDが「除細動」が必要という判断する場合は「心室細動」が発生している時という事になります。

そして
「除細動が必要ない」場合には,患者の「心室細動」が除細動により正常な波形に改善した場合と,そうではない「心静止」という2通りの状態が考えられます。
 ですから,パッドを装着してからの解析結果が「除細動の必要なし。」とアナウンスされた場合には,
必ず患者の呼吸と脈拍の確認を行うことが必須条件となります。・・・そして,もし心静止の場合には当然「CPR」が必要になってきますので,やはり「CPR」の知識や技術も必要になってくる訳です。
 「CPR」実施中にも,約1分間に1回の間隔で「AED」が患者の心臓の状態を自動的に解析します。この時「CPR」により「心室細動」が出現していれば解析後,充電を開始し除細動実施の指示が出ます。ですから救急車が到着するまで,「AED」を患者に装着し,これらの作業を継続します。


        「呼吸」・「脈拍」の確認
        除細動を実施後,再度解析が行われます。「除細動は必要あり
        ません。」のアナウンスの後は必ず患者の「呼吸」・「脈拍」の確
        認を実施します。


 以上が基本的な「AED」の操作方法ですが,「AED」を操作するためにはやはり「BLS」と「CPR」の基本的な知識と技術が必要になってきます。
 「CPR」は基本を理解できれば,さほど難しいものではありませんので,お近くの消防署などで一度「救命講習」を受講なさってから,こうしたAEDの講習を受けてみるとよいかもしれません。

 現在,国レベルで「救命講習」にこうした「AED講習」を組み込んだ「BLS講習」の素案が検討されていますが,まだ具体化はされておらず,いつ頃から皆さんが気軽に受講できるかという事は不透明ですので,暫くの間はこうした民間のBLS普及機関の講習会でしか「AED」の講習は受講できないんですね・・・一日も早く公的な機関での「AED講習体制」が確立されることを願っております。

【AED講習会を受講して】

 この講習会では,この基本操作法の後,2人〜3人でいろいろな場面を想定した「シュミレーション」訓練を実施しましたが,3人が「通報」や「CPR」,「AED」と任務を分担した「BLS」が実施できると,より早い「除細動」が可能であることを痛感しました。
・・・・ということで,あっという間に3時間半の講習時間が過ぎましたが,とても参考になる内容の濃い講習会でした。
 もし,この先,街で突然倒れた人と遭遇した時,そこに「AED」がその場にあれば躊躇なく使用できると思います。
 今後もこのような講習などをどんどん受講して,このHPでご紹介していくとともに,現在構想を練って企画中の「HIGEさんの出張BLS講習会」の中でも,やがてはこのような「AED講習」も取り入れていければいいな・・・と思いました。

 もし,このような民間の「AED講習」を受講してみたいという方がいらっしゃったら,トップページ下段の「HIGEさんにMail」のコーナーから「AED講習会について」というタイトルで遠慮なくお問い合わせして下さい。一人でも多くの方が「AED」に関心を持って頂ければこんなに嬉しい事はありませんから・・・(HIGE)
               

HIGEさんの「スポーツ救命救急」ホームへ