超外道料理プロジェクト No1
ギス |
相模湾で釣れる超外道、ギス。みんながみんな捨てる嫌われ者。臭い、調理しづらいと言われている。一応練り物では一級品。他に調理方はないのだろうか。 | |
ギス
種類:イワシ目ギス科
分布:北海道南部以南
釣り期:周年
地方名:イダ(高知)、オキギス(関東)、セギス(新潟)
釣り場:沖(深場)
調理方法:蒲鉾・ツミレ汁(他誌) | 形がキスに似ていて、しかも沖にいることから関東ではオキギスと呼ばれている。しかし、分類学上ではイワシに近縁の種類。大陸棚の底釣り外道としてよく釣れてくる。あまりうまそうではないが、高級な練り物の食材として使われる。(参考文献:西東社”釣り魚カラー図鑑1500円) |
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チャレンジ1 塩焼き
1:鱗を丹念に落とす。比較的取りやすいので簡単。
2:塩でもみ洗いし、ぬめりを取る。この魚の臭みは表面のヌメリ。よく取るのがミソ。
3:頭と内臓を取り、身を綺麗に洗う。(胃にはオキアミとイソメらしきものが入っていた。)
4:2枚おろしにして、塩焼きにする。
感想
身全体は非常に脂を含んでいる。焼くと脂が滴り落ちる。焼くには多少時間をかけた方が良い。
味は、本当に不思議な味。まずいわけではないのでチャレンジして頂きたい。
淡白だが脂がやはり気になる。問題の匂いは、焼いた後では特に気にならなかった。
塩焼きでもいいが色々と工夫が必要。
刺身は非常に淡白。臭みが若干あるが、それはさばきかた次第だと思う。
骨の配置が複雑で、3枚におろすのが少々面倒。ホッケに近い気がする。
結論:塩焼きは なんとかOK(半身で十分です)
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ギスの浮き袋もしくは、卵巣らしき金(銀)色の物体 |
これを焼けばいいのだが焼き加減が難しい |
チャレンジ2 干物
1:鱗を丹念に落とす。比較的取りやすいので簡単。
2:塩でもみ洗いし、ぬめりを取る。この魚の臭みは表面の滑り。丹念に取ること。
3:頭と内臓を取り、身を綺麗にあらう。(胃にはオキアミとイソメらしきものが入っていた。)
4:腹開きにする。(印象としてはホッケにそっくり)
5:塩水に漬ける。今回は水1リットル、塩90グラム。濃度9パーセント。
6:10分ほど漬けたら取り出して、外で干す。陰干し。身の透明度がなくなるくらい干したほうがよい気がする。
実験時条件:晴れ、風やや強い、少し湿気っぽい
7:やいてみた。匂いはとてもいい。
感想
結構いける。手間暇かければ大丈夫です。
気になるのは骨。小骨がとても多いのが特徴。塩焼きでも干物でも小骨との戦い。味はそこそこいいので小骨が気にならないならやってみても良いと思う。見た目はホッケだが、骨をなんとかしたいものだ。味はホッケとは違いとても淡白。自分色の味に染められるいい食材である。
結論:干物は OK
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腹開き |

9%の食塩水に10分漬けてみた |
日陰で身側を2時間
腹側を2時間
さらに両方を1時間づつ |

ほとんど日陰だったのであまり変色しない |
とてもうまそうに見える |
チャレンジ3 ツミレ汁
1:3枚おろしくらいまで普通に処理する。
2:身をスプーンや指で搾り取る。
皮を入れないほうが良いと思う。
3:ミキサーで、身と小骨を砕きよく混ぜる
4:身が少ない場合は小麦を手で混ぜて練り込む。臭みを取るためしょうがも入れる
5:ツミレ汁にして食べる
感想
うまいっす。これは大当たり。さすが蒲鉾の材料だけあってばっちり。1匹のギスからあまりいっぱい身が取れないのが難点。大き目の3匹は必要かと。家族の場合ですが。
硬い骨は砕けないので避けること。
結論:ばっちり OK 製作協力by 母親
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ココまでできたら何にでも使える。おでんに入れても良し。蒲鉾にしても良し。 |
汁の味付けは薄い塩味にしてみました。醤油も少々。だしは昆布。ツミレの味を生かす為、汁は薄めが良いです。 |
最終結論:
味はいたって淡白。骨が多いので刺身には向かない。ハモのように骨切りしてもいいのだろうがそこまでしなくても良いと思う。脂の量は穴子くらいに匹敵。蒲焼もいいのではないだろうか。調理次第で、うまくもまずくもなる魚なので少々慎重になってしまう。だけど捨てる魚ではないと思いました。こうやって食べれるなら命を粗末にしなくてすみます。 |
刺身×
塩焼き△
干物○
ツミレ汁◎
蒲鉾◎
他に合いそうな調理方法は、蒲焼・燻製・タレ焼き・ミリン干しなどなど。 |
味や匂いについては個人差がありますので100%上記を信用しないでください。僕は美味いと思いました。 |