2009・BLS&AED普及推進運動A

「市内小学生駅伝大会救護ボランティア」
&「全国救急隊員シンポジウムIN熊本」
駅伝大会を見守るAED
子ども達の安全のために・・・

 皆さん、こんにちは、HIGEです!
 「2009・BLS&AED普及推進運動A」は、去る2月15日(日)市内において開催された「小学生駅伝大会・救護ボランティアチーム」のレポートと、1月29日(木)〜30日(金)、熊本で開催された「第17回・全国救急隊員シンポジウム」のレポートをお届けしたいと思います。

 まず、はじめに市内で開催された「小学生駅伝大会」に参加した「救護ボランティア・チーム」のレポートからお届けします。 
 マラソン大会や駅伝大会では、転倒、捻挫などによる負傷の他、身体に多大な負荷がかかる競技であることから、脱水や突然の心肺停止などが発生する危険性もあり、過去に全国で開催されたマラソン大会や駅伝大会において、突然の心肺停止で亡くなられた方は少なくありません。

 こうした中、2004年7月1日にAED(自動体外式除細動器)の一般市民による使用が認められ、AEDの普及が進むにつれ、マラソン大会などのスポーツイベント開催時における「ボランティアによる救護体制」の重要性がクローズアップされるようになりました。
 当HPでもおなじみの「さくらさん」の地元である福井市では、AEDの市民開放とほぼ同時に医師や看護師、救急救命士などによる「救急ボランティアチーム・REM」を結成、機動性バツグンのスポーツ・サイクルにAEDを搭載した「自転車救命隊」を組織し、福井市はもとより、近隣で開催されるマラソン大会やスポーツイベントのボランティア救護活動を行っています。

    REMの皆さん
        福井でご活躍中の「救急ボランティア・REM」の皆さん


 また、2007年から開催されている「東京マラソン」においても、多数のボランティアが参加した救護体制を敷いています。中でも国士舘大学の救急救命士学科がメインとなり、救急救命士課程の学生や同大学を卒業し、消防機関に勤務する救急救命士を中心として組織された救護ボランティアチームは、第1回の東京マラソンにおいて、心肺停止に陥ったランナーを早期のバイスタンダーCPRとAEDにより救命するという活躍を見せ、ボランティア救護チームの重要性を広く世間に知らせてくれました。

        東京マラソンAED救護ボランティア
          東京マラソンにおけるボランティア救護チーム


 AEDの普及が進んでいる現在では、上記にご紹介した以外にも、全国各地で多くの「救護ボランティア・チーム」が組織され、日本全国で開催されるスポーツイベントなどでの救護活動を展開していますが、今回、当市の救急救命士会においても、正式に「救護ボランティア・チーム」を結成し、市内で開催された「小学生駅伝大会」における救護に当たることになりました。

 救急救命士、救急隊員、救助隊員で組織された総勢22名が、この日に出来上がった揃いのチーム・ジャンパーを着て、近隣の3つの小学校から参加した378人の子ども達が走る駅伝コースの各ポイントで、一生懸命にタスキをリレーする子ども達を見守りました。
 過去、有志による個々のボランティア活動は行っていましたが、今回正式にチームが結成され活動を開始できたことを本当に嬉しく思っております。
 大先輩である福井の「REM」さんには、規模も装備もまだまだ及びませんが、これを契機に、一歩一歩確実に歩んでいければ・・・と思っております。

 なお、今回の駅伝大会の「救護ボランティア・チーム」に配置された4台のAEDは、当HPでもご紹介している「エルトラック・サマーキャンプ・HIGEさんの出張BLS講習会・2008」において、訓練用人形や訓練用AEDなどの資器材をご提供下さった「救命コム」さんがご提供下さいました。「救命コム」さんには、この場をお借りして心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 また、駅伝のスタート前には「さくらさん」からも励ましのお電話を頂きました。たくさんのお仲間の皆様に応援して頂きました事を心より感謝申し上げます。

それでは、我が町の「救護ボランティア・チーム」の初陣をご覧下さい。


          集合場所の小学校
        集合場所の小学校は選手、保護者、関係者で大賑わい


          チーム・ミーティングの様子
        何事も無い事を願いスタート前のチーム・ミーティング

          「救命コム」さん提供のAED
      「救命コム」さんのご提供により、チームに配置されたAED

          HIGEもスタンバイ完了!
   不肖HIGEもAEDを持って救護地点に到着。出番の無いことを祈ります。


          駅伝大会スタート!
          駅伝大会スタート!みんな怪我せず頑張って!


          タスキ・リレー
        一生懸命走る子ども達に沿道からも大きな声援が・・・


          もうすぐゴール!
            もうすぐゴール!あと一息、頑張って!

 スタートから約2時間で、駅伝大会は終了。タスキリレー時の転倒やリレーした直後など、注意深く子ども達を見守りましたが、幸いにもAEDの出番はなく、転んで擦り傷を作った子供3人の応急手当のみで無事に任務を終えることができました。
 前日は勤務で、徹夜明けでしたが、子ども達が一生懸命に走る姿を見て疲れも吹っ飛びました。任務終了後は地元のこれまたボランティアの皆さんが作って下さった「豚汁」をご馳走になりましたが、最高に美味しかったです。(笑)

          豚汁、美味しいです!
        駅伝大会救護任務無事終了。「豚汁」メチャうまでした。


   救護ボランティアチーム集合写真
ボランティアチーム記念撮影。顔見せできないのが残念ですが、お疲れ様でした。

 今回の私達の「救護ボランティアチーム」の活動について、地元の方がブログに載せて下さいました。

 私達の市には、救急隊員の自主的な研究会があります。そのメンバーが今回の駅伝をサポートし、究極のセーフティネットの役割を担ってくれました。
 地域のボランティアが手探りで行う初めての駅伝大会は、子どもの健康状態とのにらめっこです。ともすると、あれもダメ、これもダメと慎重になりすぎて、参加資格の制限も厳しくしてしまいそうですが、ある程度大らかに楽しくできたのは、彼らの支えがあったからこそなのです。彼らは専門家集団です。
 それも激務の中、378人の子どもたちのために、ボランティアとして駆けつけてくれました。直前まで救急車に乗り、勤務を終えて直行してくれたメンバーもいると聞きました。
 「救命コム」さんからAEDを4台借り受け、コースにも救命士が点在し、この日のための緊急連絡体制も万全でした。
 子どもたちに、「思いっきりチャレンジしていいよ!」と言えたのは、彼等の存在があったからなのです・・・・。

 本当にありがたいお言葉の数々に感謝しております。
 まだまだ歩き出したばかりのチームではありますが、これからも地域の安心と安全のために頑張っていきたいと思います。(HIGE)

 「第17回全国救急隊員シンポジウム・IN・熊本」

 続きましては、2009年、1月29日(木)〜30日まで熊本市で開催された「第17回全国救急隊員シンポジウム」のレポートです。
 1月29日、雨模様の中、空路熊本入り。シンポジウム会場の「グランメッセ熊本」に到着しました。

     シンポジウム会場のグランメッセ熊本
        第17回全国救急隊員シンポジウム会場のグランメッセ熊本

 会場には、全国各地からたくさんの救命士、救急隊員が集まっておりました。 基調講演が終了した後、会場を歩いていると、当HPからの資料提供などでご協力させて頂き、ご紹介もさせて頂いた「瀬戸内海の島の中学校救命講習会」でお世話になったKさんの姿が・・・お互い熊本に来ていることは知らなかったので、びっくりしましたが、久しぶりの再会はとても嬉しく、いろんな話が弾みました。
 Kさんの所属する島の出張所長さんが、昨年3月に定年を迎えご退官なさる際、自らの退職金の一部を使い、講習会を開催した島の中学校にAEDを寄贈なさったそうで、地元との絆の強さに本当に感動しました。こうした人と人のつながりが、命を救う第一歩だと思います。Kさんは、その後、別の島へと異動なさいましたが、きっとその島でも、新しい絆を作って下さると思います。

 各会場を一回りして、講演や発表プログラムを見て「これは聴きたいな。」という会場に行き、聴講するのですが、午後から入った会場で、講演者として登壇した方を見て、またまたびっくり!!
な・・・なんと、4年前、アメリカでパラメディックになるという夢を持ち、私のHPを通じてMailをくれたNさんではないですか!Nさんとは、彼がアメリカへ旅立つ直前にお会いして、お互いの健闘を祈りながらお別れし、その後、彼はアメリカへと旅だっていったのですが、それからはお互いに多忙の日々を送っており、連絡も取れなくなっていました。

 彼が向かったのは、アメリカ西海岸のサンディエゴという都市で、今話題のWBCのアメリカ・ラウンドの行われる都市です。
 前回のWBCの決勝戦で日本がキューバを破り、世界一に輝いた「ペトコ・パーク」がある都市で、メジャー・リーグではサンディエゴ・パドレスというチームの本拠地です。NHK・BSのメジャー・リーグ中継で「サンディエゴ」が登場する度に、「そういえばN君、頑張ってるかな〜」と気にしておりました。

 「アメリカ、サンディエゴのパラメディックとしてご活躍なさっていた・・・」という司会の紹介により壇上に上った男性は、紛れもなくN君であり、「夢を叶えたんだな!やったね!」という嬉しさで胸が一杯になりました。
 セッションが終了した後、「Nさん、お久しぶりです。」と近づくと「あ!HIGEさん!」と彼も私を覚えてくれていました。 「Nさん、夢を叶えたね!おめでとう!」という言葉に「ありがと うございます!」と、彼も笑顔で応えてくれました。
 本当に久しぶりで、びっくりの再会でしたが、もし熊本に来ていなければ実現しなかった再会に感動しました。 彼は、この春から、ある大学の救命士養成学科の講師として働くそうですが、その貴重な経験を活かして多くの熱い救命士を育てて欲しいと思います。

          再会したN君と記念撮影
         夢を叶えたN君との再会はとても嬉しかったです。


 それにしても、つくづく思うのは、人と人との出会いの不思議さと素晴らしさです。ひとつの出会いが次の出会いを産み、また次の出会いに繋がっていく・・・本当に不思議だな〜と思いますが、ひとつひとつの出会いには、必ず意味があり「偶然の出会いは無い。」と思っています。これからも、ひとつひとつの出会いを大切にしていきたいと思います。

あ・・・・肝心のシンポジウムの内容ですが、来年スタートする新しい蘇生ガイドライン「G2010」の展望など聴講してきました。
 今後の予定としては、今年の3月19日、大阪において「G2010」に関する国際会議が開催され、その後2回の国際会議を経て、2010年11月には新ガイドラインを発表する予定とのことでした。
 ここで、過去に制定された「ガイドライン2000」と「ガイドライン2005」の流れについて振り返ってみましょう・・・・

1、「ガイドライン2000」の制定

 AHA(アメリカ心臓協会)と国際蘇生連絡協議会(ILCOA)が協力し、世界共通のガイドラインとして制定された。
 「ガイドライン2000」では、AED(自動体外式除細動器)の使用を重視し、胸骨圧迫と人工呼吸が15:2で統一された。また、「ガイドライン2000」を契機としてBLS、ACLS教育が本格化した。日本では「救急蘇生法の指針」を「ガイドライン2000」に準拠して改訂、さらに2004年7月1日、AEDの一般市民による使用が認められた後再改訂された。

2、「ガイドライン2005」(COSTR・2005)の制定

 「ガイドライン2000」における様々な検証結果に基づき、2005年11月、国際蘇生連絡協議会(ILCOR)は「心肺蘇生と緊急心血管治療のための科学と治療の推奨に関わる国際コンセンサス2005(CoSTR)」を発表した。
 これと同時に、ヨーロッパ蘇生協議会(ERC)とアメリカ心臓協会(AHA)はそれぞれの新しい心肺蘇生法(以下、CPR)指針をウェブ発信した。
 日本は、当時ILCORの正式メンバーでなかったため事前にCoSTRを入手することができず、CoSTRの正式発表後に新しいCPR指針の策定作業が開始され、「日本版救急蘇生ガイドライン2005」として発表された。
 目撃状況の有無に応じた「ショック・ファーストとCPRファースト」、胸骨圧迫の重要性(強く、早く、絶え間ない胸骨圧迫)、胸骨圧迫と人工呼吸が30:2に改正されるなど大きな改訂を経て現在に至っている。

3、「ガイドライン2010」今後の流れ

 新ガイドラインの制定において、最も注目されるのは日本やスウェーデンの研究データによる「胸骨圧迫のみのCPR」いわゆる「Hands・Only・CPR」による、BLSでの人工呼吸の省略ですが、現在のところ、まだ議論されている最中であり、3月の国際会議以降どうなっていくかという段階のようです。
 とはいえ、日本において施行中の「ガイドライン2005」においては、すでに「状況により人工呼吸は省略可能。」となっていることから、新ガイドラインによる変更があったとしても大きな混乱は無いであろうとの事でした。
 また、AEDの普及に伴うPAD(市民による早期除細動)の増加によって、日本の救命率は確実に上昇していることの報告もありました。

4、日本国内の救命率の推移状況

(1)バイスタンダーによるBLS(一次救命処置)の有無による救命率

【2005年】
 BLSあり・・・・4.6%
 全体・・・・・・・3.3%
 BLSなし・・・・2・4%

【2006年】
 BLSあり・・・・5.6%
 全体・・・・・・・4.1%
 BLSなし・・・・2・9%

【2007年】
 BLSあり・・・・7.9
 全体・・・・・・・6.1%
 BLSなし・・・・4・4%

※少しずつではあるが、バイスタンダーCPRの実施率は確実に上昇している。

(2)「心室細動による心肺停止時」における除細動実施状況による救命率

【2005年】
 市民によるAED使用・・・・23.9
 救急隊到着後のAED使用・・・8.1%
 除細動なし・・・・・・・・・・3・3%

【2006年】
 市民によるAED使用・・・・29.2
 救急隊到着後のAED使用・・10.7%
 除細動なし・・・・・・・・・・4・1%

【2007年】
 市民によるAED使用・・・・35.5(2005年から12ポイント増)
 救急隊到着後のAED使用・・15.7%
 除細動なし・・・・・・・・・・6・1%

※心室細動による心肺停止時における救命率はPAD、救急隊による除細動施行のいずれも上昇しており、早期除細動が救命率の上昇に大きく関与している。

(3)心室細動による心肺停止時における市民による除細動実施状況

【2005年】
 92件中   46件

【2006年】
 264件中 144件

【2007年】
 486件中 287(2005年から約7倍増)

※AEDの普及に伴い市民による早期除細動(PAD)の実施率は大きく増加した。

(4)2007年中の除細動の有無による社会復帰率(1186例中)

・市民による除細動実施(PAD)・・・102例(8.6%)
・救急隊による除細動実施・・・・・・・743例(62.6%

※一般市民によるPADと救急隊の除細動により、約70%が社会復帰している。

(5)除細動施行例における1ケ月生存の社会復帰率

【2005年】
 ・市民による除細動(PAD)実施・・・81.7
 ・救急隊による除細動実施・・・・・・・51・5% 

【2006年】
 ・市民による除細動(PAD)実施・・・87.5
 ・救急隊による除細動実施・・・・・・・51・2% 

【2007年】
 ・市民による除細動(PAD)実施・・・83.6
 ・救急隊による除細動実施・・・・・・・62・8% 

※PADによる早期除細動の社会復帰率は80%を越えている。
また、バイスタンダーCPRの実施増により、救急隊による除細動実施例の社会復帰率も上昇している。

 AEDの市民開放から5年が経過し、上記のようにPAD(市民による早期除細動)の増加などにより我が国の救命率も確実に上昇しています。
 今後の課題は、さらなるBLSの普及はもちろんですが、導入したAEDの維持管理や救命の意識を含めた「質の向上」がさらなる救命率の向上に向けての重要なポイントになるとの事であり、全くその通りであると思いました。
 新しいガイドラインの策定もいよいよ佳境に入りますが、どんなガイドラインになろうとも、一番大切なことは、救える命を救いたいと思い、手を差し伸べようとする心です。その心を伝えていけるように頑張ろうと思った熊本でのシンポジウムでした。

 シンポジウム終了後は、帰りの飛行機までの短い時間を使って市内観光を・・・念願だった国宝熊本城に行ってきました。
 日本にはたくさんのお城がありますが、国宝とされているお城は松本城(長野)、姫路城(兵庫)、熊本城(熊本)、彦根城(滋賀)、犬山城(愛知)の5つしかありません。歴史好きだった今は亡き祖父の影響で、私も旅先にお城があると必ず見てきますが、この5つの国宝となっているお城はどうしても行きたい所でした。
松本城、姫路城は制覇?し、今回の熊本城でついに3つ目を制覇?元気に歩けるうちに残り2つも制覇?したいな〜と思っております。

 
           国宝・熊本城にて
                   HIGE念願の国宝・熊本城にて


                 熊本城のAED
                AEDは熊本城にもちゃんとありました。



                 熊本名物の馬刺し
           熊本の名物「馬刺し」、シンポ終了後の夜に初めて食べました
          
ウマだけに美味かったです。(汗)


            熊本駅近くの美味しかったラーメン
         熊本駅近くのラーメン屋さんにて。これも美味かったです。

 1泊2日の強行軍でしたが、嬉しい出会いや懐かしい出会いもあり、有意義なシンポジウムでした。今後も、皆さんのお役に立つ情報を発信できるようにあちこちに出掛けて頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。(HIGE)

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