肋間神経痛


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1,現代医学編

病名ではなく肋間神経の走行に沿って痛みがある症状のことをいいます。原因が明らかでない特発性と、原因の明らかな症候性がある。多くは症候性の肋間神経痛である。

1.原因
@変形性脊椎症 A脊椎圧迫骨折 B脊椎腫瘍 C肋骨骨折 D肋骨腫瘍(癌転位) E帯状疱疹 F突発性などがある。@からEが症候性、Fが特発性である。
 突発性肋間神経痛は、明らかな原因がなく肋間神経領域に痛みを呈する特発性神経痛である。多くは左側の第5から第9肋間に疼痛が発症する。呼吸や会話などに胸郭運動によって悪化する。痛みが肋間神経の走行上に現れ、肋間神経走行上に圧痛点を認めることが多い。痛み以外の神経学的所見を認めないなど特徴的所見が多い。

2,症状
原因により異なるが、肋間神経痛としては刺すような激しい痛みを特徴として呼吸、体動などで誘発され咳、くしゃみによって悪化する。また圧痛点(胸骨点、背外点、腋窩点)がみられる。

3,診察
症候性か特発性かを鑑別する。問診では痛みの部位、痛みの性質、痛みの程度、痛みは突発性か持続性化なとどともに原因疾患についても聴いておく。肋間神経痛は原因によって症状は異なる。痛みの部位が限局しており、体動や呼吸により変化し、特有な圧痛点が認められる。注意しなければいけないのは持続性の痛みでその程度や範囲が経過とともに悪化するような時は医師に紹介すべきである。胸腔拘扼感、左胸部から上肢にかけての放散痛を訴えるときは狭心症、心筋梗塞を疑い直ちに医師の手に委ねるべきである。

4.診断
症候性の肋間神経痛か特発性の肋間神経痛かを診る。
・症候性肋間神経痛
肋間神経痛の他に原因疾患特有の症状がある。
・特発性肋間神経痛
肋間神経痛以外の症状はみられず、原因も不明である。

5.治療
症候性肋間神経痛は原因疾患の治療が基本となる。

肋間神経痛に対しては保存療法(消炎鎮痛薬、神経ブロックなど)がおこなわれる。