illust - backdoor

下手ですがそういう絵です。期待はずれかもしれないとい うお覚悟を…。





























すみません、これでも精一杯平新です。こ、これは裏?裏に分類すべきですか??ところでカーテンを開けたのは…




















 桜と聞いて、ほとんどの日本人が思いたつのは、公園 や学校・寺などに植わっている、5枚の淡いピンク色をした 花弁を咲かせる、ソメイヨシノという種類だろう。

 江戸時代後期、野生に生えていたある2種類の桜の木 をかけあわせてできた、雑種ともいえるその木が、後世に 桜の代表格になるソメイヨシノだった。

 早春のとある瞬間を境に、淡い薄紅の色がその枝という 枝に湧きあがる。これを見たひとは皆、その艶然とした華 姿を褒め、後世にのこそうとした。

 しかし、それは叶わぬ夢だった。ソメイヨシノは、ほかの 2種の桜の子、つまり雑種として生まれている。そのソメイ ヨシノどうしをかけあわせれば、純粋なソメイヨシノが誕生 するはずだ。だが、自然はこれを許さなかった。種子が結 実しないのだ。だからソメイヨシノは、その誕生をもって種 が終わる。一代かぎりの種なのだ。

 ちなみにいま各地に存在するソメイヨシノは、最初の木 を手折って接木とし、クローンをつくり続けることで広まっ たものだ。今を生きるソメイヨシノはみな、江戸時代の同じ 固体が生き続けている、ということである。種としての寿 命が定められているとすれば、いつかソメイヨシノは、いっ せいにその姿を消す日が来るのだという。







「ソメイヨシノって、どんなふうに生きるか知ってるか?」
 月明かりのこもるような気だるい夜、新一がふと、同じ 夜具のなかの平次に問うた。
 ああ、そういえば今朝、ニュース番組のどこかで、桜の ことをとりあげていて、新一はそれを見ていたようだった。 自分は料理を用意しながらであるが、遠くからちらり聞い てはいた。そのことか、と平次は思ったものの、すこし考 えて、知らん、と答えた。

「…オレたち、みたいなんだぜ。」
 ぽつりと、新一は言った。その眉間に陰が差している。 自分たちは男どうしでありながら愛しあっている。自然の 摂理をはずれる、それゆえの平次の両親への不実を、新 一は思っているのだ。

 互いに心をかよわすようになってからこれまで、こうして 愛し合うときに、新一はいつも口にはださないがどこかに ためらいをみせていた。自分が平次を巻き込んで、平次 の普通の男女の幸せをうばってしまった、と。平次はそん な新一に、何度となくつたえようと思った。そんなことはな いと。自分たちの関係をなやむことはいっさい無いのだ と。

 たしかに、この関係が自然をはずれている、というの は、衆目からすれば真実であるのだろう。真実を見つめつ づけることに誰より長けたものが新一という男である。そ の真実からみちびかれる結果に新一は、平次をおもいや りながら、否応無く自分を責めるのだ。真実を追いもとめ る新一の心のありようが平次には手にとるようにわかる。 だからこれまで平次は新一に向かって、思い悩むな、とい うことを軽々しく口にすることができなかった。
 でも、もう、終わらせてやりたい。先ほどのようにふと言 葉に出てしまう程さいなむ新一の心を、昇華させられるの は自分だけだ。これからともに前にすすむには、まずきち んと前を見すえなければならないのだ。


「ええやんか。俺はめっちゃうれしいで。」
 突然ふってきた声に、新一はすこし顔をあげた。
 蒼璧の目をまっすぐにみて、平次はことばをつづける。

 ソメイヨシノは、その艶姿ひとつだけでこの世の人間の 心をうばい、この一代かぎり自分だけが人間に愛されるよ う仕組んだ。自分に向けられる人間の寵愛を、子孫などに わたすものか。

「ソメイヨシノって、じつはそう思っとるんちゃうか?」

 なら、自分も同じだ。服部平次だけが、このホームズの 再来たる工藤新一を愛せるのだ。自分一代かぎり、ほか の誰にも新一を愛させることはしない。そして新一も、この 一代かぎり自分のみを愛してほしい。新一をほかのヤツ になどわたすものか。

 平次がそう言ったあと、くすりと新一が笑った。
「…オソロシイやつだな、服部は。」
 まっすぐにこちらを見つめる新一の顔に、先ほどまでの 陰りはもうない。

「そりゃ、よかった。」
「別にオレ、褒めてねーんだけど?」
「手厳しいこっちゃ。」
「ああ、そうそうオレは手より足のほうが自信あるぜ?た めすか?」
「か、かんにんや…。」

 夜はもう、明けるほうにかたむきつつある。ほどなく声は 止み、月明かりもいつのまにか霧散していた。


 …ありがとな。
 空気をわずかに揺らす小声が、別の寝息にとけていっ た。

06'04.09.











ああ〜もうこのページすべて恥さらし;文才と画才の無さに脱力…。
この時期、新ちゃんと平次ペアがいたるところで見られてうれしいの にぃ〜(泣)
もっと精進しなくては…。

平新。そういう内容です。けれど、期待を裏切る可能性がかなり;
2006年04月09日

illusts top /古いの /-
He/Si目次