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関節リウマチ
どのような病気なのか
の破壊を特徴とする慢性多関節炎で。多くの場合臓器病変も引き起こす。
原因は不明で、自己免疫機序が関係しているといわれている。
1.病理 ・関節滑膜組織の炎症と増殖が特徴である。
・マクロファ−ジ、リンパ球、形質細胞の浸潤が著しい。
・滑膜下基質結合組織は腫瘍のように、増殖性、侵襲性か高く、肉芽組織(パンヌス)となって軟骨や骨を破壊する。
・炎症が強いときは滲出液が増えて、関節腫脹の原因となる。

・骨・軟骨の破壊は関節の破壊につながる。
2.免疫学的事象 ・滑膜組織における活性化Tリンパ球によって刺激をうけた最も多いマクロファ−ジによって腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インタ−ロキシン1(IL-1)、インタ−ロキシン6(IL-6)などのサイトカインが産出され炎症に強く関係している。浸潤形質細胞からはリウマチ因子(RF)が産出する。
・関節滑液中に最も多く遊走してきた好中球は蛋白分解酵素や活性酸素を放出するため、骨、軟骨の破壊に働く。
どのような症状なのか
(1)関節症状は多関節(3関節以上)対称性関節炎を特徴とする。
(発病初期は必ずしもこの限りではない。)
・手関節、中手指節関節、近位指節関節などの手の関節が最も侵されやく、初発部位としては最も多い(50%)。遠位指節間関節が侵されることはほとんど無い。。
・罹患関節の疼痛、腫脹、熱感、可動域制限を訴える。炎症があれば関節が赤く腫れ上がる。
・朝のこわばり、安静時のこわばりは必ず症状として現れる。。
・進行すると骨破壊が起こり、次第に変形してくる。手指のスワンネック変形(RA特有の変形)、ボタンホ−ル変形など。最終的に、骨性強直を起こしたり、支持性を失って関節としての機能を失う場合がある。
(2)関節外症状 @発熱〜37℃台の発熱はよく確認される。。
A皮下結節〜肘頭、後頭部、臀部など機械的圧迫が加わるところに数mm〜数cmに及ぶ皮下の小結節で、固くて圧痛を伴うことがある。RAの20%に確認される。
B心、血管系〜心外膜炎、心筋炎のほか血管炎の結果として心筋梗塞をおこすことがある。
C肺〜肺繊維症が最も多く、ついで胸膜炎が多い。
D皮膚〜出血、潰瘍、壊疽が見られる。
E骨〜骨粗鬆症が確認される。
F眼〜乾燥性角結膜炎が見られる。
G神経〜知覚異常、運動障害、(多発性神経炎)。頸椎の環軸関節亜脱臼による目眩、
耳鳴り、手の痺れ、手根管症候群(指の痺れ、痛み、拇指球筋の運動障害、萎縮)が確認される。。
H筋肉〜廃用性萎縮、筋力の低下が見られる。
I消化器〜RA固有の胃病変はまれで、非ステロイド抗炎症剤による胃潰瘍、腸管膜動脈の血管炎による腸管穿孔が見られる。。
身体にみられる異常
(1)関節には、罹患関節の圧痛、腫脹、熱感、発赤、変形、可動域制限が見られ、関節周囲の筋萎縮、筋力低下をしばしば伴う。
(2)その他の異常 ・10〜20%に皮下のリウマチ結節を認める。
・廃線維症を伴うときは、肺底部を中心に吸気時に(ベルクロ)ラ音が聴取される。
どのような検査をするのか
@末梢血液検査・・・白血球数(WBC)は正常かやや増加、軽度〜中等度の正〜低色素性貧血を呈するが、鉄剤には反応しない。
A血液生化学、血清学的検査・・・血清アリカリホスファタ−ゼ(ALP)はしばしば上昇
蛋白はグロブリン分画が増加し、CRP・赤沈値は活動性に応じて増加する。
血清中のRFはlgGと反応する自己抗体で、陽性率は70〜80%、初期ではこれよりやや低く、その値はRAの病勢に並行する。特異性は低く、他の膠原病や肝硬変などではしばしば陽性になる。マトリックスメタロプロテア(MP-3)は感度、特異度ともにあまり高くないが骨破壊の進行を反映する。抗シルトルリン化ペプチド(CCP抗体)はRAにおける特異度が高く、早期から陽性化しやすい。関節液中、一部は血清中にも炎症性サイトカインであるIL-1、IL-6、TNF-αなどの上昇を認める。
B関節液検査・・・黄色半透明、粘度が低く、VVBCは5.000〜5.0000/ulで好中球主体である。変形関節症や化膿性関節炎との鑑別に役立つ。
CX線検査・・・初期〜関節裂隙の狭小化、骨萎縮。進行とともに骨破壊、亜脱臼、変形
そして骨性強直に至る。
診断の仕方
@米国リウマチ学会(ARA)・・・RAの診断は臨床症状と検査所見を組み合わせておこなっている。これにより90%の患者を90%間違いなしに診断できる。
1. 1時間以上続くこわばり。2. 3ヶ所以上の関節の腫脹(6週間以上持続)。3. 手関節か手指関節いずれかの腫脹(6週間以上持続)。4. 対称性の関節腫脹(6週間持続)。5. 皮下結節(リウマイド結節)。6. リウマチ因子陽性。7 RAに特徴的な手、指関節X-RAY像
以上7項目中4項目以上満たすとリウマチと診断。早期リウマチ診断には感度が悪い。

A日本リウマチ学会の診断基準・・・1. 3関節以上の圧痛、または他動運動痛。2. 2関節以上の腫脹(1週間以上持続)。3. 朝のこわばり(15分以上で一週間以上持続)。4. リウマチ結節。5. 赤沈値20mm以上の高値、CRP陽性。6. リウマチ因子陽性。
以上6項目中3項目以上を満たすとリウマチと判断(感度70%、特異度80%)。
急性白血病や感染症との鑑別が困難との指摘もある。

BRAの特徴的な症状(他の疾患との鑑別)
・関節の疼痛、滑液の炎症による所見〜自発痛と運動痛、憎悪と寛解を繰り返す。
・関節の腫脹、熱感〜紡錘状の腫脹と骨、肉芽線維による腫脹
・朝のこわばり〜こわばりはRAの活動性に相関している。
どのように治療するのか
.@薬物療法(痛みの軽減から関節破壊の抑制へ)
早期の治療によりRAは寛解(治癒に近い状態にする)。「RAは治らない病気」という考え方は古い考え方で、これは抗リウマチ剤の多剤服用による効果が大である。
表面上の症状→非ステロイド性消炎鎮痛剤→効果は速効性だが根治療法には結び付   ↓                        かない。
   → → →少量のステロイド剤→効果は速効性で、免疫異常を整えるが根治療法   ↑                  には結びつかない。
原因不明の免疫異常や滑膜細胞の→抗リウマチ剤→効果は遅いが治癒に近い状態に
増殖                              持ち込むことがある。
診断後早い時期から抗リウマチ剤を使用する。メトトレキサ−ト(MTX)の評価が高く、
必要に応じて非ステロイド性抗炎症薬、少量のステロイド剤、免疫抑制剤を使用する。
近年生物製剤の抗サイトカイン薬であるインフリキシマブやエタネルセプトが保険適用となっており、治りにくい症例を中止に画期的な治療成績を上げている。
A理学療法  適宜運動療法、温熱療法
B手術療法  炎症巣を取り除く、関節機能を回復する。支持性を高めるなどの目的で
         行われている。
鍼灸治療 ※医師の治療との並行が基本方針です。
治療法については呉竹学園東京医療専門学校鍼灸科附属施術所、同校東洋医学研究所の御指導とアドバイスと東京大学医学部附属病院リハビリテ−ション部鍼灸部門でおこなわれている治療を組み合わせて組み立てています。

鍼灸治療による全身治療の目的は・体力をつけること、・薬剤副作用によると考えられる消化器症状の鎮静化、・骨粗鬆症による腰背部痛の軽減、・全身の血流を良くすることにより自覚する冷えの解消、エビデンスは確認されていないが副腎皮質系ホルモンの分泌を高めたり、内分泌系の調整に有効と思われることから全身状態の改善である。局所治療の目的は
初期から早期にかけては関節の鎮痛と拘縮の予防を目的とし、関節部のこわばりのある部への温熱療法と関節の屈伸筋へのアプロ−チを行い、関節を動かしやすくすること、進行期から晩期にかけては四肢の変形、拘縮、筋力低下とそれにともなう機能障害を防ぎ、日常生活の改善を図ることでQOLの向上を目指す。

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