ブルーベリーの栽培について
畑の準備
苗の植え付け前にブルーベリーの栽培に適した酸性の土壌の畑にしておきます。
苗の植え付け
ブルーベリーの根はヒゲ根で、浅根性のため、土が硬いと生育は極度に不良となり、乾燥に弱く、水分を特に好みます。さらに酸性土で生育が優れます。直植えの場合の植え穴は、深さ40〜50cm、巾は70〜100cm位の大きさが良いでしう。通気・排水がよい酸性土にするため、植え穴にピートモス・落ち葉・おがくずなどを十分量投入します。植え付け間隔は、2〜3メートルぐらいがよい。落葉後から年内、あるいは翌年の3月上旬までに植え付けます。植え付け後は、土壌の乾燥を防ぐため、ワラ・モミガラ・おがくずなどを10cmほどの厚さになるようにまきます。鉢植えの場合は、赤玉土・鹿沼土・ピートモスの3つを混合した酸性の強い用土に植え、西日を避けて通風のよい場所に置きます。
植え付け時期は、果樹全般に云える事ですが、活動が停止している晩秋か初春が最も良いです。晩秋に植え付けしたほうが春からの春からの生育は活発になりますが、寒冷地では植えたばかりの根が凍害にあう恐れがあるので、初春がお勧めです。この時期に園芸センター等の店頭にポット苗が並ぶことになります。必ず相性を考えて異なる2品種以上を購入してください。
土の管理
ブルーベリーの栽培の基本は酸性のピートモスを用いることです。
用土は赤玉土、鹿沼土、ピートモスの3つを混ぜて使用するとよいです。ブルーベリーは好酸性植物です。生育に最も好適な土のpHは、およそ4.3〜5.5の間です。ハイブッシュブルーベリーの方がラビットアイブルーベリーより、酸性を好みます。酸度未調整のピートモスを使うとよいです。ハイブッシュブルーベリーはピートモスと鹿沼土を8:2の割合で使用し、ラビットアイブルーベリーはピートモス、腐葉土、鹿沼土を5:3:2の割合で使います。ピートモスのみ10割という使い方もありますが管理がやや大変です。また、肥料に関しては、年間に2回ほど肥料を与えるとよいでしょう。3月の上旬の発芽前に年間の施肥量の3分の2を与えます。玉肥(油粕、骨粉)を土の表面に蒔きます。土に混ぜないで置くことにより、段々と効いてきます。次に6月の上旬に年間の施肥量の3分の1を与えます。硫酸アンモニアのような酸性肥料を追い肥として与えると、果実が甘くなるという説もあります。
水の管理
ブルーベリーの根は乾燥に弱く、水分を特に好みます。良好な生育のためには、庭植えの場合でも他の果実よりも、数多くかん水する必要があります。特に、梅雨明け後と冬から春先にかけての乾燥時にはたっぷりとかん水します。鉢植えの場合は、乾燥時には朝夕2回のかん水が必要です。
結実の管理
ブルーベリーには「雄株」、「雌株」の違いはありませんが、他品種の受粉によって、結実歩合が高まり、果実が大きくなり、さらに熟期が早まります。ですから、実のつきをよくして、大果を収穫するためには、2〜3品種を混植して品種相互間の受粉がなされるようにしてください。
よく実がなる組み合わせ
ラビットアイブルーベリーは1品種では結実しません。ラビットアイブルーベリーでは、ティフブルー、ホームベル、ウッタードの組み合わせがベストです。ハイブッシュブルーベリーは1品種でも結実しますが、異なる2品種以上を傍らに置いたほうが結果率が良く果実も大きくなるようです。
剪定
苗木植えてから3年位の間は剪定の必要はないでしょう。庭植え後は4〜5年すると、株元からシュートやサッカーが発生してきて、いわゆるブッシュ(やぶ状)になります。混み合っているシュートやサッカーは間引いて、主軸株4本くらいに仕立てます。3〜4年結実し続けて、細かくて弱い枝ばかり発生して、良い結果枝が少なくなったら、基部から間引いて若い枝に更新します。鉢植えの場合は、株仕立てか、盆栽風の単幹仕立てにします。株仕立ては、主枝2〜3本の樹形に育てます。
病気・害虫
他の果樹と比較して病害虫は少ないといえますが、それでもアブラムシ類、カメムシ類、ヒメコガネ等の害虫がみられます。ブルーベリー果実は、小鳥に大変好かれます。鳥害(ムクドリ、ヒヨドリ、スズメ等)は防鳥網で防げますが、家庭果樹の場合は、果実をついばむ小鳥の飛来を見るのもまた、楽しいのではないかと思います。
収穫
場所によって異なりますが、早生種の果実は6月上旬から、晩生種の果実は7月上旬から収穫できます。同じ樹でもまとまって成熟しないために収穫期が長く、4〜5日置きに3週間〜1ヶ月も収穫できます。成熟の判断は果実の外観から可能で、果色が緑色から青色に変わり、紫色にとなっていきます。完熟果は、香りや甘味が出て、指で触れるとポロリと落ちるので、未熟果と簡単に分けられます。