肩こりとは・・・自覚的に頚部から肩、肩甲骨の下あたりまでに不快感、自発痛、軽い運動痛があり、触ってみると異常に緊張しているのがわかり、特定の部位に押すと痛いか凝りを感じるものをいう。患者はすくむように頚と上肢を前に寄せ、肩の部分に手をあてる姿勢をとる。また不快感を取ろうとして肩をたたき、頚を後ろに倒し、肩甲骨を廻す動作をする。これらは体調の悪いときや疲労しているときに現れ、温まると軽減する。患者は痛むところを的確に示すことができない。急性期は肩付近の症状が多いが、長期のものは肩甲骨の間に症状を感じることが多い。治療後に軽減するが、再発しやすく、数ヶ月あるいは生涯を通じて慢性的に発症していることが多い。緊張性頭痛の頻度が高く、慢性的になると、様々な自律神経症状が現れる。
腰痛とは・・・ここではいわゆる腰痛症のことを意味します。腰に起因する腰痛であるが神経症状や重篤な基礎疾患がないものをいう。厳密にどの解剖学的部位から腰痛が起こっているかは、決定は困難である。現在はおおまかに筋・筋膜からくるもの、椎間関節、椎間板、仙腸関節からくるものが考えられている。ただ腰痛には器質的疾患や内臓疾患、心の病気が隠れていることがあり安易に判断すべきではありません。理学的検査、X線検査、CTスキャン、MRIなどをしっかりやって異常がないことを確認すべきです。
肩こり・・・原因として@姿勢によるもの A精神的緊張 B手、腕の疲労によるもの、C目の疲労によるもの、D冷えなど温度に関するもの、Eストレスなどがあるといわれています。その他に 多岐にわたる内科的疾患、産婦人科疾患、耳鼻科疾患、眼科疾患、歯科疾患などの症候としても現れます。心療内科的疾患の重要な症候として身体に現れるので、全身的症候ともいえます。
腰痛・・・筋・筋膜性腰痛は筋膜を貫通している神経の絞扼障害、疲労、筋断裂、筋内圧が原因として挙げられている。椎間関節性腰痛は椎間関節の変形、異常可動
外傷などにより神経が刺激されて腰痛が起こるといわれています。椎間板性腰痛は椎間板の変性が腰痛を引き起こし、椎間板変性が炎症や痛みを誘発する物質を産出することから痛みがでる。仙腸関節性腰痛は骨盤周囲の筋の協調運動が上手くいかず、関節の微妙なずれによって機能障害が起こることにより痛みが起こる。近年はストレスが大きなリスクファクタ−として注目されています。
肩こり・・・頚から肩、肩甲骨の周辺、肩甲骨の間に感じる筋肉の凝ったような違 和感、頚や肩・肩甲骨を動かしても症状が悪化をみることはない。
腰痛・・・筋・筋膜性腰痛は関節可動域の低下、筋肉内に圧痛点がある。痛みは動作性である。椎間関節性腰痛は腰部、腰仙部の左右いずれかに痛みかある。臀部、大腿部に痛みが現れる。椎間板性腰痛は圧痛点がはっきりせず、腰の深い場所に重怠い様な痛みが両側にでる。腰殿部、大腿部外側、そ径部に痛みが出ることもある。動作開始痛がある。仙腸関節性腰痛は仙骨外側部に鋭く強い痛みか鈍い痛みがある。症状のある方を下にした側臥位で痛みを誘発することが多い。痛みが大腿外側、下腿から足指にかけての痛み、大腿後面のつっぱり感、そ径部の痛み、坐骨結節部の痛み。
痛みの範囲は連続しない。
二つの疾患の治療としては、湿布剤、鎮痛剤、筋弛緩剤などが処方されることが多い。
肩こりにおける保存療法として速効を示すのは、麻酔薬とステロイド混和液の局所注射である。その後理学療法をおこなう。姿勢矯正のための自動運動、弱い筋群の強化、抵抗運動による筋の増強などの運動療法、罨法・温熱療法・電気療法・温水療法
マッサ−ジなどがある。
腰痛においては治療の基本は日常生活指導である。適切せ指導が行われないと、、なかなか治らず慢性化する。また一度出現すると一時的に改善しても再発することが多い、予防・再発防止には注意が必要で、日常生活動作への指導が必要となってくる。
肩こりにおいて、頚や肩のはりが強く、なにをやっても症状がかるくならない。指などが痺れる。細かい作業ができなくなるなどの症状があったらたんなる肩こりではなく、五十肩、頸椎ヘルニア、胸郭出口症候群、腫瘍、内臓疾患などの可能性があります。
腰痛においては、腰部・臀部・下肢の疼痛、下肢の痺れ感、脱力などのほか、知覚障害
触覚、痛覚障害、温覚障害などが有る場合は腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、糖尿病、閉塞性動脈硬化症、腫瘍、内臓疾患などの可能性があります。
鍼灸治療
治療については、呉竹学園東京医療専門学校鍼灸科附属四谷施術所と、同校東洋医学研究所の御指導とアドバイスと東京大学医学部附属病院リハビリテ−ション部鍼灸部門、明治国際医療大学、埼玉医科大学病院東洋医学科で行われている治療を参考させていただき組み立てています。
肩こりについては鍼灸が特に適する対象であり、一般的には一回一回の治療で軽減してくる。なかには効果が出にくい例もあるが、1、2週間、連続して治療すれば、効果をみる。職業あるいは筋の性質によっては、一時軽快しても再発する場合もあり、そのようなときは一定間隔での継続的治療をおこなう。共通の治療は後頸部から肩背部におよぶ締め付けるよな痛み、ときにはうずくような痛みは筋肉の血流をよくして、筋緊張を改善することができる。加える治療として頚・肩・背部の筋の運動により分類した治療をする。しかし、治療対象の筋以外に関連している筋肉を留意しなければならない。
腰痛については鍼灸が効果をあげることが多い、共通の治療としては体力が充実した方と体力が虚弱な方と使用する鍼、手技も違ってくる。灸についても同様です。類別治療は上位腰椎(第一腰椎から第四腰椎)、下位腰椎(第四腰椎から五腰椎)、腰部全体に痛みを訴えるものに分けて治療をおこないます。類別治療は第一段階と第一段階で対処できない場合用いる第二段階があります。第一段階は筋肉への刺激が主ですが、第二段階は神経は神経への刺激が主となります。
この他に状況によっては、肩こり・腰痛の治療法として、関西鍼灸短期大学、明治国際医療大学でおこなわれているトリガ−ポイント鍼治療を用います。
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