2009・BLS&AED普及推進運動@

「シンポジウム・学校教育における
AEDを含む心肺蘇生教育の新たな展開」

HIGEさんのシンポジウムレポート

シンポジウムの様子
「命のバトン」をつなげるために・・・
教育プログラムと教材の提案


 こんにちは、HIGEです!今回は去る2月11日(祝)東京都内は神田にて開催された「シンポジウム・学校教育におけるAEDを含む心肺蘇生法教育の展開」に行って参りました。タイトルのとおり、学校教育における普及啓発がメインテーマであるこのシンポジウムには、「命の教育」の重要性を訴え、福井県を中心にご活躍されている当HPでもお馴染みのさくらさん、同じく、子ども達を「心臓震盪(しんぞう・しんとう)」から守るために日本全国でのご講演などでご活躍されている輿水健治先生が基調講演者として講演なさることから、不肖HIGEをはじめ、当HPのオブザーバーをお願いしているアッキーさん、ひでじいさんを含む我が町の救急隊員11名も聴講と応援に行って参りました。

 2009年、最初のBLS&AED普及推進運動は、このシンポジウムのレポートからスタートしたいと思いますので、どうかご覧頂きたくお願い致します。
 まず、はじめに今回のシンポジウムのテーマとプログラムについてご紹介させて頂きたいと思います。

1、はじめに〜シンポウムのテーマとプログラム

  シンポジウム「学校教育におけるAEDを含む心肺蘇生教育の新たな展開」 
            ― 教育プログラムと教材の提案 ―

日 時: 平成21年2月11日(建国記念日)  
時 間: 13:00 〜17:30
場 所: ベルサール神田(東京)3階(ルーム1〜4) 約300人収容
対 象: 学校教育者関係者、応急手当普及啓発関係者、一般
主 催: 厚労科研費研究班:自動体外式除細動器(AED)を用いた心疾患の救命率向上のための体制の構築に関する研究(丸川研究班)

★シンポジウム(演者敬称略)★

1、開会にあたって           中谷祐貴子(厚労省医政局指導課) 

2、基調講演(40分)

1)「子どもの突然死・心臓震盪」    輿水健治 (心臓震盪から子供を救う会)  
2)「つなげ!命のバトン」        川崎真弓(命のバトン) 
3)「子供達が学ぶ命の大切さ」    日野原重明(聖路加病院)

3、成果報告(1時間30分)

1)小・中学生のための教育用アニメ教材     長谷敦子(長崎大学)
2)45分講義のための教育プログラム         田中秀治(国士舘大学)
3)中高校生のための教育プログラム        坂本哲也(帝京大学)
4)学校教育における医系大学生の果たす役割  丸川征四郎(兵庫医科大学)
5)小児における心肺蘇生の現況と課題      清水直樹(君津中央病院救急)
6)学校でのAEDの設置と管理            畑中哲生(九州研修所)
 
【休     憩】

4、総合討論・質疑応答(30分)

5、デモ学習会(1時間)
 心肺蘇生訓練用マネキン(個人用トレーニングキット)を用いたデモ学習


2、さくらさん上京

 シンポ当日の朝、東京は曇り空・・・福井からご講演に来られるさくらさんをお出迎えに待ち合わせの新幹線の出口へ先輩と一緒に向いましたが、すでに新幹線で到着したはずのさくらさんの姿が見えません・・・なんせ東京駅の新幹線出口はた〜くさんあるため、一体どこにいるのやら・・・携帯電話で連絡を取り合いながら右往左往、ようやくさくらさんと遭遇できましたが、何やら前途多難の予感が・・・

 さくらさんとお会いするのは、昨年9月の「福井AED普及啓発シンポジウム」以来になりますが、笑顔がお元気そうで良かったです。
 東京駅から会場のある神田駅に向かい、まずはシンポジム終了後の「さくらさん歓迎会&懇親会」会場の下見へ。「ふむふむ、駅に近いしロケーションはバッチグーでしたね!」と自画自賛しつつ、会場へと向かいましたが、「あれれ・・・ここはどこ」状態に・・・ご案内役のはずが迷子に・・・祭日の神田は人通りも少なく、途中で二人ほど道を聞きましたが、何といずれも外国人でもう涙。(おいおい、これじゃ案内係にならんじゃないの〜。)仕方なく途中で喫茶店にて休憩。喫茶店の店長さんに聞くと丁寧に教えて下さり、どうにかこうにか会場を発見、無事にさくらさんを送り届けることができまして、とりあえずひと安心しました。・・・


           会場の「ベルサール神田」
            迷いながら会場の「ベルサール神田」に到着


           シンポジウムのご案内
              シンポジウム案内のメッセージボード


           開演前の会場の様子
              準備中のシンポジウム会場の様子



3、シンポジウム開会〜基調講演

 いよいよシンポジウが開会となりました。会場は、ほぼ満員の盛況となり、厚生労働省の三浦さんによる開会ご挨拶が始まりました。

 最新の調査によると、AEDは全国に13万台が設置されており、その1割が学校に設置され、全国の学校の1/4に普及されているそうです。
 AEDを安全に使う技術と安全の確保が求められていますが、AEDに関する技術的な側面だけでなく、モチベーションが重要であり、人の命、自分の命を大事にする、人工呼吸や胸骨圧迫など人の命を守る手段が重要であるというお話でした。
 2004年7月1日のAED市民開放から4年あまりで、日本にも13万台ものAEDが設置されたというお話は感慨深いものがありました・・・

(1)基調講演@ 「子どもの突然死・心臓震盪」 埼玉医大救命センター 輿水健治先生

 開会ご挨拶が終わり、基調講演がスタートしましたが、基調講演の最初は、当HPでもお馴染みである、「心臓震盪から子どもを救う会」の代表監事である埼玉医大救命センターの輿水健治先生による「子どもの突然死・心臓震盪」のご講演でした。
 胸部への外的な衝撃によって心室細動を起こす「心臓震盪」は、18歳以下に多く発生しており、学校で発生する可能性も低くはありません。そんな時、どうするか?予防するにはどうしたらよいのか・・・というご講演でしたが、会場を訪れた皆さんは真剣な表情で聴講されていました。

 当HPをご覧頂いている皆様には、「心臓震盪」が発生する機序や予防対策、万一発生した場合の危機管理対策など、すでに十分ご理解して頂いているものと思いますが、もっと詳しくお知りになりたい方は、当HPの特集「2008・BLS&AED普及推進運動B心臓震盪から子どもを守ろう!輿水先生講演会レポート」をどうかご覧頂きたいと思います。

           輿水先生の基調講演
        基調講演@輿水健治先による「子どもの突然死・心臓震盪


(2)基調講演A 「つなげ!命のバトン」 川崎真弓さん(福井県・命のバトン代表)

 輿水先生に続いての基調講演者は、さくらさんこと川崎真弓さんの登場です。
 当HPでは、「さくらさん」でお馴染みですから、さくらさんという表記でご紹介させて頂きたいと思います。さくらさんの想いについては、ご講演の全文をご紹介させて頂きます。

 ご講演原稿のご提供並びにご講演全文の本HP掲載につきまして、快くご了解頂きましたさくらさんにこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
 ご講演全文のご紹介の後、会場でも流されたDVD「命のバトン」(You・Tube)のURLを掲載致しましたので、さくらさんのご講演全文をご覧頂いた後、続いてご覧頂きますようお願い致します。

           さくらさんの基調講演
          基調講演A川崎真弓さん「つなげ!命のバトン」

●さくらさんご講演全文(原文のまま)

 はじめまして。福井県において命をつなぐ心を育てる会「命のバトン」としてAEDとBLS普及活動をしています川崎と申します。よろしくお願いします。

 「命のバトン」は命をつなげるための技術とともに、自らの思いで命をつなげたいという心を育てていけるように、月1回 お母さん目線で講習会を開いています。
 BLSの資格をもつ普通のお父さんお母さんたちが集まり会を始めて一年が過ぎました。仲間も少しずつ増え地元のお医者様や救命士さんたちが共に心を伝えようと参加してくださるようになり、昨年は福井においてAED普及啓発シンポジウムを開催することもできました。

 私がこのような活動をするようになったのは今から7年前、高校1年生の長女を学校の体育祭でなくしたことから始まりました。
今日は、長女沙織やこれまでにたくさんのつながったはずの命のメッセージと残されたものの気持ちを伝えることで、他人事だとおもっていたことに少しでも共感し、命にむきあってもらえたらとの願いから参りました。

 沙織は2002年9月6日、学校の体育祭でリレーに出場し、次の走者にバトンを渡したあとトラック内で意識を失い倒れました。その日は16歳の誕生日でした。 
 リレーに出て倒れたなら、なにか持病をもっていたのではないだろうかと思われるかもしれませんが、高校1年の春の健康診断では身長162センチ、体重は自称50キロ、内科検診・レントゲン・心電図共に異常なし。骨密度110%でした。
 娘は小さい頃から活発な子で、小学5年生のときにはスポーツ少年団のバレーボールに入り、中学校では陸上部、高校ではマーチングバンドと、家にいるより外でローラースケートやバトミントンなど体を動かすことが大好きな子でした。

 体育祭のその日もいつもとかわらず、雨がふりそうな気配にタオルを2本もって自転車で出かけていきました。その後ろ姿が最後になるとは思いもよらないことでした。病院で医師から告げられたことは、原因は心臓で、「心室細動」という症状のために意識を失ったということでした。病院に運ばれたあと電気ショックで心臓はいったん力強く戻ってきたのですが脳の動きが戻りませんでした。「もう少し早く脳に酸素がいっていたら・・・脳に酸素がいかなかった時間がながすぎた。」という先生のその言葉が今も忘れられません。
 
 懸命な治療にもかかわらず4日後の9月10日に息を引き取りました。「心室細動による多臓器不全」でした。
 人がうまれてきたら必ずいずれ死んでいくことくらいわかっていましたが、それまでの私にとって、「死」とは年を重ね肉体がだんだん衰えやがて動かなくなったときや、病気にかかり病院で精一杯の治療をうけても病気にかてないとき、交通事故などの加害者があるとき・・・それが「死」だと思っていました。 
 私にとって沙織は突然 消えたとしかいいようがありませんでした。

 沙織がいなくなっても洗面所にいけば沙織が朝に使っていたブラシがそのままおいてあり、部屋にいくとパジャマがそのままぬいであり、机にはマンガが読みかけになっていました・・・物干しには沙織の洋服がかかったままで、携帯には友達からメールが届く音・・・ 家の中には沙織がいっぱいでした。
 こんなにもあの子が使っていたものはまだ息づいているのに沙織の姿が見えません。 呼んでも返事をしてくれません・・・つい、ほんの数日前まであんなに元気でよく食べてよく笑っていたあの子は2度と私の前には現れてはくれませんでした。
 私はあの子の死を受け入れられず 何故娘を救ってやれなかったのか・・・なぜ 娘を守ってやれなかったのか・・・なぜ娘が元気なまま旅立たなければならなかったのか。なぜ?なぜ?と自分を責めながらその答えを探しました。 

 それからの私は図書館に通い、わかりもしない医学書を読んだり、ネットで検索を繰り返し 沙織を追い続けました。そして「心室細動」にとって唯一有効なものは除細動器AEDだということを知りました。
すでにAEDというものがこの世にすでに存在し、アメリカではたくさんの命が救われていると言うことも知りました。沙織の主治医もAEDがあれば助かった可能性は高いと・・・このAEDがあれば沙織は今も青春をたのしんでいたはずです。

 アメリカでは子供が使えるものがどうして日本では医師しか使えないのだろうと苛立ちの中、一人でも多くの人に除細動器AEDというものの存在をとにかく知ってもらおうとHPの中で伝えることにしました。
 しかし、医療とは無縁の私がこんなことを伝えてもいいのだろうかと一歩も前に進めなかった頃、知り合った救命士さんから「資格より自覚、知識より意識。思いがあれば世の中を変えていけるよ。」と背中を押してもらいました。

 2004年7月1日、AEDは日本でも一般の人が使えるようになり、一大決心をして知事さんにメールをうちました。そして、福井県の西川知事さんはじめ県の職員さんがしっかり受け止めて頂き、県の施設や各県立高校に配備され、その翌年には福井市の小中学校公民館・図書館など各施設に配備され、AED設置率は全国のトップクラスとなりました。しかし、AEDを設置するだけでは救命率は上がりません。

 AEDは単なる器械です。音声が流れ、そのとおりにパッドを貼り、ボタンを押すだけの簡単な器械ですが、それを優れたものにするのはそばにいる人の勇気と愛です。その思いが救える命、つながる命となっていきます・・・
 救命において大切なことは「助けてあげよう」という人を思う心であり、命に対してつなげていこうという願いがなければできません。
 AEDがあれば万全ではなく、心臓の動きによってはAEDも作動しません。そのようなとき、心肺蘇生法CPRがとても重要になってきます。
 そして そばにいる人が突然倒れたとき すぐに対応できるように一次救命法BLSが身につくためにはAEDの使い方と心肺蘇生法を知ると同時に、知らない人をなぜ助けるのか?何故、命は大切なのか?という生き死にを見つめていく「命の教育」というものが底辺に流れてこそはじめてBLSが身についていくと思います。

 私たちは朝、「いってきます」と家族を見送り、また見送られて学校に、職場へと出かけていきます。
 大切な家族は成長と共に行動範囲を広げ、実際に親は子供を守ることができなくなります。夫婦もそれぞれの職場へと行けば、なにかがあってもすぐに助けてあげることができないのです・・・・

 沙織のことで、私はずっと、「親なのに何故守ってやれなかったのか・・・」と悔い続けてきました。でも、親は子供をどんなに愛していてもずっと一緒にいることはできないのです。自分の大切な家族は他人の中で成長し、他人に守られている命なのだと気がつきました。それならば、守ってやれなかった私が沙織にしてあげられることは、他人によって守られている命を、つなげていけるような社会にすることではないだろうか。安心して「いってらっしゃい」と見送れる社会にしていかなければと思いました。
そして、他人を守れるということは、すなわち愛する家族が守られ、自分も守られている社会になるということになると思います。

 娘は学校という、一番安全だと思っていた場所で倒れました。まわりにはたくさんの先生や生徒がいました。沙織の命は他人に守られていたのです。
 しかし、つながるはずの命はつながりませんでした・・・
 なぜ、つながらなかったのか?それは術を知らなかったからです。私たちは医者でもなく 看護師でもありませんが、救急車がくるまでの6分間の間に命をつなぐためにできることがあるのです。
 AEDはすべてではありませんが、そこに精一杯の愛と勇気があったならつながる可能性も高くなり、救える命も増えていきます。
 そして、たとえ悲しい結果となったとしても、命の瀬戸際でそばにいる人たちの精一杯の愛があったのなら、残されたものにとっては、わずかでも癒されることになると思います。グラウンドで仲間が倒れたとき、教室で友達が倒れたとき、そばにいる生徒たちがすぐに救命チームを作ることですばやい救命が可能となり、障害のない社会復帰へとつながっていきます。

 AEDという器械からいろんなことが見えてきます。生きるということ、死ぬということ、長く受け継がれてきた自分の命のこと、他人の命を思いやるということ、それによって命のバトンが次の世代にわたっていくということ・・・いろんなことをおしえてくれます。
それはすべて人としての原点であり生きる力となっていくのではないでしょうか?沙織のようにスポーツが大好きで、元気な子どもたちがいつ倒れても「あなたの命はみんなが守ってあげるよ。」と言えるような社会がくることを心から願っています。

 そして、一人でも多くの方によって救命が必要なときに心肺蘇生法を行ない、AEDを使うことで一つでも多くの大切な命が救えることを願っています。
その願いを福井の救命士さんが1枚のDVDにしてくださいました。どうか見てください。ありがとうございました 
        

「命のバトン〜a message from Saori」(You Tube) 


 ここで「命のバトン〜a message from Saori」のご紹介をさせて頂きます。
 昨年9月、地元福井でのAED普及シンポジウムの開催にご尽力なさった「さくらさん」の今までのご活動の足跡を、「さくらさん」の地元に勤務なさっている救命士Fさんが、約5分間にまとめたものが「命のバトン」です。
 文字と楽曲だけの、とてもシンプルな内容ですが、AEDが一般市民に解禁された翌年の2005年、4人の方の尊い命が、周囲にいた人のBLSとAEDにより救われた「愛・地球博」のテーマソングである「DAHLIA」の「I’LL BE YOUR LOVE」とともに、さくらさんと沙織ちゃんの「救える命を救いたい、つなげる命をつなげたい」というメッセージと想いが心に響くDVDです・・・
 
 そして、同じく当HPでもご紹介させて頂いている「AEDをすすめる新潟の会」代表、うぶみさんの想いが込められた「AED〜スイッチひとつで救える命がある」のDVDもご紹介させて頂きます。最愛のご子息である志信くんを、突然の心室細動で亡くされたうぶみさんの想いと、同じような悲しい事故が二度と起きないようにとの願いが込められたDVDです。同じくこのDVDも下記からご覧頂くことができます。

 うぶみさんは、昨年7月1日、当然襲った病魔に倒れ、ご急逝なさいました。奇しくも日本でAEDが市民に開放された7月1日に、志まだ半ばで、あまりにも早く逝ってしまったうぶみさんの想いも、どうか皆さんにご覧頂き、知って頂きたいと思います。そして、「命のバトン」をつなぐこと、スイッチひとつで救える命があることをどうか知って頂きたいと思います。

「AED〜スイッチひとつで救える命がある。」(You Tube)

(3)基調講演B 「子ども達が学ぶ命の大切さ」 日野原重明先生(聖路加大学)

 3人目の基調講演者は、97歳にして現役医師としてご活躍中の聖路加大学の日野原重明先生です。「子ども達が学ぶ命の大切さ」と題してのご講演はとても意義のあるご講演でした。

          日野原先生の基調講演          
        日野原先生による基調講演「子ども達が学ぶ命の大切さ」
 
冒頭、「命とはいったいどんなものなのか?」というお話がありました。子ども達の多くは胸を指さし、「ここにある」と言うそうです。先生は、「そこにあるのは心臓という体のすみずみまで血液を送っている体のポンプであって命ではない、命とは今、君が自由に使える時間であり、君たちはその時間の主人公である。」と子ども達に教えていらっしゃるそうです。確かにそのとおりだと思います。自分が自由に使える時間、それは即ち寿命であり、命なのです。
          いのちって何?
          日野原先生ご講演・「いのちとは、君の持つ時間」

そして、「愛といのち」というお話をなさいました。下の画像の内容ですが、「愛を感じられる人は人を愛せる人、人を愛せる人はいのちを感じられる人・・・」というお話でした。
愛といのちは繋がっているものであり、命を大切にできる人が人を愛せるというとても感慨深いお話でした。
そして、「心」についても非常にいいお話をして下さいました。心あらざると書いて「悲」という漢字になり、真ん中に「心」があって「愛」という漢字になる。
人は「心」があるから「人」なのである。「心」はいのちと繋がって「愛」に通じるものであり、命を救うためには、命の大切さを知る「心」を持ち、「愛」を持つことであるという、本当にいいお話でした。
 子ども達に聴診器と血圧計を渡して、お互いの血圧の測り方を教えると、実に飲み込みが早く、とても上手に血圧測定ができるようになるそうです。それは、素直な「耳」を持ち、命の鼓動をしっかり聞くことができるからだそうです。この素直な耳を持っている子ども達にこそ、命の啓蒙教育が大切であるというお話でした。長年、医療の現場に携わり、戦争という悲しい歴史も体験なさり、平和の大切さ、命の尊さを自らご体験なさった先生ならではの本当に感慨深い基調講演でした。


          愛といのち
               日野原先生ご講演・愛といのち

4、シンポジウム〜成果報告

(1)成果報告@ 
 「小・中学生のための教育用アニメ教材」 長谷敦子先生 長崎大学


 基調講演に続いては、各地で「学校教育へのBLS教育」をテーマでに、各地で研究された成果報告です。

 まず最初は、長崎大学の長谷先生から、アニメを使った子ども達へのBLS教育のご講演でしたが、以前より「アニメを使ったBLS教育」を提言している私にとっては、とても興味深いご講演でした。

 以前にもご紹介しましたが、今から数年前、東北であった実話です。
 ある朝、自宅付近の池に、ハンドル操作を誤り1台の乗用車が転落しました。
 自宅から父親と息子(当時小学校高学年)が現場に行ってみると、乗用車の半分が池に沈み、運転手の男性は顔が水に浸かっていてぐったりとして動きません。
 父親が池に入り、ドアのガラスを破り、男性を救出、池から引き上げましたが呼吸がありません・・・どうしたものかと戸惑う父親に、息子がこう言いました。「お父さん、顎を引き上げて気道確保、そしたら鼻をつまんで人工呼吸して!」父親は息子に言われたように人工呼吸を開始したところ、男性は水を吐き出し、呼吸が再開。一命を取り留めることができました。

 なぜ、この男の子が人工呼吸を知っていたのでしょうか?
 お手柄の男の子に聞くと、彼はこう言いました。「だって、名探偵コナンの映画でコナン君がやっていたから。そのとおりにお父さんに教えただけだよ。」と・・・・
 子どもから大人まで絶大な人気を誇るテレビアニメ「名探偵コナン」の映画版「13番目の標的」の中で、短い時間ですが、確かにコナン君が人工呼吸の方法について説明するシーンがあります。そんな短いシーンでも、彼等にとってヒーローであるコナン君がやっているということでしっかりと記憶に残るのです。

 記憶に残れば、いざという時、自らが実施することができなくても、傍にいる大人に教えることができる。アニメのヒーローが実施していることが子ども達にいざという時の勇気をも与えていることを知り、この事例を知ってから、子ども達にアニメを使ってBLSを理解してもらえたら・・・と思うようになりました。
 すでに、何度もテレビ局にBLSに関する放映嘆願のメールを出していますが、返事はまだ来ません。でも、あきらめずに頑張ろうと思っていたところに、このご講演がありましたので、本当に興味深く聴講させて頂きました。

          長谷先生の成果報告
        長谷先生の成果報告「小・中学生のためのアニメ教材」

 製作されたアニメはとてもよく作られていました。おじいちゃんと一緒に出掛けた姉弟の前で、おじいちゃんが突然倒れてしまいます。どうしていいか判らない姉妹が協力して助けを求めると、救命の心得のある近くのお店の店長さんが心肺蘇生法を実施、AEDを使って倒れたおじいちゃんを救命するというストーリーです。
 おじいちゃんが倒れてしまうというショッキングなテーマですが、登場人物の優しい表情や、各シーンの表現方法の工夫で、小学生が見ても怖がることなく理解できるよう十分に配慮された素晴らしいアニメでした。

         アニメを真剣に見る子ども達
        長谷先生のアニメ教材を真剣に見る小学生達の様子


 一部の地域の小学校で実験的にこのアニメの視聴を実施した結果も非常に良好で、今後、さらに研究を重ね、近い将来には実用化されるかもしれないというお話でした。

         アニメを見てのアンケート結果
       アニメーションが「ためになった」という回答は90%以上


         まとめ
          教育用アニメ教材を使った研究結果のまとめ

 上記の画像の「結語」にもあるように、こうした教育用アニメ教材が実用化されるには、関係機関の理解と、協力が不可欠ですが、学校教育に活用されることによって、小さな頃からBLSを学ぶことができます。なんとか実現して、これからの新しいBLS普及の形ができていけばいいなと心から思いました。 長谷先生、これからも頑張って下さい!

(2)成果報告A 
 「学校内における簡易型蘇生人形を用いた心肺蘇生法(BLS)教育の効果」
 田中 秀治先生(国士舘大学)
 


 続いての成果報告は、当HPをご覧頂いている皆様にはお馴染みの「簡易型蘇生人形」(ミニアン)を使ったBLS教育の効果についてです。

 ミニアンを使った教育効果、指導者の負担軽減については、昨年UPした「福井シンポジウム・レポート」に詳しくご紹介させて頂きましたが、ここで、もう一度ご紹介させて頂きたいと思います。「CPRトレーニング・パーソナルキット」には、空気膨張式で、軽く、携帯が可能な訓練用マネキン、模擬AED、模擬携帯電話、自己学習用のDVDとテキストがセットされており、受講者は自分専用の人形を使い、DVDを見ながら実技を学ぶことができます。持ち運びが簡単であり、DVDを見ながら受講可能であることから、指導者の確保や器材搬送の問題を解決できるとともに、講習会の後、受講者がこのキットを家庭や職場に持ち帰り、DVDやテキストを見ながらの自己学習はもちろん、講習を受けられなかったご家族や、会社の同僚へ普及するという効果もあります。
 ノルウェーやデンマークなどの北欧では、BLS普及率と救命率の向上に大きな成果を上げており、新たなBLSの普及手段として現在非常に注目されているものです。

   CPRトレーニング・パーソナルキット
  「CPRトレーニング・パーソナルキット」(2008・9月・福井シンポジウムより)

          田中先生の成果報告
     パーソナルキットを使用した教育効果に関する田中先生のご講演

          まとめ
                 研究結果のまとめ

 年間の教育カリキュラムや授業時間などが限られている学校では、短時間に多くの児童や生徒が学習できるミニアンを使用した教育は有効であるという報告でした。
 このシンポジウムでは、ミニアンを使っての実際のBLS&AEDのトレーニングもあり、実際に体験して来ましたので、後ほどたっぷりレポートしたいと思います。

(3)成果報告B 
 「中高生のための教育プログラム」 坂本 哲也先生(帝京大学)

 3人目の成果報告は「中高生のための教育プログラム」に関する帝京大学の坂本先生のご講演でした。この研究は、従来実施している3時間の「普通救命講習会」と、前述のミニアンの45分間の講習会について、実技の能力にどのくらいの差異があるかという実験の結果報告でしたが、AEDの操作に関しては差異があるものの、心肺蘇生法の実技に関しては大きな差異はなかったというご報告でした。

 ミニアンを使用してのBLS講習については、短時間でたくさんの受講者を少人数の指導者で指導できるというメリットもあり、心肺蘇生法の基礎的な知識や実技能力の習得には非常に効果的であると思いますが、ことAEDに関しては実際の訓練機を使って体験する必要性があるのではないかと感じました。AEDを用いたBLSの実施において、救助者が最も危険を回避しなければならないのは、AEDにおけるショック時です。
 これは、やはり実際の訓練機を使い、自らが体験し習得する必要があるのかなと感じました。
 また、私達が講習会で必ずお伝えしているのは「感染防止」です。まだ報告はされていませんが、飛沫感染の可能性がある新型インフルエンザ、血液を介して感染するB型・C型肝炎などの知識や、これらの危険から身を守るための方法の説明などは、45分間のDVDプログラムの最後に組み入れていった方がいいのかな〜と感じました。

         坂本先生の成果報告
                 坂本先生の成果報告

(4)成果報告C 
 「学校教育における医系大学生の果たす役割」 丸川 征四郎先生(兵庫医科大学)

 今回のシンポジムを開催された「AEDを用いた心疾患の救命率向上のための体制の構築に関する研究班」、通称「丸川研究班」の主任研究者である丸川先生の成果報告は「学校教育における医系大学生の果たす役割」についてでした。
 現在、各地で救命率向上のための救命講習会が開催されていますが、開催要望に対して指導者の不足や業務多忙などにより、なかなか全ての講習会をお受けできないという問題があります。もし、学校教育現場でのBLS教育が実現したとしても、いきなり学校の先生に全てを任せるという訳にもいきません。さりとて指導者が充足していないという現状では、そう簡単にいかないという問題点があります。

 そこで、丸川先生は、大学のの医学部に在籍する学生に着目され、これらの医系学生をBLS教育現場への活用効果について研究なさいました。
 これから医師を目指す医系学生をBLS教育に活用するためには、知識と技術の均一性が求められれますが、現在の各大学での教育プログラムが個々の大学に委ねられていることから、一様ではなく、各学生個々の知識や手技に差異があることから、これらの統一化が必要であり、経済的な支援対策も必要であるというご報告でした。

 ここからは、私の私見ですが、医系大学生の活用に加え、現在、医療現場に勤務していない看護師有資格者やこれから定年を迎える救急救命士なども、BLS教育に活用できる貴重な人材ではないかと思います。
こうした人材を厚生労働省に登録し、いわゆる「BLS指導者バンク」を作ります。そしてこの人材バンクの情報を各自治体に提供し、BLS教育の指導に活用してもらうのです。
 普及には人の力が不可欠です。様々な職種の人達が協力していける体制づくりが必要なのではないかと思いました。

          丸川先生の成果報告
                 丸川先生の成果報告

(5)成果報告D 
 「小児における心肺蘇生の現況と課題」 清水 直樹先生(君津中央病院)

(6)成果報告E 
 「学校でのAEDの設置と管理」 畑中 哲生先生(救急救命九州研修所)

          清水先生の成果報告
                 清水先生の成果報告

          畑中先生の成果報告
                 畑中先生の成果報告


 続いての成果報告は、君津中央病院の清水先生からの「小児における心肺蘇生法の現況と対策」についてでした。学校医との関わりや、健診において要観察児童(生徒)となった学校にAEDが設置されていない現状や、欧米では、自宅にAEDを設置するホームAEDが普及しつつあることなどのご報告がありました。
 最後の成果報告は、救急救命九州研修所の畑中先生による「学校でのAEDの設置と管理」と題しての成果報告でした。
 統計から、学校におけるAED使用率は他の不特定多数が利用する場所に比較して少ないものであることから、現在の普及熱が覚めてしまうと、忘れがちになってしまうことが予想されます。しかし、学校にAEDがあるということの教育効果は非常に大きいものであり、AEDを通じて命の尊さ、命を救うことの大切さを学ぶことができる。AEDは救命機器であると同時に教育機器でもある・・・というお話でしたが、先のさくらさんの講演にも通じるとても有意義なお話でした。

5、総合討論・質疑応答

 休憩を挟み、総合討論に入りました。議題は「学校におけるBLS普及の主体はいったい誰なのか?」というテーマになりました。
 医師?救命士?医療系の学生?学校の先生?など様々な立場の方からの意見が出ましたが、なかなか結論が出ません・・・
 この時、最後にご発言なされた日野原先生の言葉は、さすが人生の大先輩というお言葉でした。

「普及ってものの底力はね、パッション(情熱)とボランティア精神だよ。」

 
会場からは期せずして拍手が・・・まさにそのとおりだな〜って感服致しました。
 主体なんてものは便宜上のものであり、お役所でもどこでも決めればいいこと。指導や普及に当たるのは先生や医師や救命士という職種ではなく、情熱とボランティア精神を持った人がやる・・・そういう意味なんだなって思い、自分を含めて全国でBLSやAEDの普及活動に関わっていらっしゃる多くの方々に、これほど心強い言葉はありませんでした。 その後、日野原先生のご意見に勝る意見は出ず、討論会はお開きとなりましたが、いや〜本当に味のあるお言葉で、まさに、本日のシンポジウムの結論ともいえるご意見に、不肖HIGEも感服致しました。

6、全員参加!ミニアンでの心肺蘇生法&AED学習会

 続いては、聴講者全員に先にご紹介した「ミニアン」が配られてのBLSトレーニングとなりました。
 昨年9月の福井シンポでも同様の講習会が開催されましたが、その時は指導する側だったので、ミニアンには触れずじまいでしたが、今回は大汗をかきながらみっちりとやってきました!

          ミニアン・トレーニング開始!
          DVDを見ながら、ミニアンBLSトレーニングの開始!

          ミニアン準備完了!
               人形に空気を入れて準備完了!

          人工呼吸トレーニング実施中
              気道確保しての人工呼吸実施中!

          HIGE・胸骨圧迫実施中!
            私も大汗かいて胸骨圧迫を実施中です。

          アッキーさんも頑張ってます!
          当HPオブザーバーのアッキーさん(右)も実施中!

          ひでじいさんも頑張ってます?
            同じく、ひでじいさんも頑張ってます!(右)

          mountain tigerさんも実施中
     HIGEの名付け親であり師匠のmountain・tigerさん(左)も実施中


          AEDトレーニング実施中
             模擬AEDを使ってのAED操作訓練中

 今回本格的にミニアンを使ったトレーニングを受講者の立場で経験できたことは、とても貴重な経験でした。講習全体は従来の救命講習に比較すると、わずかの時間でしたが、BLSにおいて最も重要な胸骨圧迫を十分に習得できるだけの時間が取られており、繰り返し数回実施することで、手技もマスターできることを実感しました。
 ちょっと思ったことは、息を吹き込みすぎて、人形をパンパンに膨らませてしまうと、有効な胸骨圧迫時にカチカチと音が出るクリッカー機能が、かなり強力に圧迫しないと鳴らないという事でした。
 実際の胸骨圧迫は、対象者の体型に合わせ、その胸郭が3分の1沈む程度の深さで圧迫しますが、空気を目一杯入れた場合ですと、ちょっと強すぎないか?って感じました。なので、ほんのちょっと空気を抜いて実施してみると、実際の胸骨圧迫に近い感じになりましたので、ミニアン使用時にはこのあたりを注意しなきゃいけないなと感じました。
 ミニアントレーニングでは、日野原先生も受講者と一緒に胸骨圧迫を練習なさっており、その姿には感動しました。

7、シンポジウム終了

 そんなこんなでミニアントレーニングも無事に終了。シンポジウムも無事に全プログラムが終了しました。ミニアンセットはもちろんお持ち帰りOK。福井で入手できなかったミニアンセットがようやく手に入りました。(笑)

 今回のシンポジウムでは、本当に有意義な講演や成果報告を聴講することができました。そんな中で感じたことは、様々な研究を一体化して学校教育へのBLS普及に活かせないか?という事でした。
 まず導入として長谷先生のアニメーションを使い命の尊さや命を救うための術を学ぶ、実技はミニアンを使い心肺蘇生法の基礎的な手技をマスターし、最終段階でAEDの操作法と感染防止について学ぶという一連のプログラムです。
 そして、その指導には、職種を問わず「パッション(情熱)を持ったボランティア」の方々を指導者バンクに登録し、指導をお願いするという事が実現すれば、本当に素晴らしい事だな〜と感じました。
 きっと、近い将来、こうしたことが実現することを信じて、また明日から頑張ろうと思いました。遠く福井からご講演にいらして下さったさくらさん、本当にご苦労様でした。さくらさんと沙織ちゃんのメッセージは、会場にいらしゃった全ての方々の心に伝わったと思います。そして「命のバトン」を手渡して下さると思います。お疲れ様でした!

 なお、シンポジウムの最後に、ミニアンを持ち帰った後、必ず2人以上にBLSトレーニングを実施させること・・・という宿題が出ましたので、翌日の夜、早速宿題に取りかかりました。半ば強制的に短大生と高校生の娘2人を相手に宿題を実施。最初はいやいやでしたが、クリッカーのカチカチという音が上手く出ずに、どっちが先にカチカチ音を出せるか姉妹で競争になりました・・・二人とも胸骨圧迫をやりまくって、カチカチと音が出た時には「出た〜!」。 クリッカーには、こんな相乗効果もあるのだと感動しました。高校生レベルですと、飲み込みが早く、短時間でも十分にBLSをマスターできてました。やっぱりミニアンはスグレモノですね。

             宿題実施中@ 
              シンポジウムの宿題実施中@

             宿題実施中A
              シンポジウムの宿題実施中A

8、番外編〜さくらさん慰労会&懇親会

 ・・・という訳で、シンポも無事に終了し、その後は、福井からご講演にいらっしゃったさくらさんの慰労会と懇親会を、さくらさんと輿水先生にゆかりのある皆様のお集まり頂き、私を含めた救命士・救急隊員11名で開催する予定となっており、不肖HIGEが幹事&司会進行の大役を仰せつかりました。
 輿水先生とさくらさんをゲストにお招きしての懇親会は、30名という多くの方のご参加を頂きましたが、開宴のご挨拶の冒頭、輿水先生から、昨夏に急逝なされた新潟の「うぶみさん」のご冥福をお祈りする黙祷が捧げられました。

 もし、ご存命なら、きっとこの場にいらっしゃり、明るい笑顔を振りまいて笹団子を配っていただろうな〜と思うと悲しくなりましたが、湿っぽいのが嫌いなうぶみ姉さんだから、きっと喜んでくれてるだろうなって思いました。ご配意頂きました輿水先生、ありがとうございました。

          輿水先生のご挨拶
                  輿水先生のご挨拶

 懇親会は和やかなうちに開宴となりましたが、ゲストのさくらさんが、講演者反省会のお食事会の方に確保(笑)されてしまい、ゲスト不在の中で開宴するという司会進行にとっては、まさに冷や汗タラタラの状況、どうなってしまうんだ〜〜と頭を抱えながらの進行でしたが、後刻無事にさくらさんも到着し、ようやく胸をなでおろしました・・・

        さくらさん到着後のご挨拶
               さくらさん、ようやく到着です。

 懇親会には、北海道のお仲間の皆さんから、4本(総重量約3Kg)の焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」の差し入れを頂き、一同ペロリとご馳走になりました。
証拠写真としてカラになった「鍛高譚」をUPします。北海道のお仲間の皆さん、お心遣いありがとうございました。
 しかし、家からあれだけ重たい思いをして、途中で袋が破けるというアクシデントに見舞われながら必死に運搬したのに、こんな短時間でペロリですからね。皆さん、本当に恐るべしです。(爆)

           懇親会の様子
                     懇親会の様子

               空になった「鍛高譚」
                 空っぽになった「鍛高譚」

 懇親会には、スペシャル・ゲストとして、当HPでもWEB公開している、さくらさんのご活動をコミックにまとめた「千の風とともに〜Hello・Again」の作者でいらっしゃる河崎芽衣先生も参加して下さいました。
 河崎先生はもちろん、シンポジウムにもご参加下さいました。著書を持参していたことから、緊張しつつも先生にサインをお願いしたところ、快くサインを頂いた上に、ありがたいメッセージまで頂戴し、私の宝物になりました。河崎先生、ありがとうございました。

          河崎芽衣先生から頂いたサイン&メッセージ
            河崎先生から頂いたサインとメッセージ

 そんなこんなで、懇親会も無事終了。今回のシンポで、また新しい出会いの輪が拡がったものと思います。
 「草の根運動」の根っこは「人」と「人」の繋がりです。この出会いがまた根っこを伸ばしてくれたならこんなに幸せなことはありません。
そして、いつものことですが、今回もたくさんの方々から新たなパワーを頂き、しっかりと「パッション(情熱)」の元を充電させて頂きました。皆さん、本当にありがとうございました。
 
大役を果たせてホッとしましたが、懇親会では、進行や調整に追われ結局何にも食べられず・・・パッションの元は頂きましたが、お腹がグ〜・・・(涙)。その姿を見かねてお気遣い頂いたさくらさん達と喫茶店へ。ホットドックを食べましたが、今まで食べたどのホットドッグよりうまかった〜。
忙しかった一日も無事に終わり、翌日はさくらさんをお見送りして、今回のミッションの全てを終了しました。

9、おわりに・・・

 こうして、東京のシンポジウムも無事に終了しましたが、厚生労働省という国レベルで学校教育へのBLS普及、「命の教育」の必要性を真剣に検討されていることは、とても心強く感じました。
 この国は良くも悪くも「縦割り行政」下にありますので、学校教育を司る文部科学省などの協力を得なければ実現はできません。まして、教職員の教員免許更新の導入もあり、現場の先生方の負担も益々増えていることから、実現にはまだまだ時間がかかるものと思います。

 学校の先生方は昔に比べ、本当に忙しく、時間が無いというのは事実なのです。私にも中学校の先生をしている親友がおり、学生時代そのままの情熱を持った「熱血教師」ですが、その彼ですら「時間が無いんだ・・・」とよく言っています。
 そこへ持ってきて教員免許の更新再講習などが決まり、先生方はさらに厳しい状況にあり、そんな中でいきなり「命の教育を!」と言われても、それを受け入れる側の対応は並大抵の事ではありません。

そんな中、以前、BBSでもお知らせした、ある県の高校のM先生は、「今できることから・・・」と自ら、救命講習会、上級講習会、さらには応急手当普及員の資格を取られ、校内からのBLS啓蒙と普及に頑張っていらっしゃいます。

 なぜ時間が無いのか?それは何もかも学校に任せっきりにして、全ての責任を学校や教職員に押しつけている側にも問題があると思います。
 AEDが市民に開放されるまでには、長い長い時間が掛かりました。学校関係への普及も当初は全く進みませんでした・・・
 しかし、あきらめず、投げ出さずに多くの方が少しずつ前へと進んだからこそ今があるのです。AEDが解禁されてからわずか4年ちょっとしか経っていない現時点で、一気に物事を変えることは、まだできないのではないかと思います。

 PTAや地域の青少年育成活動に参画し、学校行事に参加し、学校の先生と会う機会を増やして、少しずつ話をしながら理解してもらうことも「今できること」のひとつです。
 去る2月15日、市内の小学生駅伝大会に、私達地元の救急救命士、救急隊員、救助隊員22名で組織した「救護ボランティアチーム」が初めて参加しましたが、子ども達の安全を守るという大きな目的とともに、こうした活動を通じ、学校の先生や地域の皆さん方のご理解に繋がっていってくれればと思っています。(この救護ボランティア・チームの活動は改めて当HPにてUPします。)

 1ミリでも前に出れば「前進」です。たとえ一日1ミリでも1年後には365ミリ前に進みます。決して下がらず、決して止まらず、わずか1ミリでもいいから前へ、前へと進んで行くことが大切ではないかと思います。 一人ひとりの1ミリが、たくさん集まれば必ず大きな一歩になります。

 そんな「想い」にぴったりの歌があります。私の大のお気に入り、中島みゆきさんの「命のリレー」です。

♪この一生だけでは辿り着けないとしても、命のバトン掴んで、願いを引き継いでゆけ♪

と繰り返される歌詞が大好きです。まさに、この歌のとおり、例えこの一生だけでは辿り着けなくても、「命のバトン」を引き継いでいきたいと思います。
良かったら皆さんも是非一度聴いてみて下さい。

 中島みゆき「命のリレー」 (You・Tube)

それでは、また!(HIGE)

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