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2006年12月のレース回顧



有馬記念回顧

このレース、僕には何も語る資格はございません。
ディープインパクトに真っ向から挑んで、見事に敗れ去りました…。
普段はえらそうにレースについて語ってますが、今回はそれは無理…。
でもそれじゃ、回顧になりませんよね…。

仕方ないので、本命を打ったメイショウサムソンについて書きたいと思います。
春シーズンは、3歳馬の中では明らかに抜けていると思われた、メイショウサムソンでしたが、
秋に入って、今ひとつ能力を発揮できていないようです。
ただ、今回のレースは、あまり状態がよくなかったと思うんですよ。
パドックでは馬体に冬毛が出て、見栄えもしなかったし、
馬体が重過ぎるという話も出ていますし、
レースを使い詰めで能力を押し上げてきたのが限界に達したのだ。とかも…。

それでも、5着に来ているあたり、来年はまだ見込みがあるとは思えるレースでした。
あまり人気になりすぎるようですと、燃え尽き形の馬は怖いですが、
人気が落ちすぎると、いきなり劇走したりするのが競馬だったりします。
現段階でどちらだ!と断言できる勇気はありませんので、ここには書けませんが、
ディープインパクトが引退した今後の競馬を引っ張ってもらうと言う意味で、
今年の3歳世代には頑張ってもらわないと…。
さしあたり、この世代で抜けているのはアドマイヤムーン。
それを追って、メイショウサムソンとドリームパスポートが並んでいる。
そして、短距離ではフサイチリシャール。と言うところでしょうか。

なんにせよ、2007年の競馬も盛り上がって欲しいものです。

※今回、普通の回顧が不能で、口語体の感想文を書かせていただきました。
  普段は、下にありますような回顧を書かせていただいています。
  いつもの回顧を見に来てくださった方、ごめんなさい。
  2007年金杯からは、元通りの回顧をさせていただく予定です。


ラジオNIKKEI賞2歳S回顧

サンデーサイレンスがいない2歳戦が行われた2006年だったが、
サンデーサイレンス亡き後、クラシックはレベルが下がった状態で行われるのか、
注目を集めるところ。
現在の時点では、残念な事だが、レベルは比較的落ちてしまっているように感じる。
今回の重賞にしても、サンデーサイレンス産駒がいれば、
もっと華々しいレースになったと感じさせる部分も否めない印象だ。

しかし、それでもその中から、2頭クラシックを展望させる馬が出てきた。
(例年のクラシックよりもレベルは落ちるとの仮定の下だが)
勝ったのはフサイチホウオー。
ジャングルポケット産駒のこの馬。前走の府中でじわじわと、
「ぶった切る」ような切れ味を見せて勝ったこの馬だったが、
阪神の内回りコースにも対応。
トニービン産駒に多かった、エンジンのかかりが遅い馬では無いのかもしれない。
それでも血統的に府中はベストだろうが、
今回の勝ちで、ダービーだけではなく、皐月賞も展望できる。

2着はヴィクトリー。
こちらは古豪ブライアンズタイムの産駒。
ブライアンズタイムは近年は不振で、ダート血統としてなんとか生き残っていた印象だったが、
久々に、芝の大物を出してきた印象。
勝ったフサイチホウオーには上がりタイムでかなり劣っているので、
即クラシック級と断言はできないものの、
ブライアンズタイムの産駒は当たれば大物が多い。
芝の2000m重賞で、勝ち馬と印象度ではそれほど劣らない競馬をしただけに、
クラシックイヤーで完成が見られれば、面白い1頭だろう。

3着以下は、現時点ではクラシックには厳しい。
これからのパワーアップは必須だろう。
レースレベルはサンデーサイレンスがいなくなったことを考えれば、悪くないとは思うが、
例年のハイレベルな決着を見ていると、
まだまだ上がいるのではないかという印象も覚えてしまう。


阪神カップ回顧

記念すべき第1回目となった阪神カップ。
昨年まで、ここにCBC賞があったが、今年からは1400mの重賞が新設された。
距離が極めて微妙な上に、G1が終わったあとのG2戦ということで、
盛り上がりが心配されたが、出走頭数を見る限りでは、受けはよかったものと思える。
メンバー的にも、G1の1、2着が抜けたくらいで、G2としての機能は十分に果たした。
去年少し議論されたような、G1レースとして開催するには、
香港や有馬記念のローテーションを考えれば、やめておいたのは無難。
今後も、G2らしいG2として、機能させればいいのではないだろうか。

第1回の覇者は、フレッシュな3歳馬だった。フサイチリシャール。
昨年の朝日杯を制した後、やや頭打ちになったものの、
ここに来て、しっかりと巻き返してきた。
短距離界は古馬勢がだらしないだけに、相手が弱かった嫌いもあるが、
しかし、ここは3歳から短距離路線を盛り上げられる素質馬が登場したと、前向きに捉えたい。
ダートでは今ひとつ結果が出ていないが、まだ完成途上のことでもあるし、
今後を楽しませて欲しいとは思う。
まだ、ここを勝ったからと言っても、3歳には生きのいい馬もおり、
即G1級かはク首をかしげたくなるが。

2着以下は、いつものメンバーであり、新鮮さにも力強さにも欠け、刺激が無い。
勝った馬の新鮮さだけが目立ったレースだったように思う。

本命コートマスターピースは、日本の芝2戦目での変わり身を期待したが、
完全に適性が無かった。イギリスの芝馬に、日本の芝はきつかった。


フェアリーS回顧

G1の2週間後に行われるG3だけに、メンバーが集まらないことが多い重賞だが、
今年も低レベルな1戦となった。
元々2歳の牝馬ともなると、新馬も500万も、それほどレベルが変わらないことが多いだけに、
難解なレースになることが多い。
そして、今年はその傾向にいっそうの拍車がかかった結果となった。

勝ったのは13番人気アポロティアラ。
未勝利勝ちがあるだけで、前走の500万では大敗。
血統的にもそれほど妙味のある血統でないだけに、
人気を落とすのも仕方ない。というか、人気を集める要素が無かった。
勝ちはしたものの、今後のレース選択の幅が狭まるような、
あまり(長期的に見れば)嬉しくない勝利だったように思う。

2着はサンタフェソレイユ。
これも500万で勝てないレースが続いたが、
重賞に入っても、その時と変わりないか、それ以上の結果をだした。

レースレベルは低い。
それもあって、500万とG3の差がそれほど見られない重賞だったように思う。

本命クーヴェルチュールは、牡馬相手にやっているので期待したが、
牝馬限定のここで負けてしまっては、今後に暗雲。
連勝してきているだけに、まだもう少し力はあるとは思いたいが…。


愛知杯回顧

牝馬限定の条件は変わらないながら、今年から開催時期が冬場に変わった愛知杯。
エリザベス女王杯で敗れた馬たちにとっては、いいレースができた。
もともと、この時期に阪神牝馬Sが開催されており、
そうそうたる顔ぶれのレースが展開されていたが、
このレースもいずれはそのレベルに達するかもしれない。

さしあたり、1年目の今年は3歳馬の有力馬が出馬してきた。
勝ったのはアドマイヤキッス。
G1では一息足らないものの、G2までなら、強い競馬をするこの馬。
陣営こそ「56キロは見込まれた」と言うが、このメンバーでは抜けていた。
(陣営の「ハンデが見込まれた」は、だいたい調教師の不勉強の賜物で、
ハンディキャッパーの数字の方が客観的に正しいことが多いです)
ファンもよくわかっており、1.9倍の、圧倒的1番人気であった。
来年も牝馬限定重賞で面白い存在。
距離が縮まるヴィクトリアマイルでも、特に注目だろう。

レースレベルは、牝馬限定のG3で、しかもハンデ戦ということを考えれば、
高い方だったように思う。今後、ローテーション的にここを目指しやすいだけに、
更なるレベルアップの可能性を秘めた重賞だと思った。


朝日杯フューチュリティS回顧

前哨戦である京王杯のレベルが低く、
レベルの高かった東京スポーツ杯からは勝ち馬が来ず、混戦模様の朝日杯だったが、
優勝したのは東京スポーツ杯で3着敗戦のドリームジャーニーだった。

この馬の血統、父がステイゴールド、母の父がメジロマックイーンである。
また、ノーザンテーストの3×4と言う「奇跡の血量」のインブリードもあり、
まさにくろうど好みしそうな血統である。
純粋に配合としてみても、ステイゴールドはサンデーサイレンス系の後継として有力だし、
それに母の父のメジロマックイーンは完全な異系配合で、
活力と言う意味でも申し分ない。
ノーザンテーストのインブリードは、その配合に足りない成長力を補っている可能性があり、
血統的にはクラシックでこそ。と言う配合であった。

レースは、スタートで出遅れた時点で、この馬は消えたと思った。
また、オースミダイドウは入れ込んだ上にハナに立つ展開で、これも消えたと思われた。
しかし、実際はその馬たちが1着3着するのだから、面白い。
特に勝ちきったドリームジャーニーは、今後が楽しみになった。
ただ、レースレベルは2歳G1としても低かったように思われるので、
クラシックに乗れるのは正直ドリームジャーニーだけ。と言う気もする。
今後を見たいとは思うが、レース後の正直な感想としては、
ドリームジャーニーだけが生き残った。と言う印象である。

本命マイネルシーガルは、直線外にだして、勝ち馬と一緒に上がってくるかと見せて失速。
完全に力負け。前走をあまりに評価しすぎた。今後は厳しくなったと思う。
これは、完全に本命を打ち間違えた印象であり、今後の反省としたい。


鳴尾記念回顧

今年から距離が1800mに縮んで、マイルチャンピオンシップからのつながりも出てきたG3。
暮れのこの時期になると、3歳馬が古馬に追いついてきて、
G3クラス程度ならかなり有望となることが多いのだが、
今年は、その傾向が大きく出たレースだったように思う。

1着、2着共に3歳馬が占めた。
1着馬はサクラメガワンダー。2歳の暮れにG3を制したが、
その後は成長力の関係もあるのか、伸び悩んでいた。
しかし、暮れのG3、昨年と似通ったコースで、見事復活の優勝だ。
2着はマルカシェンク。
正直、ここまでレベルの落ちたG3で1番人気しないのが不思議だった。
ただ、レースはかなりのスローペーストなり、
いつも通りの後方待機からでは、またしても差し切れないという事態もあり得た。
今回、吉田稔騎手の逃げと言う戦法。今後を考えれば不安だが、
このレースに限っては好騎乗だった。
新装阪神コースで、スローペースのレースばかりと言う点を付いたのだろうか。

レースレベルはG3らしいG3。並みのレベルである。
ただ3歳馬がワンツー。今後の成長に期待といったところか。


阪神ジュベナイルフィリーズ回顧

今年から、阪神コースが改装された。
開幕週は早い時計が掲示されるかと思いきや、
芝の丈が長かったこと。直線の長さが過剰に意識されたことによって、
スローペースのレースばかりが続いた。
あるいは、ミドルペースでこの時計なのか。
と思われたところで、とんでもない時計をはじき出したレースがあった。

それが、この阪神ジュベナイルフィリーズである。
もちろん、開幕週の馬場に助けられてはいる。
だが、1、2着と、3着以下がだいぶ離されており、上位2頭のレベルの高さが、
このタイムをはじき出した。実に、1分33秒1(!)である。
もはや、このタイムは桜花賞の勝ち時計より早い。
逃げたルミナスハーバーが3着に頑張っている辺り、
まだハイペースでもなかった状態でのこのタイム。
まだまだ早い時計を期待できる。これで芝を刈ったら一体どんな時計が出るのか。

レースに話を戻そう。
そんな絶好の馬場でのレースに、素晴らしい牝馬2頭が現れた。
ウオッカと、アストンマーチャンの2頭である。
3着に3馬身半差をつけたあたり、この2頭は本物。
おそらく、3着のルミナスハーバーで、例年の勝ち馬のレベルだろう。
来年の桜花賞は、この2頭をめぐって、面白い戦いが巻き起こるだろう。
まだ2歳戦。これからの新星にも期待だし、俄然面白くなった。

ウオッカは、剛脚でアストンマーチャンを交わし去った辺り、現時点では非凡。
もちろん、まだここを勝っただけで名馬の領域とは呼べないが、
名馬に育たないとも言い切れない。今後の魅力はある馬。
そして、2着に負けたアストンマーチャンも、距離は問題なかった。
初の坂で戸惑ったが、慣れてくればこなせる。阪神でも1600は守備範囲と見た。

レースレベルは非常に高かった。上位2頭は例年を大きく上回る競馬をしたし、
3着馬が優勝でも、おそらく例年並。
来年の桜花賞。本当に楽しみである。


中日新聞杯回顧

来年以降、父内国産限定のレースがなくなることから、
このレースの条件も変更になる。
同時に、2000mとして行われたのも今年からなので、
全く今回と同じ条件でのレースは来年以降は無くなる。
単発的なレースだった。

勝ったのはトーホウアラン。
菊花賞で穴人気したように、長距離でこそと思われていたが、
どうやらこの馬、ツルマルボーイと同じように、切れ味で勝負するタイプのようだ。
ツルマルボーイはマイルにも対応したが、この馬はさてどうなるか。
ダンスインザダーク産駒はそれほど切れない馬が多いのだが、
この馬は切れる。その代わりに底力の面ではやや劣るような気がする。
今回は人気を落としたが、内の狭いところを縫って、いい競馬をした。

2着はインティライミ。
こちらはスピードや、一瞬の切れ味では劣るタイプのよう。
クラシックイヤーほどの活躍は、難しいかもしれない。
ただ、今回のようにG3、あるいはG2くらいまでなら、と言う馬か。

本命トウショウシロッコは、1600万で好勝負していたため買ったが、
よく考えればG3の今回は相手が強かった。やや無理な狙いだったか。
ただ、最後方待機の戦法もどうかとは思う。それほど切れるタイプでもない。

レースレベルは、父内国産馬限定戦とは思えないハイレベルな一戦。
通常のG3としても、十分レベルは高かったと思う。


ステイヤーズS回顧

上位人気3頭と、それ以外の馬で実力差が出てしまった今年のステイヤーズS。
もともと3600mも走ることもあるし、
人気になるような馬が数頭しか出馬してこないことなどから、
荒れてもおかしくない条件なのにあまり荒れない重賞なのだが、
今年はさらに、それに拍車がかかった印象のこのレース。

勝ったのはアイポッパー。勝負どころで置かれてしまうという欠点もあって、
目黒記念などではおしい星を落としたが、
京都大賞典の和田騎手のはや仕掛けが、結果的に馬に競馬を覚えさせたのか、
その後は順調さを取り戻し、この年齢で、嬉しい重賞初制覇となった。
鞍上ペリエ騎手も、このコースは相当上手いようである。
ただ、最近乗り鞍が激減しており、来年以降の来日があるのか、少々心配。
この馬の今後は、年齢もあって強気にはなれないが、
2500m以上の重賞なら、来年も面白いか。
G1を勝ちきれるかと言ったら、疑問も大いに残るが。

2着はトウカイトリック。
この馬もここではやや力が抜けていた印象。
勝ち馬に離されたように、まだ重賞では力差はあるようだが、
この馬はまだ若い。今後の変わり身に期待。
次はどこだろうか。有馬記念ということも考えられる。通用はしないはずだが。

本命ファストタテヤマは、スローペースに落ちれば競馬をするが、
3600mの流れだと不発に終わる、難しい馬。
今回はやや速い流れで、展開が向かなかったか。
万葉Sで人気しだいでは本命に推せる。

レースレベルは上位人気の馬たちは普通。
それ以外は低レベル。
チェストウイングが東京コースでどこまで…。だろう。