パーキンソン病関連

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2012年8月31日  パーキンソン病の発症抑制の仕組みを解明

神経難病であるパーキンソン病の発症抑制の仕組みが解明された。
原因となる細胞内の「ミトコンドリア」の異常を早期に発見することが可能となり、早期発見、治療に光がさした。
若年性パーキンソン病は2つの遺伝子が働かないことでミトコンドリアに異常が蓄積し、運動障害が起こる。この2つの遺伝子のうち「ピンク1」の働きを調べたところ、正常なピンク1はミトコンドリアに異常が起こるとリン酸と結び付いて異常ミトコンドリアが分解される。しかし若年性パーキンソン病患者のピンク1はリン酸と結び付かず機能しなかった。
異常ミトコンドリアの増加や分解が進まないときに、リン酸と結び付いたピンク1を検出する方法が開発されれば早期発見につながると考えられている。


2012年4月3日 太極拳にパーキンソン病患者の姿勢維持に効果あり。(2月6日朝日新聞)

太極拳の動きがパーキンソン病患者の姿勢維持に効果があることがわかった。太極拳で多用される重心の移動なとが、平衡感覚の向上に寄与するのではないかと思われる。
 症状が軽度から中程度のパーキンソン病患者を太極拳、ストレッチ、筋力トレーニングのグループに分けて半年間、週二回、1時間ずつ運動してもらい、姿勢維持効果を調べた。特に太極拳のグループではストレッチや筋力トレーニングのグループよりも身体を正確に傾けることができ、範囲も広がるという結果がでた。バランス感覚や歩幅についてもストレッチや筋力トレーニングよりも向上が見られ、転倒しにくいという結果も得た。運動の効果も終了後から3ヵ月以上継続した。太極拳はゆったりと身体の重心を移動させるため、足の筋力を増強しやすく、このことがストレッチや筋力トレーニングよりも姿勢維持に効果があるのではないかと思われる。


2011年2月8日 パーキンソン病患者の療養期間や仕事への影響

パーキンソン病患者の療養期間や仕事への影響などについて、アンケート調査を実施したところ発症年齢が60歳未満だった患者は平均13年の療養期間を強いられていることが分かった。
調査は60歳未満で発症した男女若年患者を対象に実施され、137人が回答。最も長かった人は52年で、平均した場合でも12.9年と長期間にわたり生活全般に影響を与えていることがわかった。
病気に気づいた年齢は平均37歳で30歳代が33%、40歳代が34%を占めた。病気の影響として就職やキャリア・アップを諦めざる得なかった人が多い。
調査では51%が集中力の欠如を感じ、45%が自信を喪失したと回答していることから、心理面への影響が大きいことがわかった。このことから長期にわたる療養において、周囲のサポートが不可欠であることがわかる。


2010年 8月20日 若年性パーキンソン病の原因究明

20〜30歳代で発症する若年性パーキンソン病の発症メカニズムを東京都臨床医学研究所が究明した。発症には2つの遺伝子「Parkin」と「PINK1」がかかわっていることがわかっていたが、今回解明することに成功した。この2遺伝子が正常に働いている時は異常のあるミトコンドリアを分解していたが、若年性パーキンソン病ではこの2遺伝子が働かず異常のあるミトコンドリアが分解されず細胞内に蓄積されていくことが判明した。細胞内に蓄積された異常なミトコンドリアがエネルギー生産を妨げ、また発生した活性酸素が神経細胞にダメージを与えることにより発症するのではないかと思われる。