2008年6月のメインレース回顧


                     戻る   トップページ



目黒記念回顧


個人的に全く痛恨のレースだった。
と言うのも、このレースは天皇賞で敗退している馬の巻き返しが非常によく決まるレースで、
荒れたレースにしても、天皇賞で勝負にならなかった馬が、
ここでも思い斤量を嫌われて人気薄でドカン!と言うケースの多いレースだったのだ。

今年は惨敗どころか、見せ場十分の馬が出走していた。
ホクトスルタン。
この馬、前走天皇賞で4着に頑張ったにも関わらず、今回人気の盲点に入ったか3番人気。
「京都では逃げられたが府中では楽ではない」と言う意味不明の話もあり、
あまりマークを受けない格好での逃げになったことも大きかった。
しかし、後方から脚を使うアルナスラインを最後まで寄せ付けなかったあたり、
この馬、最後の直線で驚異的な粘り腰を使っており、非常に強い競馬だった。
次の宝塚記念も、1番人気にはならないだろうから、
ペースが落ちるようなら案外…も十分考えられるのではないだろうか。

2着はアルナスライン。
最後の直線脚を使っていたが、前走のような瞬発力勝負ではなく、
持続した脚を求められる展開になったこともあり、重賞制覇を逃す格好になってしまった。
今回は相手の強さも本物であったし、相手が悪かっただけとも言える。
一方で、アドマイヤベガ産駒の重賞での勝ちきれなさも少々気になる。
なぜか産駒全体に、重賞では2着3着を繰り返す傾向があるのだ。
負けたとは言え、前走は圧巻だったのは間違いなく、この馬も強力な1頭であることは間違いない。
巻き返しは必至だろう。
巻き返すなら、瞬発力を使える舞台がベスト。
宝塚の2200は比較的ペースが緩むのがやや気になる。
去年のようなハイペースになれば浮上も十分考えられるだろうが…。

3着のロックドゥカンブにしても、休み明けを考えれば十分に走っている。
今回は勝った馬が尋常でなく強かったが、使われていれば十分2着はあったし、
例年のレベルならばこの馬が勝っていても全く不思議ではなかった。

レースレベルは非常に高く、例年にないハイレベルな目黒記念だったように思う。
金鯱賞がそこまでのレベルを感じなかったから、
今年は例年の例とは違い、このレースから宝塚記念の勝ち馬が生まれるかもしれない。
そんな感想さえ抱いた今年の目黒記念だった。


日本ダービー回顧

今年の日本ダービーは混戦が叫ばれた。
皐月賞組のレベルがやや低調であったことに加え、
その皐月賞を勝ったキャプテントゥーレが回避した影響で、
まったくの混戦ダービーとなった。

しかしそんな中にあって、他の路線から参戦してきた馬にスポットライトが当てられた一戦でもあった。
NHKマイルカップを勝ったディープスカイ。
そこを2着したブラックシェル、青葉賞勝ちアドマイヤコマンド、ダートからの参戦サクセスブロッケン。

そして実際、その他の路線から勝ち馬が現れるのである。
勝ったのはディープスカイ。
NHKマイルカップを優勝したものの、圧倒的な力を見せ付けたレースでは無かっただけに、
さらにダービーまで勝つという、キングカメハメハ級の馬でないと成し遂げられない変則2冠は、
簡単には達せられないと個人的には思っていたのだが、
今回は大外に進路を取ると、素晴らしい末脚でまとめてぶった切るという、
極めて強い勝ち方を見せてくれた。
これはNHKマイル以上のレース振りで、圧勝とまで言っていい結果だった。
この馬のちからの限界を見誤っていたが、
このレースに出た馬の中では、力が抜けていると言っていい結果だったろう。

2着はスマイルジャック。
常に勝ちきれないレースが続くこの馬だが、こういうタイプは相手が強くなっても好走する。
(そして相手が弱くなっても勝ちきれない)
これからの大成を考えれば、好走癖はなんとか修正していきたいところだろう。
この相手で2着できるのだから力はある。
精神面含め、今後の成長が楽しみな1頭だ。

3着はブラックシェル。
個人的にマイラーとの評価を下し、無印にしてしまった馬であるが、
今回は最初のコーナーで福永騎手の乗る馬に体当たりに近い騎乗をされ、
レース中ずっと怒って走っていた。
それで3着なのだから、単なるマイラーではない。
3着という着順以上に評価されていい結果だ。

私の本命馬アドマイヤコマンドは7着。
前走完勝したクリスタルウイングにも先着されており、
今回は前走で権利を取るための反動で、上昇力を使い果たしていたか。
キャリア、調教共にまだまだの馬だから、今後の成長に大いに期待したい。

レースレベルは通常。
皐月賞組みだけなら低レベルな一戦になるところ、
先に書いたように他からの路線の馬が加わることによって、レースレベルが上がった。
ここに走った馬たちの、秋以降に期待したいと思う。