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2006年7月のレース回顧



プロキオンS回顧

時期がやや後ろにずれた、プロキオンS。
夏のあいだ、短距離重賞は中央では行われないこともあって、それなりにメンバーが集まった1戦となった。

優勝したのはメイショウバトラー。
足元不安からの復帰後2戦で、しっかり変わってきた。
人気は無かったが、もともと1勝目はダートで圧勝しており、ダート適正は問題ないと、
戦前から思われていたが、ふたを開ければそれどころではなかった。
東京1400mのレコードを出した、シーキングザベストを、さらにちぎり捨てる競馬で、
相当強い勝ち方だったと思う。距離も2200のエリザベス女王杯でこなしていることから、
今後、2000m級のダート重賞でも好勝負になるだろう。
ダート界に期待の1頭が誕生した1戦だったと思う。
南部杯あたりなら、牡馬相手でも十分通用しそうである。楽しみな馬が出た。

2着シーキングザベストも、能力は出し切った。負かされた相手が強すぎた印象。
本命リミットレスビットは、なぜか道中から行きっぷりが悪く、
ついていくだけで精一杯と言った印象。事実4角では伸びる手ごたえが残っていなかった。
能力はかならずある馬だから、今後の復調は十分だ。
次走は今回のレースを意識しない方がいいだろう。

レースレベルはメイショウバトラーがG3級ではないことを考えると、
比較的高いものがあったと思う。
2着シーキングザベストで、通常のこのレースの勝ち馬レベルだろう。勝った馬は1枚上のレベル。


七夕賞回顧

毎年この時期開催の、荒れる重賞としておなじみの七夕賞。
しかし、今年は異変が起こった。
1着から3着まで、人気を集めた馬が独占し、なおかつハンデが一番重い馬が優勝したのである。

毎年この時期の重賞ということで、馬場はかなり荒れる上に、雨の確率も高い。
しかも元々まぎれの多い福島コースである。
そこでハンディキャップのG3を行ってしまうのだから、荒れて当然のはずだった。
しかし、今年は先にも書いたように、人気馬が上位を独占し、穏当な決着となった。

その要因は、なんと言っても実力馬が出走してきたことだろう。
荒れている時期の七夕賞は、1番人気とは言っても、それほど実績のある馬ではなかったり、
安定性を欠く馬だったりすることが多かった。
しかし、今年は金鯱賞の勝ち馬や、小倉三冠馬が出走してきたのである。
馬場は荒れているとは言え、良馬場では行えたし、
毎年馬場を保つ技術は向上してきているから、外にさえ出せれば、
それほどむちゃくちゃなコースと言うわけでもなかった。

優勝したメイショウカイドウ、2着コンゴウリキシオー共に、能力を出せば、G3級では最上位。
サマー2000シリーズの恩恵を受けて、レベルアップした七夕賞だった。
レースレベルは、このレースとしては極めて高い。
普通のG3より、むしろレベルが高いくらいまで高まったと思っていいだろう。