HIGEさんの出張BLS講習スペシャル
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| こんにちは、HIGEです!今回の「HIGEさんのスポーツ救命救急」は、スペシャル企画として、去る2月27日(月)東京都港区にある「ジャパンエナジー本社」において開催された「HIGEさんの出張BLS講習・JOMOバスケットボールクリニックスタッフ・スペシャル」の模様をお送り致します! 今回の「HIGEさんの出張BLS講習」のご依頼者は、当HPの「2006・AED普及推進運動Aにおいて「AED」の普及運動にご協力を頂きました、アトランタオリンピック女子バスケットボール日本代表選手であり、「JOMOバスケットボール・クリニック」の専任コーチとしてご活躍なさっている萩原美樹子さんです。 当HPでもご紹介致しましたとおり、萩原さんは、子供達のスポーツ現場における安全対策と、スポーツ指導者としての「BLS(Basic・Life・Support)」や「AED」の知識や技術の必要性を強く認識なさっており、当HPで展開中の「AED普及推進運動」にも、その趣旨をご理解頂き、快くご協力をして頂きました。 萩原さんとお会いした時、「機会があれば是非BLSについて学びたい。」というお話をなさっていらっしゃいましたが、前回お会いした事がご縁となって、萩原さんが所属なさり、日本の全国各地で子供達のバスケットボール指導にご活躍なさっている「JOMOバスケットボールクリニック」のスタッフの皆さんとともに、子供達が安全な環境で、楽しくバスケットボールを学ぶ事ができるようにと、この度、不肖HIGEの「出張BLS講習」へご依頼を頂いた次第です。 日本の女子バスケットボール界を常にリードしてきた名門チーム「ジャパンエナジー・バスケットボール部」(現JOMOサンフラワーズ)OGの皆さんにより結成された「JOMOバスケットボール・クリニック」では、1995年よりバスケットボールを通じ、地域の方々とのコミュニケーションを深めること、バスケットボールの振興と普及を目的として、社会貢献活動の一環として、全国各地でバスケットボールクリニックを開催し、バスケットボールの楽しさをたくさんの子供達に教えるというご活動をなさっており、クリニックのコーチングスタッフの中には、1996年のアトランタオリンピックや2004年のアテネオリンピックでご活躍なさった日本代表選手もいらっしゃいます。 ![]() JOMOバスケットボールクリニックの様子@ 子供達と一緒に走る大山妙子さん(アテネ五輪代表) ![]() JOMOバスケットボールクリニックの様子A ハンドリング指導中の萩原美樹子さん(アトランタ五輪代表) ![]() JOMOバスケットボールクリニックの様子B 子供達と1・ON・1をする楠田香穂里さん(アテネ五輪代表) バスケットボールに関わった事がある方ならばお判りになるかと思いますが、身震いしてしまいそうな超豪華なメンバーを受講者としてお迎えする事になり、こちらも不肖私HIGEの他、当HPでもおなじみのオブザーバー、「アッキーさん」と「ひでじいさん」、さらには、私の研修時代の同期である「さーふさん」の3人を助っ人にお願いして、「JOMOバスケットボールクリニック」のスタッフの皆さんに負けない豪華なスタッフ(?)でこの講習会に臨ませて頂きましたが、こうした救命講習会を受講できる機関は数多くある中で、「HIGEさんのスポーツ救命救急」の「出張BLS講習」へのご依頼を頂いた事を、本当に嬉しく思いました。 それでは、「JOMOバスケットボールクリニック」の皆さんの「出張BLS講習会」の現地レポートを開始します! HIGEさんの出張BLS講習会 「JOMOバスケットボールクリニック・スタッフ・スペシャル」 ●開催日時 平成18年2月27日(月)9:00〜12:00 ●開催場所 東京都港区虎ノ門 ジャパンエナジー本社会議室 ●講習受講者 「JOMOバスケットボールクリニック」スタッフの皆さん5名 ★萩原美樹子さん(アトランタオリンピック日本代表) ★大山妙子さん(アテネオリンピック日本代表) ★楠田香穂里さん(アテネオリンピック日本代表) ★小池清美さん(元JOMOサンフラワーズ) ★桑原眞己子さん(JOMO広報部) BLS講習会の当日は、前日まで強く降っていた雨も上がり、お天気になりましたが、少々風が強くて、ちょっと肌寒い天候となりました。でも、そんな寒さを吹き飛ばそうという「想い」を胸に、東京は虎ノ門にある「ジャパンエナジー本社」に到着した私達一行をご依頼者の萩原さんと桑原さんがお出迎えしてくれました。 今回の出張BLS講習会会場のジャパンエナジー本社 萩原さんと桑原さんのご案内により、会場となる会議室に入り、講習会の準備をしていると、受講者の皆さんが会場にお越しになりました。 一昨年のアテネオリンピックやWリーグの中継など、テレビでお馴染みのお顔を拝見した瞬間は、かなり緊張致しましたが、それぞれ自己紹介をした後、いよいよ「HIGEさんの出張BLS講習会」の開始となりました。 ●PART1〜講義編 講習会の最初は、不肖HIGEが講師を務めさせて頂き「スポーツ現場におけるBLS」をテーマとした講義からのスタートとなりました。 ![]() 出張BLS講習会スタート!まずは講義から。 皆さん熱心に聞いて頂きましたが、講師(HIGE) だけはかなり緊張気味・・・(汗) この講義では、「BLS」に必要なキーワードとして、「心室細動」、「心臓震盪」、「CPR」、「AED」、「救急対応能力」、「スポーツ現場でのBLS」、「安全な救護」についての講義をさせて頂きましたが、この「出張BLS講習会」に先立ち、今回受講なさる5名の皆さんには、昨年放映されたNHKの「クローズアップ現代」と、TBSの「報道特集・愛知万博〜AEDの奇跡」という「AED」の機能や効果を判りやすく紹介した2つの特集番組のCDを事前にお渡ししてありました。 受講者の皆さんは、そのCDを事前にしっかりとご覧になって頂いていたため、講習の理解度は本当に素晴らしく、「心室細動」や「心臓震盪」、「CPR」や「AED」といった「BLS」のポイントとなる「キーワード」についてもすでに十分にご理解なさっており、以下の講義もスムーズに進行することができました。 (1)「AEDは救急箱と同じ」感覚で! コートやグラウンドで選手が倒れた時、ベンチからは救急箱を持ったトレーナーが選手の元へ駆け寄りますが、「AED」も全くこれと同じで事あり、選手の傍に行き、その異変に気づいてから慌てて「AED」を取りに行くのではなく、選手にアクシデントがあった時、常にその場所へ「AED」を持っていくという習慣が大切であり、「搬送まで1分、準備に1分、除細動実施まで1分」という「3分以内の早期除細動」に繋げる事が「救命のチャンス」をさらに大きくするということをお話させて頂きました。 (2)安全なスポーツ環境について 日本の子供達のスポーツ環境の現状、日本のスポーツ界における安全管理体制の現状と、すでに多くの「AED」をチームやスタジアムなどに配備しているサッカー(Jリーグ)やプロ野球と比べ、遅れをとってしまっている感のあるバスケットボールの現状についてお話させて頂き、これからのバスケットボール競技への「AED」配備の必要性や、子供達の安全なスポーツ環境の整備についてのご協力を受講者の皆さんにお願いさせて頂きました。 『ミニバスや中高生のお手本となるプロリーグや実業団リーグのチームは、率先してAEDを配備して頂き、指導者の皆さんはもちろん、コートに立つ選手の皆さんや審判員が積極的にBLSを学ばれる事により、それが底辺へと拡がっていく事になります。バスケットボールを愛してプレーする子供達を、「心臓震盪」をはじめとする不幸な事故から守るために、安全なバスケットボールの競技環境確立に向けて、皆さんのご理解とご協力をよろしくお願い致します。』という私の話を、皆さん真剣にお聞き頂き、本当に嬉しく感じるとともに、明日のバスケットボール競技の安全対策向上に繋がっていくものと感じました。 (3)「救急対応能力」について ここでは、ある病院であった事例を紹介させて頂きました。 病院内でCT撮影中の患者が突然意識消失しましたが、周囲にいる技師はもちろん、現場に集まった医師も、院内に「AED」が設置されているにもかかわらず、誰一人「AED」を現場に持って来ませんでした。さらに、酸素ボンベや血圧計など、応急処置に必要な医療器具も、その現場に持ってきた者はいませんでした・・・「医学的知識」はあっても「救急対応能力」は無いに等しい出来事と言える事例であると思います。幸いにも、この患者さんは軽い「一過性脳虚血発作」で、すぐに意識を回復し事無きを得ましたが、もしも「心室細動」によるものだとしたら・・・この初動体制の遅れは致命的な遅れになってしまいます。 こうした現場では混乱や錯綜が予測されますが、そこに求められるものは、医学的知識云々では無く、「日常からの危機管理」と「救急対応能力」であり、「AHAガイドライン2005」においても「行動計画とそのための訓練の重要性」が唱われており、即ち「救急対応能力の重要性」が明確に記されていることと併せ、「知識より意識、資格より自覚」が最も大切であるという事をお話させて頂きました。 (4)安全な救護体制について 「救急対応能力」についてのお話をさせて頂いた後、「安全な救護」についてお話させて頂きました。バイスタンダーとして救護を行う時、まず自らの安全を確保し、傷病者を安全に救護するという事が「BLS」の鉄則であり、周囲の状況、傷病者の状況など「目に見える危険」に注意する事はもちろんですが、「見えない危険」にも注意が必要です。「目に見えない危険」・・・それは、「感染症」です。 特に傷病者が見知らぬ第三者の時の「血液」や「体液」には十分な注意が必要であり、「C型肝炎」や「AIDS」などは、こうした血液などを介して感染し、決定的な治療法が現在でも確立されていないことから十分に注意しなくてはいけません。もし、傷病者から出血が確認された時は、「ゴム手袋」や、もしそれが無ければ「ビニール袋」などを使い、直接血液を素手で触れる事のないよう十分な注意が必要です。 また、第三者への「マウスtoマウス」を行う際には、必ず「シールド」か「ポケットマスク」を使用し、もし「シールド」が無い場合は「心臓マッサージ」のみでも効果はあるというお話をさせて頂きました。「心臓マッサージのみでも効果がある。」という事は「AHAガイドライン2005」においてもその有用性が認められている事も併せてご説明させて頂きました。 以上が講義内容の概略ですが、日本のバスケットボール界をリードなさってきた皆さんを前にしての講義は、緊張しまくりで、あっという間に時間となってしまいました。 それでも、どうにかこうにか無事に終了しましたが、この講義を通じて、十分に事前の勉強をなさって講習会に臨まれていらっしゃる皆さんの真摯な姿勢と熱意を強く感じるとともに、講義に対しての集中力や、的確なご質問の内容などは、さすがバスケットボール界のトップとして活躍なさってきた皆さんだなぁ〜と本当に感心致しました。 ●PART2〜実技編(AED&CPR個別訓練) 私(HIGE)のつたない講義が終了した後、休憩を挟んで、いよいよ「実技編」となりました。「実技編」の最初は、「アッキーさん」と「ひでじいさん」による「AED」の機能と使用上の注意事項の説明、そして、これから実施する「BLS」の実技の展示から開始しました。 ![]() アッキーさん、ひでじいさんによる実技講習開始 (左:アッキーさん、右:ひでじいさん) ![]() AEDの取り扱い方法を熱心に聞く受講者の皆さん 「AEDの機能と使用上の注意事項」と「BLSの実技展示」の後、いよいよ「AED」の取り扱い訓練となりました。5名の受講者の皆さんを2班に分け、第1班は「アッキーさん」と「ひでじいさん」、第2班は不肖HIGEと助っ人をお願いした「さーふさん」が担当し、「AED取り扱い訓練」を開始しました。 今回の訓練では、メーカーの違う2台の「訓練用AEDトレーナー」を使用しましたが、1つの機種だけで訓練した場合、もし実際の救急現場に訓練で使用したものと違う機種が設置されていた時、操作時に戸惑ってしまうおそれもあることから、機種の違う「AED」を交互に実施するという訓練方法を実施しました。 皆さん、最初は「AED」の音声アナウンスや、充電時の警報音、メーカーによる「AED」のちょっとした違いなどの戸惑いもありましたが、基本的な操作要領はどの機種であっても同じであることから、数回の実習を行ううちに、それぞれ異なる「AED」のアナウンスや警報音にも慣れて、スムーズな取り扱いができるようになりました。 ![]() AED取り扱い訓練中の萩原さん、楠田さん(指導はひでじいさん) ![]() AED取り扱い訓練中の小池さん、大山さん 「AED」の取り扱いを皆さんがマスターした後は、「BLS」の基本である「CPR(心肺蘇生法)」と、「CPR」に「AED」を組み合わせた基本的な「BLS」の訓練に入りましたが、その前に、正常な人の呼吸と、脈拍はいったいどういうものなのかを知ってもらうために、それぞれお互いの呼吸と脈拍を「見て、聞いて、感じて」頂くことにしました。 この訓練は、通常の「救命講習会」では実施しない訓練ですが、「AED」を使用するに際して、「除細動は不要です。患者の状態を観察して下さい・・・」というアナウンスがあった時、これらを「見て、聞いて、感じる」事は、「CPR」を継続するか、しないのかという重要な判断基準となってくる事から、私の出張BLS講習会では、必ず実施してもらっている訓練項目です。 正常な人の呼吸音がどのように「聞こえるか」、正常な呼吸時に胸部の上下動はどのように「見えるか」、頸部と手首の脈拍はどのように「感じるか」を体験してもらいました。 正常がどのように「見えて、聞こえて、感じるか」を知ることにより、異常をいち早く察知できるからです。 普段、自分の脈は簡単に感じる事ができますが、人の脈を感じるという機会は、一般の方々はそうそう無いことから、いざやってみるとこれがなかなか難しいものなんです。今回受講された皆さんも、最初はかなり苦戦していましたが、何度か実施するうちにそれを感じる事ができるようになりました。 いざという時、困らないよう、普段から、ちょっとした時に自分以外の人の脈(前頸部のいわゆる総頸動脈や手首の橈骨動脈)に触れておく事はとても大切な事ですし、子供やご高齢者などではその「感じ方」も微妙に異なりますので、少なくとも自分のご家族や大切な人の脈や呼吸を一度でいいから「感じて」みておくことをお勧め致します。日常の「正常」を知ることはとても大切な事ですから・・・ ![]() 首の総頸動脈と手首の橈骨動脈を触れる萩原さん ![]() 同じく、触知訓練中の大山さん、小池さん 正常な「呼吸」と「脈拍」の状態を知って頂いた後、いよいよ「CPR」&「AED」の訓練となりましたが、皆さん本当に熱心に取り組まれており、通常の救命講習会などで、ほとんどの方が苦戦する気道確保要領や人工呼吸時の呼気の吹き込み要領、さらには心臓マッサージなどの手技も、ほんの数回の練習で、ほぼ完璧にマスターなさっており、訓練回数を重ねる度にどんどん上達なさり、その理解度と飲み込みの早さは、さすがトッププレイヤーとしてご活躍なさった皆さんだな〜と本当に驚きました。 ![]() 呼吸を「見て、聞いて、感じる」楠田さん ![]() 心臓マッサージ中の大山さん、AED準備中の小池さん ![]() 心臓マッサージ中の桑原さん、AED準備中の大山さん ![]() AEDによる除細動訓練中の萩原さん、楠田さん こうして実技での各訓練を優秀な成績で終了した「JOMOバスケットボールクリニック」の皆さんは、いよい今回の講習会のメインテーマである「実践トレーニング」に突入しましたが、この「実践トレーニング」の模様はVol・2でお届け致します。お楽しみに・・・ (Vol・2へ続く) |
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