戻る   トップページへ


2008年2月のメインレース回顧



フェブラリーS回顧

昨年の秋、G1を3連勝し、圧倒的1番人気に推されていたヴァーミリアン。
今回圧倒的な人気を集めてもおかしくない存在だった。
結果的に1番人気には推されたものの、倍率的には2倍台と、
その実績からはやや低めの評価にとどまった。

その理由としてはふたつある。
一つ目は、前走川ア記念を回避して、体調的にどこまで仕上がっているのかと言う不安。
二つ目は、2年前のこの競走に負けているように、1600mの距離に対する不安である。

しかし、結果的に見ればヴァーミリアンは、その二つの不安を見事に打ち砕いた。
パドックで見る限り、馬体はやや太かっ点に、
中間の調整が取り消しによって変更になった調整を思わせた。
しかし、その馬体を持ってしても、全くヴァーミリアンには関係が無かった。
レース前に言われていた距離に対する不安も、終ってみればまったくの杞憂。
勝負どころでは、抜群の手ごたえで上がって行っており、
この距離も完全にこの馬のカバーする範囲であったのだ。

思い起こせば昨年のジャパンカップダート。
3角からの強烈なまくりが印象に残ったレースだが、
あのレースでスパートした地点が、今回のフェブラリーSのスパート地点に近くはなかったか。
同じような地点でスパートして、最後まで伸びきったジャパンカップダートこそが、
この馬のマイルでの可能性も示していたように、レース後になって思う。

次はドバイワールドカップ。
去年が去年だけに、あまり熱視線を送るわけにも行かないが、
まずは「好勝負」に持ち込むところからのチャレンジでもいい。
砂の世界の第一線で、どこまでの競馬をするか、日本のチャンピオンホースとして期待したい。

フェブラリーSに帰って、2着ブルーコンコルドはさすがにこの距離だと走る。
タイムパラドックスが2100のJBCクラシックで復活したように、
かなり年齢を重ねて、やや衰えが見られるような馬でも、
底力さえあれば、ベストの条件なら走る。

3着ワイルドワンダーは4角から直線にかけては、ヴァーミリアンとまったく同じ手ごたえで上がった。
それでも最後これだけちぎられてしまうのは、これはもう、勝った馬が断然強かったと言うこと。
この馬なりにベストのレースはしており、今後も相手なりにはいい競走をするだろう。

レースレベルは通常。
勝ちタイムはそれほど早くはないが、勝ち馬のレース振りはタイムにない強さを見せた。
もはやその強さはゴールドアリュール級で、クロフネの次の位置辺りには達していると思う。

私の本命フィールドルージュはスタートで躓き、まさかの競走中止。
かなり出血があったようで、横山典騎手の正確な判断だっただろう。
怪我を治して、再出発に期待したい。