戻る   トップページへ


2010年 6月の メインレース回顧



宝塚記念回顧

今年は若干レベル的に難がある様相のあった宝塚記念。
メンバーの層が薄いというか、去年の有馬記念のあたりから、
あまり構図が変わっていない印象があったためだ。
こういった、「代わり映えのしないレース」という場合、
今まで予想だにしなかった、新星が登場するケースが多々あるのだ。

今年はその構図にぴったり当てはまる馬が登場してきた。
ナカヤマフェスタ。

今まで、気性的に難があり、大成できなかったこの馬、
今回はゴール前でブエナビスタをきっちり差しきってしまったあたり、
これはもう、フロックとは呼べない。

気性難の馬の場合、成績が全く安定しないことが多いのだが、
しかし、ナカヤマフェスタの場合、どうやら気性も、常識にかかる範囲内に入ってきたようである。

この馬、これまでが力を出していないだけで(G1を勝つ馬は、普通G3で13着には負けない)
今回の差し足こそが、この馬本来の力。
能力をきちんとつけてきている。
今回のゴール前の脚はまぐれではなく、本格化なった、という印象だ。
気性面での成長も見られるし、血統的に、晩成血統でもあり、
能力をつけてきており、これならば、今後のG1路線でも、十分戦える馬の誕生だ。
決して穴馬の大がけ、フロックの勝ち、では無い。
新星誕生、と見て、まず間違いないだろう。

2着にはブエナビスタ。
どうも先行させる競馬を試みると、末はやはり甘くなる。
内回りのコースでは、どうしてもああいった競馬をしなくては届きづらいだけに、
やはりベストは末脚を生かせる外回りで、後方からの競馬をしたケースのよう。
末脚勝負こそが、この馬の本質であるのは、まず間違いないと思う。
今後は、できるだけ外回りのレースに使ってもらって、
騎手にも、後方からの競馬を徹底したもらいたい。

3着はアーネストリー。
前走が休み明けでいきなり完勝であったから、G1でも、という期待がかかり、
半分は結果を出した印象。
このくらいの競馬はできるのなら、G2、G3なら当然常連になれるレベルの馬。
この馬も成長して来ているし、今後が楽しみな1頭だ。

私の本命ロジユニヴァースは、パドックの様子で、どうも筋肉の付きが弱い印象を受けた。
調教が軽めであったという情報もあり、どうやらまだ走れる状態にはほど遠かったか。
調教を強く行えるようにならないと、競馬にはならない。
これから、鍛えなおしの夏にしてもらいたい。
力だけならば、古馬混合のG1でも引けを取らないだけに、
順調に厳しい調教ができる状態になってもらいたい。

レースレベルは通常。
去年の有馬記念2着馬ブエナビスタを負かす馬が出てきたのだから、
すでにレースレベルは通常のG1レベルに達している。
勝ち馬には、今後のG1レースでも、十分の注意が必要である。

新星誕生、新しい風が吹き込んだ、宝塚記念であった。


マーメイドS回顧

例年軽ハンデの馬が好走する重賞なのだが、今年もその傾向が続いたマーメイドS。
牝馬限定でしかもハンデのG3、という、極めて能力が拮抗するメンバー。
ならば軽ハンデを生かして前に行った馬、などにもチャンスが大きくなるレースということだろうか。

今年の優勝馬はブライティアパルス。
戦ってきたレースのレベルこそ、それほど高いとは言えないのだが、
今回は持ち前の先行力がフルに生きた、という印象。
斤量の53キロというのも、このレースに関して言えば、「ちょうどいい」というレベルのハンデだ。

今後に関しては、大きなレースで安定して走るとは思いづらく、
またハンデのG3あたりで、条件が重なった時に復活があるか、というところだと思う。
このまま王道を突っ走る馬にはおそらくならないだろう。

2着はセフティクロンプ。
ずっと牡馬に当てて、結果が出なかったが、
今回牝馬限定の重賞にまわって、結果を出してきた。
馬場が重くなったときには合いそうな血統だし、
今後も、距離以上の持久力を要求されそうなレースでは穴の評価が必要。
ただし、切れ味を要求される競馬や、王道の路線では付加。
あくまで、ハンデのG3や、オープン特別での穴馬だろう。

3着テイエムオーロラは、距離を克服してきた。
元々スプリンターの血統ではないだけに、今後はこのあたりの距離で実績を残しそう。
ただし、鞍上はまだまだ下手だと思う。
今回も、リーディング上位の騎手ならかなり勝ち負けにきわどい競馬になっていたはず。
今後、鞍上強化の一戦では面白いと思われる1頭だ。

私の本命リトルアマポーラは実績を評価しての本命だったのだが、
どうもハンデのG3というのは、実績では決まらない。
実績よりも、そのコースや馬場の適性に合っているものが好走するようである。
この馬に関してはやはり外回りの競馬の方が合う印象で、
ここで復活、というタイプではなかったということだろう。

レースレベルは通常。
牝馬限定のハンデのG3らしい、大きなところには繋がらない、
今後のハンデG3やオープン特別へ繋がっていくであろうレースだったように思う。