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2010年 9月の メインレース回顧



第55回京成杯オータムハンデ回顧

中山1600はただでさえ、前と内枠の有利なコースだ。
しかも、開幕週に行われるこのレースは、例年内枠か逃げ馬を買っていればいいレース。
今年もそんな競馬が繰り広げられた。

勝ったのは先行、ファイアーフロート。
前走勝った1600万のレベルが低かったため、
あまり評価が上がらなかったが、
しかしそのレースはこの馬にとって、7ヶ月ぶりのもの。
しかも8月の新潟内回りは外差し有利の馬場状態になっていたことを考えれば、
前走は非常に強い内容であったとも言える。
今回叩き2走目で、斤量が2キロ減って先行有利の馬場。
確たるデータが、この馬の優勝を後押しした。

ほぼ、全ての要件が揃っての優勝だっただけに、
今後はここまで恵まれたレースはなかなか来ないだろうが、
しかし、前残りの馬場なら、重賞でもやれることが明らかになった1頭だ。
鞍上強化で、忘れられた頃一変があるかもしれない。

2着はキョウエイストーム。
中山競馬場ではとにかく堅実で、1着3回、2着2回、3着2回で、4着以下は無い。
それにしても、同じ持久力が試される福島等では走らず、
中山競馬場だけ走る馬というのも珍しい。
前走追い込み有利の七夕賞で追い込んで全くいいところがなかった馬が、
中山に馬場が変わって一変してきた。
正直重賞でどうこうの馬では無いと思われたが、
このタイプも、今後条件揃えばまた一発あるかもしれない。

3着はキョウエイアシュラ。
前走スプリント戦で無理に前に行かせたのが、今回いい方向に出、
今回は中団のインで競馬を進めることができた。
最後の直線で内にささるような場面があったのが残念だが、
この馬もG3くらいならいつでも勝負になる。
次、富士Sでも、東京でも実績があるだけに、面白い1頭になりそう。

レースレベルは通常。ハンデのG3としては、十分に機能していたように思われる。
条件が整わなければ安定して走るとは思えないが、
前残りの馬場になった時、今日の好走馬の復活があると思う。


第61回朝日チャレンジカップ回顧

開幕週の前残りの馬場、これが有力馬の勝敗を分けたレースとなった。
勝ったのはキャプテントゥーレ。
G1では厳しい戦いが続くものの、G3では有力であることは、
去年のこのレースや、G2マイラーズカップの3着で示している。
今回は開幕週で、前が止まらない馬場であることも味方に付けて、
楽に勝利を収めた。

正直、これ以上格が上がって来るレベルの馬とは思えないものの、
G3程度であれば、安定してレースを進めることができる。
なぜかここで2番人気に収まったのが不思議な馬。
連覇が39年ぶりということだが、
データを見て、馬を見ない、という愚行を犯さない限り、
この馬の中心は動かなかっただろうし、的中もたやすかった。

2着も先行したプロヴィナージュ。
前走は牝馬限定戦であったが、一応G3で2着。
牡馬混合戦では展開面での助けが必要だろうが、
この馬はその展開で、開幕週の馬場の助けを得た。
エリザベス女王杯は3歳の生きのいい馬達が出てくるので足りるかはわからないが、
G3レベルであれば、牝馬限定戦ならいつでも勝てる力がある。
外差しの馬場に使うなどしなければ、重賞勝利も近い。

アドマイヤメジャーは重賞実績が無いにも関わらずの謎の1番人気。
可能性を買うのは結構だが、それが1番人気になってしまうと話は別。
可能性だけで、そのレースの中心を持っていくのはいかがなものだろうか。
結果的に、追い込みの脚質も、このレースには合わず、不発に終った。

レースレベルは通常。
例年通りの、G3としての平均点が与えられるレベルのレースだったように思う。