「HIGEさんのスポーツ救急救命」 
子供の胸部への衝撃による「心臓震盪」
に注意しましょう!

 こんにちは,HIGEです。
「バスケットボール」に限らず、「野球」、「ソフトボール」、「サッカー」などなど、スポーツの指導をなさっている方,審判員の方など,スポーツに携わっていらっしゃる皆さんに是非知って頂きたい情報です。

まずは、下記青文字の新聞記事抜粋をご覧下さい。

◇胸部への衝撃による突然死、国内初の研究会を発足へ◇

 医師や運動関係者ら結集し「心臓震盪」の国内初の研究会を発足した。胸部への衝撃が心停止を起こす「心臓震盪(しんとう)」と呼ばれる突然死について、国内初の専門研究会が近く発足する。日本ではまだなじみの薄い「心臓震盪」の危険性を訴えようと、医師や運動選手などの医療・スポーツ関係者が結集し,「子供のボール遊びでも、心臓震盪は起きる。適切な救命措置を普及し、死亡事故を防止したい」と意気込んでいる。
「心臓震盪(commotio cordis:コモシオ コルディス)から子供を守る会」では、昨年11月のスポーツ医学会で症例発表をした戸田中央総合病院(埼玉県戸田市)救急部の医師らを中心に準備を進めている。医師によると、具体的な活動は講演会の開催、啓発用パンフレットの作成などを下記のとおり計画している。
(1)心臓に電気ショックを加える,「体外式自動除細動器(AED)」の普及推進と運動施設へ  の配備。
(2)胸部用プロテクターなど専用防具の開発・改良などを自治体や運動用品メーカーに対し強く働きかけていくこと。
 メンバーには専門医のほかにプロ野球選手、ソフトボール協会、弁護士、マスコミ関係者などを予定。実際に心臓震盪で子供を失った遺族も加わるといい、同医師は「国内では症例さえも集積されていないのが現状で,幅広い分野から会員を募り、情報を集めていきたい」と話している。「心臓震盪」とは胸部への打撲で、心臓の筋肉がけいれんする症状。
米国では運動選手の死亡例も報告されている。宮城県内では昨年9月、男子児童(当時10歳)が死亡した原因だったとして、その両親が仙台地裁に損害賠償訴訟を起こしている。

              ★「心臓震盪」について★

 「心臓突然死」の原因の1つにこの「心臓震盪」があります。

 心臓に既往症のない健康で元気な子供の前胸部に衝撃を受けた直後、昏倒し、心停止に至ってしまいます。ラテン語で、Commotio Cordis(コモシオ・コルディス)と呼ばれ、心臓の筋肉がケイレンを起こし(心室細動)、心臓から血液を送り出すことができない状態になります。「心臓震盪」は疾病ではなく、胸郭が未発達な子供に発生する外傷性の心停止で、もともと心臓に病気が無くても発生します。

 「心臓震盪」が,どんな時に発生するかについてですが・・・
 (1)子供の前胸部にボールなどが当たり、軽い衝撃を受けた時に発生します。
 (2)心臓が拍動しているリズムの中の、あるタイミングで衝撃が加わった時に発生します。
 (3)野球やソフトボールなどの球技の運動中に起こることが多い。
 (4)子供同士のボール遊びの最中でも起こることがあります。


 「心臓震盪」が発生後、3分以上経過すると救命が難しくなります。
 「心臓震盪」により心臓に発生した心臓のケイレン、「心室細動」を除去するのに最大かつ唯一の手段は除細動器による「電気的除細動」ですが、残念ながら今の日本では、除細動器を使用できるのは、医師と医師の指示下にある救急救命士、看護師など限定された人だけです。
アメリカでは、心電図波形などの解析や充電を自動的に行う、「自動体外式除細動器(AED)」が広く普及し、一般市民の使用が認められており、このような「心臓震盪」にも大きな効果を上げています。
 現在、日本においても、アメリカのように一般市民が容易にこの「AED」を使用することができるよう、厚生労働省内で検討会が開催されており、2004年の夏には、その概要が決定しますが、法制化され普及するまでには、まだまだ時間がかかります。
 一番ベストなのは、運動場や体育館はもちろん、全てのスポーツ団体が「AED」を配備することなのですが、それが実現するまでの間、もし「心臓震盪」に遭遇したら、いったいどうしたらいいのでしょうか?
 残念ながら,「AED」が市民に開放されていない現在の状況下では,いち早く、119番通報し、除細動器を携帯した救急隊の到着までの間,心肺蘇生法(CPR)を実施することしか、今のところ手段はありません・・・・ですから、今は「心臓震盪を予防」することが大切です。

 現在、国内の大手スポーツ用品メーカーの「MIZUNO」では、胸部を保護する運動用プロテクターを開発中ですので、実用化され次第,こういった防具を使用したり、野球の練習でよくやるような「1000本ノック」や子供めがけてバレーボールやバスケットボールなどをぶつけたりするような、昔ながらの過酷な練習は避けるようにして欲しいと思います。
 とかく大人達は「勝利至上主義」に陥り,「スパルタ式」を強要しますが、この「勝利至上主義の
無意味なスパルタ式指導」が「心臓震盪」を生み出す土壌になっているのではないかと私は思います・・・ スポーツ本来の目的は、子供達が楽しく、生き生きとスポーツに打ち込み,その中から何かを見つけ出し成長していくことだと思いますし,そういう環境でスポーツに打ち込ませてあげることこそが、私たち「大人」の責任なのではないでしょうか・・・・

 ここで、2001年のアメリカ国内における「心臓震盪」の報告がありますのでご紹介します。
 アメリカでは2001年に128例の「心臓震盪」が発生していますが、その発生要因は下記のとおりです。

 (1)野球ボールが当たった・・・・53例
 (2)ソフトボールが当たった・・・14例
 (3)アイスホッケーのパックが当たった・・・10例
 (4)その他(アメフト試合中でのタックル)・・・・14例

 発生は、そのほとんどが18歳以下であり、小中学生に多発していますが、これは胸郭が未発達なことも要因のひとつです。
幸い、バスケットボールによる「心臓震盪」の症例報告はありませんが、今年度のルール改正により、「ミニバス」ではゴム製ボールから皮革製ボールに変わります。
皮革製ボールはゴム製に比較すると、重さもやや重くなり、反発力も減少することから、胸部に受ける衝撃は、ゴム製ボールより大きくなるものと予測されますので、本HPをご覧になっているバスケットボール関係者、指導者の方は十分な注意と、万一「心臓震盪」が発生した場合の対応や、心肺蘇生法などの「BLS(Basic Life Support:一次救命処置)」を習得することを強くお勧めします。
 なお、「心臓震盪」に関する詳細については下記URLの「心臓震盪から子供を救う会」のHPをご参照下さいますようお願い致します。

「心臓震盪から子供を救う会」HP
http://www.chuobyoin.or.jp/shinzou-shintou/index.html
 

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