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HIGEさんのスポーツ救命救急 |
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こんにちは、HIGEです。先日、掲示板に「悲しい光景」と題して投稿させて頂きましたが、この「悲しい光景」を目の当たりにして、以前新聞に掲載されていた「溶けゆく日本人」というコラムを思い出しました・・・・ 今回は、この「溶けゆく日本人」と、私が遭遇した「悲しい光景」をテーマに久しぶりの「HIGEさんのコラム」第8回をお届けしたいと思います。 いつの記事だったかは忘れてしまいましたが、少し前のある新聞に「溶けゆく日本人」と題した下記のコラムが掲載されていました。 【溶けゆく日本人】 ●救急車をタクシー代わりに 、公より自分の権利 「…あの、救急車はタクシーじゃないんですけど」。新人救命士の制止を振り切り、風邪をひいたという中年女性が、ズカズカと救急車に乗り込んでいく。 「救急救命士・牧田さおり」(テレビ朝日系)の1シーンだ。 救急車の“乱用”が目立つご時世を投影した演出。しかし、現実はドラマよりも奇なり。「常識」の二文字などお構いなしの救急要請が後を絶たない。 数年前の午前2時ごろのことだったという。横浜市の救急隊員(32)は、「気分が悪い」という若い女性からの通報でマンションに急行した。呼び鈴に応答はなく、郵便受けから中を覗(のぞ)くと電気はついたままだった。「意識を失っているのかもしれない」。切迫感高まる現場。 ベランダから室内に入るため、救急隊員がはしご車を要請すると消防、警察合わせて15人が駆け付けた。そして窓を壊そうとした、まさにその時だった。 「おなかがすいたからコンビニ(エンスストア)に行ってました」。買い物袋を手に提げたジーンズ姿の“急病人”が戻ってきたのだった。本人の希望で病院に搬送し、医師が下した診断、それは「気分不快」だった。 今、救急車の出動要請が急増している。平成18年版の消防白書によると、17年中の救急車の出動は527万7936件と過去最多を数えた。 わずか5年でおよそ110万件も増えている。これに伴い、平均の現場到着時間もこの間、24秒延びた。 その実態は。横浜市が昨年4月に実施した調査では、救急搬送した軽症事案の約半数は「不適切な利用」にあたったという。 「救急車は本当に助けるべき人のところに早く行くべきです。不適切な救急車の利用はやめていただきたい。脳梗塞(こうそく)の場合なら一刻を争います」そう言って担当者は「1秒の重さ」を強調した。 あきれかえるような不適切な利用事例を紹介したい。 @駆けつけた救急隊員に保険証を差し出し、「100メートル先に病院があるから、その子を連れてって」と言って熱のある幼児を指さしホームパーティーの準備に追われる主婦。 A「30分後に救急車を1台」という出前の注文まがいの119番通報 B1日に2度救急車を要請したことを医師に窘(たしな)められ、「税金を払っているのになんで救急車を使っちゃいけないの?」と言い放った人もいたという。 「病院で優先的に見てもらえて、しかも(利用は)タダ。こんないいことはない。そう思われているのでしょうか」。横浜市救急課担当者のため息は深い。 「公」よりもまず、「自分の権利」が先に立つ。公共サービスの利用に際したマナー違反は図書館でも相次いでいる。 「1、2分待っていてください」。切り抜きなどで傷んだ蔵書があるかと問い合わせると、市川市中央図書館(千葉)の副主幹は、言葉の通りに、ものの数分で何冊かを手にとって戻ってきた。切り抜きや落書きの被害に遭う本は月に70冊ほどで、1日平均2、3冊。文字通り日常茶飯事だ。 「これをやったのは器用な人ですねえ」と副主幹が手にしたのは、発売から2カ月しか経っていない真新しい料理本。表紙をめくると、いきなり「第2章」になった。第1章14ページがきれいにカッターで切り取られていた。「新刊をざっくりやられたときは捨てるのが切ないですよ」と副主幹は表紙をなでる。 300人が予約待ちをしている人気小説が水浸しで返却ポストに投げ込まれていたこともあった。切り抜きにも増して目立つのは、盗難だという。 「つい先日はクラシックのCDが盗られ、ケースに同じ形のCD−ROMが入れられ返却されていました。新刊本が古本屋に持ち込まれたこともある。 これらは公共の財産の詐取、れっきとした犯罪です」と藤沢市総合市民図書館(神奈川)担当者は憤る。 対策を講じざるを得ない。人気雑誌の新刊は自由閲覧をやめ、カウンターで保管し、利用時には貸し出しカードの提出を求めるようにした。人気アイドルの写真にはテープをはって、切り抜きを予防する。「公の空間で公の行動が取れない。個人的に利用できればそれでいい、他で何があろうとわれ関せず、そんな風潮、空気がある」と、この担当者は嘆いた。 「本や雑誌の無断持ち出しはできません」。一昨年11月、図書無断持ち出し防止キャンペーンを展開し、1日3回、まるで幼子を諭すようにそんな館内放送を流したのは横浜市中央図書館。ちなみに横浜の市立18図書館では昨年、2万1592冊、2371万円分もの図書が紛失している。 館内での“警告放送”に踏み切った中央図書館企画運営課長は、憂いを帯びた声で、こう漏らした。「当たり前のことを、あえていわざるを得なくなってしまった」 東京都の試算によると、救急車の出動には1回あたり約4万5000円のコストがかかる。不要かつ不急の119番通報を含む救急需要の増加に各自治体とも頭を悩ませており、対策を進める動きもある。 都では救急出動後、現場でトリアージ(傷病の緊急度や重傷度の判断)を行い、搬送の要否の判断を行う仕組みの導入を検討中。横浜市では119番時のトリアージの導入とともに、医師や市民らによる第3者機関を設置したうえで「タクシー代わり」に救急車を要請する悪質な利用者には罰金を科すことを盛りこんだ条例の制定を目指している。【コラムここまで】 「溶けゆく日本人」・・・なんて悲しい話しばかりなのでしょうか・・・・ 本当に悲しくなってきますが、そんな中、私も先日の掲示板にも投稿させて頂きました「悲しい光景」に遭遇し、こうした「溶けゆく日本人」達を目の当たりにすることとなりました。(以下掲示板より抜粋、一部加筆) ある日の午後、市内のとあるラーメン店での出来事でした。 食事のため、ご夫婦で来店し、何を注文するかと決めていた時、突然、60歳前半のご主人が意識を失い倒れてしまいました・・・・ たまたま食事に来ていた、ある官公庁に勤務なさりBLSの心得のある男性がそれに気づきました。この男性は食事中でしたが、食事の手を止め、すぐに倒れたご主人のもとに駆け付けると、ご主人は死戦期呼吸と呼ばれる「下顎呼吸」をしており、心肺停止状態であったため、日頃から携帯しているフェイス・シールド(口対口人工呼吸用のシールド)を使用し、マウス・トゥ・マウス併用のCPRを開始して下さいました。 その頃、「男性がラーメン店内で倒れたらしい」との119番通報を受け、出動した私は、このラーメン店周辺の救急隊が全て出動中であり、現場まで約10分を要することから、詳しい状況を知るために、通報者であるこのラーメン店に何度も何度も電話をかけましたが呼び出し音が鳴るばかりで応答はありませんでした・・・ 応答が無いことから、最悪の事態に陥っている事を想定し、「AED」をはじめとする救命資器材の全てを準備し、約10分で現場に到着すると、車内から店内で仰向けになった男性に、一人の若い男性が必死に胸骨圧迫心臓マッサージをしている姿が見えました。すぐに店内に入り、バイスタンダーCPRを実施中の男性に引き続いての協力依頼と「胸骨圧迫心臓マッサージ」の継続を依頼し「AED」を装着すると、心電図波形は「心室細動」であったため、直ちに除細動を実施しましたが、心室細動は消えることなくなおも継続していました・・・CPRを継続しながら計3回の除細動を店内で実施しましたが、その際、信じられない、「悲しい光景」を目の当たりにしたのです・・・ お昼時を過ぎていたため、店内は5割程度の客の入りでしたが、店員達は、普段通りに客の注文を聞き、今まさに消えかかっている「命」を消さないため、必死の活動をしている私達と、涙を目一杯に溜め、不安げにご主人を見つめる奥様の脇を、ラーメンの乗ったお盆を持ち行き交っていました・・・店内にいた他の客も、ラーメンをすすりながら遠巻きに自席から見ているだけ・・・レジではいつも通りに勘定を払う客と、いつも通りにレジを打つ店員・・・私達のいる空間以外は、いつもと全く変わらぬ、怖いくらい普通の、日常的な時間が流れていました・・・そこで一人の「命」が消えかかっているとは思えない、私達のいる空間だけが違う世界のようでした。 この「信じられないほど悲しい光景」に、はらわたが煮えくり返るほどの怒りと憤りを覚えましたが、今私達の目前で、生死の狭間での戦いを続けているこの男性に全神経を集中し、救命処置を続けました。 車内収容時も私達救急隊の3人とバイスタンダーの計4人で実施しましたが、車内収容後も心室細動は継続、車内でさらに2度の除細動を実施しながら、所用約10分の救命センターに収容しましたが、到着までの間、なおも心室細動は継続していました・・・ 心室細動継続中ならば、救命のチャンスはまだ残されている・・・救命センターでは、たくさんの医師が私達救急隊の到着を待ちかまえ、スタンバイして下さっており、私達も医師達とともに処置室に入り、1時間以上にわたっての懸命な救命処置が行われた結果、この男性の「命の灯」は消えることなく残ってくれました・・・・ 完全社会復帰までの回復に至るかどうかはまだまだ予断を許さない状況ではありますが、どうか社会復帰までご回復して下さることを祈ってやみません・・・ 救命処置のお手伝いを終え、汗だくになったまま、病院を引き上げる際、脳裏に思い出されたのは、あの店内での「信じらないほど悲しい光景」でした・・・ まだまだ・・・本当にまだまだ、この国の多くの人の意識はとても低いものであり、「救いたいという心」は、シアトルに及びようもないほど足りないものなのか・・・と涙が出てきそうな程辛く、悲しくなりました・・・ もし、もっと多くの人が倒れた男性を救おうという気持ちを持ってバイスタンダーの男性に協力してくれていたら・・・私達がもっと早く到着していたら・・・直近の救急隊が出動できていたら、もっと違った結果が出ていたかも知れない・・・と思うと本当に残念で、本当に悔しく思えてなりませんでした。 昨今、救命事例のニュースが数多く報じられていますが、こうしたニュースはほんのわずかの幸運な出来事に過ぎないのか・・・私達の想いが実現するのは、まだまだはるか彼方の夢物語なのか?という自問自答を繰り返していました・・・そして、こんな「悲しい光景」が、あちこちで繰り返されないためには、やはり「命の教育」が絶対に必要なのだと感じました・・・幼い頃からの教育が、心と心が連鎖する真の救命の連鎖を作り出すのではないでしょうか? 今、新教育改革法案が国会でも取りざたされていますが、国の偉い方々は一体どこを見て「教育」を語っているのか・・・視点が全くズレていることを改めて感じています。「人として大切なもの」とはいったい何なのか・・・それすら見失い「学力」を議論している事に腹立たしさを禁じ得ません。 そんな「信じられないほど悲しい光景」の中、私達救急隊が到着するまでの間、たった一人で必死になってBLSを続けて下さった男性に、翌日御礼の電話を入れさせてもらいました。私達が来るまでの間、いったいどんな気持ちでCPRを続けてくれていたかと思うと、本当に感謝の気持ちで一杯でした・・・男性には心から感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました。」とお伝え致しました。 この男性も、とりあえず「命のバトン」が繋がったことを心から喜んで下さいました。そして、ともに倒れた男性の社会復帰を心から願って下さったことは、本当にありがたいことでした。 このコラムを訪れて下さった皆さんも、もしかしたらこんな「悲しい光景」に出会うかも知れません・・・しかし、たとえあなた一人だけであっても、どうかBLSを続けて欲しいと思います。私達、救急隊は必ずあなたの元へ向かいます。そしてあなたと一緒に全力で戦いますから・・・ この出来事のあった夜は、とてもやるせなく、悲しい気持ちになりました。 今、自分が行っているこうした活動は、本当に役に立っているのだろうか?いくら頑張っても、この国の救命意識の低さはどうしようもないくらいに低いものなのだろうか?と考え続け、仮眠もほとんど取れませんでした・・・ しかし、こんな「悲しい光景」の中、たった一人ぼっちで、ありったけの勇気を振り絞ってBLSを実施して下さったバイスタンダーの男性がいたという事実、同じような思いで勇気を振り絞ってBLSを実施してくれるバイスタンダーの皆さんが、こんな「悲しい光景」に遭遇してはいけない・・・そして、救命センターの集中治療室では、今もあの男性が生きるために必死になって戦っている・・・だから、もっと、もっと、もっと、もっと頑張っていかなければいけない・・・そう思いました。 私は一人ではありません・・日本全国で同じ想いを持って、このような「悲しい光景」を無くす戦い続けている多くの仲間がいてくれる・・・改めてそう思いました。 この夜、流した「涙」を無駄にしないよう、また頑張りたいと思います・・・こんな「悲しい光景」を二度と見たくはないですから・・・(以上掲示板より抜粋、一部加筆修正) 以上が、私が目の当たりにした「溶けゆく日本人」達の「悲しい光景」でした・・・ これが、この国の今の姿であるとは思いたくはありませんが、社○保○庁の一連の問題や、防衛○高官の問題、毎日のように報道されている公職者の不祥事件などが代表するように、古来日本人がずっと継承してきた「道徳観」や「常識」が失われつつあることは事実なのでしょう・・・・しかし、それでも私は、やっぱり人の心を信じたいと思います。 私事で恐縮ですが、過去数年間にわたり職場提案を続けていた「シアトル方式」の「小学生に対するBLS教育講演」の提案がようやく通り、間もなく開始されることとなりました。この提案の実現に際しては、いろいろな苦労もありましたが、永年の夢の第一歩を踏み出すことがようやくできました。 講演では、今回私が遭遇したこの「悲しい光景」についても話をしてこようと思っています。未来を託された子供達には、こんな「悲しい光景」を見せたくはありませんし、子供達が大きくなった時、決して溶けてしまわないように、全身全霊を掛けて「命のバトンを繋げる心」を伝えられればと思っています。 とはいえ、現代っ子が多い子供達が、この「悲しい光景」をいったいどう感じてくれるのか・・・どれだけ伝えきれるか・・・正直、不安もかなりありますが、頑張ってきたいと思います。この模様は機会を見てまたHPにUPしたいと思いますので、どうか今後ともよろしくお願い致します。(HIGE) |
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