みなさんは、杉並区の大田黒公園にあるピアノをご存知ですか? このピアノは、日本を代表する音楽評論家大田黒元雄氏の遺品であり、歴史的にも価値のあるものです。 大田黒公園は大田黒元雄の屋敷跡であり、公園の一角にたたずむレンガ色の洋館「記念館」は氏の仕事部屋だった。氏が住まっていた古い洋館の窓際に置かれていたピアノは、19世紀末に製造されたスタインウェイ。 大田黒元雄(1893〜1979)は ロンドン大学に学び、 1914(大正4)「バッハよりシェーンベルヒ」、 1962「歌劇大辞典」等発表、 日本に初めてドビュッシーやストラヴィンスキーらを紹介した音楽評論家である。 NHKのラジオ番組「話の泉」のレギュラー解答者にも起用され茶の間の人気を集めた。 ピアノは大田黒氏没後、記念館の展示品となっていましたが、2OOO年ピアノは1OO年の時をへて甦り、毎年11月に開催する,景観まちづくりイベントのコンサートで、多くのみなさまの感動を呼んできました。最近、老朽化が進み、このままでは、近い将来演奏できなくなり、楽器としての役割を終えてしまいます。そこで、このピアノの製造当時の「姿と音色」を蘇らせ、後世へ聞き継ぎ、そして、広くみなさまにこのピアノの素晴らしさをお知らせするために、「大田黒公園のピアノを守る会」[青柳いづみこ(p)池田早苗(vo)奈切敏郎(vc)ほか]が、発足しました。 大田黒公園のスタインウェイ社製のピアノは、1900年製で当時のサロンでのコンサートに最も適した豊かで深い低昔、柔らかな旋律を秦でる中高音を持つピアノとしてつくられています。青柳いづみこ(p)さんもその音色を絶賛しております。 |