2010年 8月の レース回顧
第45回関屋記念回顧
関屋記念の舞台、新潟1600。
普段、ここのレースは先行馬には相当厳しいレースになる。
直線があまりにも長いため、超スローペースで逃げたとしても、
それでも後からの馬が、さらにそれを上回る上がりをはじき出すため、
結果的に差し、追い込み馬の餌食になる。
しかし、関屋記念に関しては、例年、先行した馬が、2、3着に残ることが多く、
今年もそんな結果が繰り返された。
勝ったのはレッツゴーキリシマ。
かつて重賞でもそこそこに走っていたように、本来重賞でも勝負になる馬。
今回は新潟コースでの逃げ馬ということと、
休み明けで人気を落としていたが、
ペースにも恵まれ、その持久力を存分に発揮できた。
しかし、ペースだけではなく、この馬には相当な力があると思う。
とにかく逃げ馬には苦しい舞台の上、今回は8ヶ月ぶり。
次が京成杯ならば、相当有力な1頭と見ていいのではないだろうか。
着差以上の強さを感じた。
2着はセイクリッドバレー。
例年の関屋記念の勝ち馬ほどの圧倒的なものはなかったのだが、
その分の2着、というところだろうか。
追い込み馬が不発に終る中、1頭よく追い込んできている。
今後は瞬発力の生きる直線の長い競馬で注意したい。
3着リザーブカードはおそらく脚質と、外枠がはまった印象。
新潟外回りはとにかく外枠が有利で、この馬は恩恵を受けた印象だ。
連続して重賞で来るとは思いづらい。
レースレベルは若干低い。
ハンデのG3、というあたりのレースレベルだったか。
しかし勝った馬は脚質とローテーションの不利を跳ね除けており、
このメンバーに入っては、今後を注視したい1頭だと思う。
第42回函館2歳S回顧
2歳重賞開幕の1戦。
今年は圧勝を経験してきた馬こそ居なかったが、
前走で強敵を倒してきた1頭が中心となったレースだった。
勝ったのはマジカルポケット。
前走負かしたロビンフットは、後にオープン特別ラベンダー賞を制しており、
それに2馬身半の差をつけたこの馬ならば、
当然G3でも好勝負が期待できた。
ただ、今回マイネショコラーデにそれほど差を付けることができなかったので、
今後の成長は必須。
現時点では、秋以降メンバーが強力になれば、通用しなくなる恐れがある。
2着はマイネショコラーデ。
この馬はキャリアがすでに2戦あったことが大きな強み。
さらにマイネの馬ということで、早くから厳しい調整に耐えてきており、
現時点での完成度が高い1頭だった。
血統的に成長力はありそうなだけに、
あまり早くから使いすぎて、成長力をそぐことが無いといいのだが…。
3着ルリニガナはおそらく函館巧者の血統。欧州血統だ。
現時点での完成度も高かったし、馬場への適性もあって、重賞での好走に結びついた。
今後は成長を加算させることが重要だが、
この馬の場合、もしかしたら、来年の函館、札幌開催で1000万あたりを勝っていそうな予感も…。
レースレベルは通常。
これから成長力を加算できるかどうかに、今回の出走馬の命運が分かれる。
成長力がなければ、現時点で重賞級でも、すぐに他の馬に取って代わられる。
出走馬の今後の成長に期待したい。
第46回小倉記念回顧
ハンデのG3で、しかも小回り、平坦。
これだけを見ると、七夕賞と似たような適性を求められるのではないかと思われる重賞。
しかし、実際には七夕賞は最終週の荒れ馬場で行われ、
小倉記念はまだ開催途中で、そこまでは荒れていない条件。
そんな馬場状態の違いが、結果に大きく響いてくる重賞だ。
今年はそんな七夕賞と小倉記念の求められる適性の差が、顕著に出た年ではなかったか。
勝ったのはニホンピロレガーロ。
これまで道中最後方近くからの競馬が多く、
これでは小倉記念では厳しいかと思わせていた馬なのだが、
しかし今回は一点、中団待機の競馬を試みた。
これならば、前走の新潟大賞典では3着に走っており、
ハンデのG3ならばこれくらいの競馬はできる。
今後は中団待機の戦術が、毎回できるかどうかもポイントになってきそう。
鞍上強化なら、安定感が増す可能性もある。
2着はバトルバニヤン。
七夕賞では早め先頭の非常に苦しい競馬。
七夕賞というのは、馬場の関係上、どうしても外差しの展開になりがち。
前走は展開面での不利を被っての3着であって、
順調にレースが出来れば今回くらいは走ることが出来る馬。
今後も小回りコースの重賞で、早め先頭が決まる競馬なら、注意が必要だ。
3着はスマートギア。
小倉には良績があるのだが、直線の長い競馬もこなせる馬だけに、
若干の不利はあったと思うが、それでも3着に来るのは力の証明。
今後は直線の長いコースならば、別定のG3でも勝負になるか。
レースレベルはハンデのG3として通常。
今後、小回りの先行が決まる舞台ならば、今回の1、2着馬は面白い存在になるだろう。