花粉症

内科疾患     

1.花粉症とは
花粉をアレルゲンとしたアレルギー性疾患です。主に鼻粘膜と結膜が反応の場となります。日本ではスギ花粉によるものが圧倒的に多く、他にヒノキ、イネ、ブタクサによるものもある。花粉症は増加傾向にあり、若年成人においての抗体を持つ割合は30〜40%といわれている。その約半数が発症する。

アレルゲンとなる花粉は50種類、多くの場合鼻粘膜や結膜に付着するおのおのに対する特異的IgE抗体が産出され、肥満細胞と結合したIgE抗体が花粉アレルゲンと接触すると肥満細胞が活性化し、ヒスタミンなどが放出される。これらのことが鼻粘膜や結膜で行われることが多くアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎が起こる。これらは同時に発症することも多く、花粉の粒子が小さいと気管支喘息が合併することがある。最も問題となるのがスギ花粉であり、頻度も高い。

2.症状  @鼻の症状・・・くしゃみ、水性鼻漏、鼻閉
A目の症状・・・目の痒み、充血、流涙、浮腫
B耳の症状・・・耳の痒み、耳閉塞、
Cのどの症状・・・いがらぽい、咳
D全身症状・・・頭重感、イライラ感、不眠、熱感、集中力の低下

3.身体診察
鼻と目の症状が特徴的である。鼻が浮腫状となり、目の充血、流涙、鼻声が見られる。全身的には特に所見は認められない。

4.検査所見 @好酸球・・・鼻汁や涙の好酸球が増加、抹消血でもしばしば増加する。
A皮膚反応・・・皮膚反応用アレルゲンを用いて、スクラッチあるいはプリックテストをおこなう。
B血清学的所見・・・非特異的な総IgE(RIST)もしばしば上昇する。
C誘発試験・・・市販の抗原(スギ、ブタクサなど)ディスクを用いて鼻粘膜過敏性テストをする。

5.診断・鑑別診断
通年性のアレルギー性鼻炎や薬物アレルギーの一部など、他のアレルギー性疾患との鑑別をする。

Wegener肉芽腫や再発性多発軟骨炎などの全身炎症疾患との鑑別も重要である。

6.治療の基本方針
@花粉情報を活用して、花粉をできるだけ回避する。
A抗アレルギー剤を予想の2〜4週前から季節を通して投与する。効果が不充分の場合、ステロイド剤の局所投与をおこなう。
B減感作療法=一定の効果はあるのもも、長期間にわたるという短所がある。

7.鍼灸治療 抗アレルギー剤の服用が大前提となります。
時に薬物療法や手術療法にまさる効果をあげることがあるが、今後の研究が必要が待たれる。

花粉症に対する鍼灸治療は対症療法が主となるが、予防効果も充分期待することができる。

治療の条件としては症状のでる前、2〜4週間前から始めることである。後は出現してくる症状に合わせて治療をおこなっていくこととなります。

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