戻る   トップページへ


2009年 8月の メインレース予想



北九州記念回顧

とにかく軽ハンデの馬に有利な重賞、北九州記念。
昨年こそ56キロのスリープレスナイトが優勝しているが、
あの馬は実力がG3ではずば抜けていたということで、
今年は平年どおりの軽ハンデの馬で決着するかと思われた北九州記念。
あるいは重いハンデの馬から抜け出す実力馬もいるかと思われたが…。

勝ったのはサンダルフォン。
この馬、上の記載のどちらにも当てはまらないタイプ。
重賞では掲示板には足りず、オープン特別でようやく3、4着、
という感じで、斤量的にも54キロという、
極めて微妙な立ち位置の馬であった。

特に強調できる材料は無いのだが、夏場のサクラバクシンオー産駒ということで、
軽い馬場に適性が高かった、ということなのだろうか。
おそらくは混戦の中から浮上したタイプで、今後はまたハンデのG3でどうか、
という感じの馬だと思われる。
おそらくはスプリンターズSでどうこう、では無いと思うのだが、
しかし、残念なことにスプリントの馬で、G1級の馬など、
今のところスリープレスナイトしか思いつかない。
この馬のような夏競馬の延長線上で、秋を制してしまう馬もいるのだろうか。

2着はレディルージュ。
これはもう、完全に斤量、と言ったところか。
前走の1600万特別では力負けの印象の2着だったから、
斤量50キロはやむを得ないところで、
その軽斤量を生かしきった、という印象。
この馬は鞍上の強化があれば、もう少しやれる可能性がある。
という意味で、1着馬よりは将来があるのかもしれない。

3着はカノヤザクラ。
G3を連勝するというのは非常に難しく、また買った後のG3がハンデの場合、
斤量が1キロ重くなることも連勝を難しくする要因なのだが、
この馬は一応克服はしたようには思う。
難しい連勝に挑んで3着だから、結果は出している。
今後もG3級ならいつ飛んできてもおかしくない馬だろう。
今日のメンバーでは一番頑張ったのはこの馬、とも言えるかも知れない。

私の本命メリッサは、馬の行き脚が全く無いのか、鞍上の指示なのか、
なぜか道中最後方待機。4角は大外をぶん回し、
直線だけで5着まで押し上げた。
内容がそこそこあっただけに、スムーズなレース振りだったら、とは思うのだが、
1600万をなかなか勝てなかったあたり、
スプリンダーだが行き脚の無い、という弱点を抱えている馬なのかもしれない。
斤量こそ軽かったが、格が上がってペースについていけなかった可能性あり。

レースレベルは通常。
平年のローカルのG3らしいメンバーでのレースとなった。
常識的には、G1でどうこう、を考えるレースでは無かったように思う。


クイーンS回顧

重賞としては残念なことに、今年のクイーンSはレベルが低かったように思う。
例年ならば、このレースから秋華賞へ、エリザベス女王杯にはばたく馬もいるのだが、
今年に関しては全くそういったムードではない。
レース前からそれはわかっていたことで、こういう年こそ、
馬場やコースへの適性が試されるのかも知れない。
当然平年もそれは試されているのだが、レベルが低くなると、
特にコースへの適性によって大きく結果が左右されることもある、という結果だったように思う。

勝ったのはビエナビーナス。
はっきり申し上げて、ここまでの実績からでは買うことは出来ない馬。
何しろ、休養前1600万特別で全く歯が立っていない馬で、今回G3では…。
この馬に関しては、札幌、函館の、洋芝適性、しか買える要素が思いつかない。
札幌は1勝2着1回、着外1回、
函館は3勝、着外1回、という成績で、まさに洋芝巧者のお手本のような存在。

とは言え…1600万を6着に負けて休養していたレベルの馬を買うとなると、
これはほとんどの馬が買えることになってしまうので…。
とにかく、馬場への適性のみを考えれば、という馬だっただろう。

今年の低レベルのメンバーだからこそなんとか来られた、ということだろう。
低レベルなら馬場への適性だけでもなんとかなってしまう、という例だった。

2着は実績馬ザレマ。
とは言え、この馬もオープン特別こそ勝っているが、重賞ではいつもあと一歩。
ジリジリの馬なのだ。
今後も条件さえあれば2着あたりには食い込んでくる可能性は十分だが、
そんなに安定して走るタイプとも思いづらい。

3着はアメジストリング。
この馬も1600万で2着に負けているレベルだったのだが、
それでも洋芝適性で通用してしまった。

レースレベルは当然の如く非常に低い。
G3ということには一応なっているが、下手をしたらオープン特別より低い可能性すらある。
牡馬混合の1600万と同じくらいのレベルか?という、ごくレベルの低い一戦だったように思う。


函館2歳S回顧

現時点での完成度か、それとも将来性か、という2歳重賞の命題。
しかし、まだ2歳戦がはじまったばかりのこの時期に行われる函館2歳Sでは、
例年現時点での完成度の高い馬が優勝、連対してくることが多い。
実際、今年のメンバーを見渡しても、全体的に現時点での完成度でここまで来た馬が多いように思う。

その中では一歩血統的に底があると思われる馬がいた。
それこそが、勝ち馬ステラリードである。
この馬は父スペシャルウィーク、母の父ザフォニックで、
血統だけで言ったら、1200mの2歳重賞にはむしろ似合わないイメージすらある。
しかし、前走の競馬で中団から差しきる、味のある競馬を見せたように、
完成度の高さだけではない、能力の高さを秘めた馬であったように思う。

この血統ならば、スプリントの一戦だけではなくて、マイルあたりでも十分に対応可能。
やや軽いミスプロ系の母の父ザフォニックがある程度出ているにしても、
父スペシャルウィークは重厚な血統で、十分にカバーできているように思う。
これならば、この重賞で打ち止めにならず、今後の成長に期待が持てるのではないか。
ここで終ってしまう馬も多いが、この馬はそれだけにとどまらない活躍が期待できると思う。

2着キョウエイアシュラはおそらく現時点での完成度、という馬だったように思う。
キャリアが2戦あるのも強みだし、控えて味のある競馬も見せていた。
父スウェプトオーヴァーボードで、早い時期の活躍が期待できる馬で、
今の段階だからこそ、受賞でも活躍できる馬ではないだろうか。
母父アンバーシャダイでこの父だから、そんなに底があるとは思われないが、
現時点では重賞級、ということなのだろう。
母父アンバーシャダイがいい方向に出て、成長力に結びつけばいいが、
個人的には2歳重賞だからこそ、の馬ではなかったかと思っている。

3着ソムニアは1200の重賞はむしろ似合わない。
父スペシャルウィーク、母父エルコンドルパサー。
成長力も十分に兼ね備えていそうなイメージの血統で、距離もマイルくらいなら問題ないだろう。
来年の桜花賞を目指して調整を積んでいってもらいたい。

私の本命インテグラルヘッドはそれこそ現時点での完成度でどうか、という馬だった。
レースも馬なりで好位をキープし、直線は一旦先頭、という場面もあったが、
見せ場を作った、という段階で終ってしまった。
サクラバクシンオー産駒は夏場になると調子を上げる馬でもあるし、
また来年の夏あたり活躍しているのではないだろうか。
血統的に、距離を伸ばしてどうこうの馬では無いように思う。

レースレベルは通常。
出走馬の上位の馬たちも、今後の成長が必須。
2歳の今の時期にすでに完成している馬では、おつりが無くて、来年のクラシックまでは持たない。
これから成長できる馬がたくさん居ることを願って止まない。
そういう意味で、成長力のありそうな、上位に入ったスペシャルウィーク産駒の馬たちには注目したい。


関屋記念回顧

重賞未勝利のヒカルオオゾラに対して、G1戦線で好勝負を繰り広げたスマイルジャック。
この2頭が実績的に抜けていたレースだったように思う。
この2頭はG3にとどまらない活躍も期待されている馬たちで、
別定の重賞であるここでは、2頭とも負けられないところ。
今後に向けて、雌雄を決しておく舞台だったように思う。

そんな攻防を制したのはG1戦線でも好勝負してきたスマイルジャックだった。
前走の安田記念が今ひとつの相手だと思われたが、
それでもG1の9着はG1の9着だった、ということだろう。
通常、G1で10着以内に入れた馬というのは、
G3なら格上である可能性が高いからだ。
相手云々以前にG1、9着の実績を素直に信用してもよかったか。
またこの馬、マイラーズカップでも3着しており、
G2でも好勝負が可能な馬であり、
その点においても、G3ならば、という馬だったように思う。

ヒカルオオゾラは残念な2着。
最後の直線は馬なりで先行集団を捉えに行っており、
G3では格上であることを今回も示したのだが、
それでもまた今回も上に1頭馬が居た。
G3ならばいつでも勝てる馬、と言われながら、
なかなかその壁を打ち破れずに居る。
今のままでもチャンスは確実にやってくるが、
それでも更なる成長を遂げ、実力でG3をもぎ取っていってもらいたい。

3着マイネルスケルツィは近走凡走が目立ち、かつての力は無い、
と思わせておいて、ここで変わってきた。よっぽど新潟の長い長い直線が合うということか。
しかし、今回全くの人気薄でもあり、次あまり過大な期待はかけない方がいいかもしれない。

レースレベルはやや高かった。
1、2着馬はG3にとどまらない活躍を期待できる馬たちであり。
夏場のG3としては、十二分に盛り上げてくれた馬たちだろう。
次走以降も楽しみである。