事務員の愛社精神による落合運送よもやま話。

 ::::::::::::::::::::落合運送日記~事務員のひとりごと:::::::::::::::::::::::::

2016年1月9日(土)
 ***「事務員、気づけばオバちゃん」の巻***
  気づけば私も勤続15年。実に誇らしいことではあるが、女としてはいつの間にやら気づかぬうちに「若い娘さん」から「オバちゃん」に変貌を遂げている。しかし、オバちゃんにこそなれど、その分知識も経験も増え、仕事もベテランの域に達し・・・たかどうかは定かではないが、とにかく年齢を重ねると言うのは喜ばしい事だ、と自負している私である。

 ・・・とは言うものの、入社したては、仕事が出来なくてもちやほやしてもらえる素敵な年齢だったのが、今ではちやほやどころか「その年齢なら出来て当たり前」な事が増え、その「当たり前」が出来ずにあたふたする、という日々を送っているのも悲しい事実だ。
 どうせちやほやされないなら、と身なりを気にしなくなっていき、服装は着古しのトレーナー、化粧代をケチってすっぴんの日々、白髪染めも面倒くさくてそのまま、体重も増加の一方・・・人はこうしてオバちゃんとなっていくのだろう、と感じずにはいられない。

 そんな中、問題は周囲への対応だ。今までは「何もわからない小娘」として、全てを「テヘ♡」で済ませていたが、今それをやればただの気持ち悪い人となる。大人の女性になったのだから、「テヘ♡」から「ウフ♡」に変えれば良さそうなものだが、前述通り、ウフを使いこなせる様な女にはなっていない。
 ならここはひとつ、大人らしく知識の一つでもひけらかそうか、とも思うが、イマイチ知識不足な為、私に出来る事はせいぜい知ったかぶるくらいである。しかし、知ったかぶりも多用するとボロが出るので、小出し程度にしか使えない手法で限界がある。
 
 もう少し年を取れば、落合運送の生き字引的存在となり、近所のタバコ屋のオバちゃんかの様に、ある意味ちやほやされる女になれるであろう。その時までは、知ったかぶりと「ウフ♡」を活用し、おばちゃんとしての生き残りを図って行こうと思う今日この頃だ。         
    

 2008年6月20日(金)
***[事務員、ナビに抵抗」の巻***
 10年ひと昔とはよく言ったもので、ちょっと前までは「一部の特別な人だけの物」が気付くとごく一般的な物になっている事が多い様に思う。携帯電話などは良い例で、一昔前の携帯電話は私の中で「芸能人やエリートが持つ特殊なアイテム」という認識だった。私の若い頃は「ポケットベル時代」で、手紙でも電話でもなくやり取りできるその画期的な機能に「すごい世の中になったものだ」と当時はとても驚愕し、友人と「電話で会話したほうが早いんじゃない?」と気付くまで延々と文字のやりとりをしていたものだ。
 そんな中、携帯電話がリーズナブルになり始め、いいとこの娘さんなどが同じくいいとこのぼっちゃんと楽しく電話をしている様を羨望のまなさじで見ながら、ほとんどの中流家庭組は公衆電話に群がり「1112324493#」などとポケベル相手にプッシュホンを押しまくっていた。それが気づくと公衆電話を取り合っていた自分も携帯電話を持ち始め、気づくとi-modeというこれまた画期的な機能が出始め、これまた気付くとiアプリだのGPS機能だの・・・といった様に、とかく時代の流れはすさまじいなあと感じる今日この頃ではあるが、その一つとして、ナビの普及というものもあったりする。
 私が落合運送に入社した頃は、ナビなんて物が存在していたかどうかも知らないし、していたとしても庶民には全く親しみのない物であった事は確かだ。そんなノンナビ時代、運送会社に入ったくせに主要幹線道路など全く知らなかった私は、「環七?ああ、聞いた事あるかも。環八?七じゃなくて?へえ、八もあるんだ。青梅街道?ああ、青梅に行く時の道でしょ、茶畑のとこの。違う?だってあれ走ったらすぐ青梅じゃん・・・・」といった具合で、よく運送会社に来ようと思ったね、ぐらいのド素人だった。
 なので配達、となったらまず地図を開き、えっと、会社を出たらこの信号を右折して、その3個目の信号を左折して、それから・・・あれ、最初は左折だっけ?と万事がそういった調子だったので、一歩間違えて自分がどこにいるのかわからない状態になることがままあった。その間違いが都心となるともう一方通行の嵐で、どこにいるのかわからないまま青い矢印どおりに回され文字通りの迷宮入りを味わっていたものだ。
 それでも年月を経て、配達時間も距離も何とか読めるようになり、大体は頭の中でルートを組み立てられるまでには成長した。経験万歳、長かったね、よく頑張ったね私・・・と感傷にふけるのもつかの間、これまた気付くと「ナビ」なるものが台頭してきたのである。
 新人ドライバーさんはほぼ持参してくる、リーズナブルになったポータブルナビ。こちらから道を教えずとも、情報さえあればナビさんが道を表示してくれ、迷うことなく現地まで行けてしまう。私が長年かけて培った経験をどうしてくれるんだ、と言いたくなる代物である。
 ただ、「住所を見て、地図で探して、ルートを決めて、そのポイントまで行く」というのが林間学校のオリエーテーリングの様で楽しいな、と思って運送会社に来た私としては「はい、そこ曲がって~。違うって!こっちだってばもう!」などと常に指示するナビというものが正直好きではない。それじゃオリエーテーリングの班で仕切り屋の子と一緒になってしまい「そこ右だから!」と有無を言わせず指示されるのと何ら変わりがないではないか。そんなんでポイントに着いても全くもって面白くない。「先生!班を変えて下さい!」と直訴したいぐらいなもんだ。
 それでも周りでナビ派がどんどん増えていく。終いにはお客からも「ナビある?ナビがあれば安心なんだけど」と言われる世の中だ。「いや、住所さえ分かれば地図で行けますから」と言ったところで「お前の知識よりナビの知識だよ」とでも言われるんじゃと余計な心配をし「はい、もちろんあります!(携帯電話のだけど)」と変な見栄をはったりしてしまう情けない自分がいたりする。
 しかし、このナビもなかなかの曲者で、たまにとんちんかんな所を指示しドライバーを困惑させている。新しく立った会社や、番地系の住所にそれが多く、気づくと人気のない山奥へと誘おうとする痴漢の様なナビや、居酒屋系店舗へ行くのに畑だらけの所を必死で案内しようとするタヌキまがいのナビなど、様々な「ナビ詐欺体験」を耳にする。
 かくいう私も、携帯電話のナビはピンポイントを調べるのに活用しているのだが、ある時「姉さん、ここっすよ!」と軽いノリ風の☆印(ピンポイント部分)を目指し、ほっそい住宅街をグルグル回ったがどうしても配達先が見つからず、おかしいなあと大通りに出たところでメイン道路にドカンと構える配達先を発見したことがある。地図だけで来てれば真っ先に見つけていたであろう場所。「遅かったね」と言われても「迷いました。難しい場所ですね」とは決して言えないであろう場所。その時は「二度と使うか!」と携帯電話を放り投げたものだが、ほとんどは適切に示してくれるし、上手に付き合えば案外使える奴かも知れないし、一概に何とも言えないが、仕切り屋のナビ子ちゃんも根はいい子なのかも知れない。色眼鏡で見ずに仲良くしてみようかな、と思う今日この頃だ。
2008年5月21日(水)
***[事務員、落合運送病発症」の巻***
 職業病というものがある。例えば歯医者さんが初対面の人と会う時に、その人の容姿云々よりまず口元から見てしまう、といった様な"その職業に従事してる者のみの癖みたいなものだが、それの最もコアな分野で落合運送病といったものがある。
 うちに入社し3、4か月経つと、普段の生活の中で自然目につくものがある。それは「西友」「スカイラーク系店舗」などのお店関係だ。当社の顧客からよく発生する、いわゆる「店舗配送」。それらがそういう店舗を巡り巡っていくものだから、どこかに行くと自然と「あ、あそこにガストがあるな」と目につく癖が生まれる。有名なショップなどには全くもって疎いおじ様達も、「どこどこのバーミヤンに配達」となると「あ、この前○○に配達行った途中にあったなあ」などと変に知っていたりするので驚かされる。その分野にかけては当社のドライバーは有能と言えよう。
 また、うちが提携しているガソリンスタンドの場所にも詳しくなってくる。地方に行ってそのスタンドを探すのに苦労するからだろうか、どこを走っても「あ、ここにあるな」と目星を付ける癖がついてしまい、プライベートで旅行に行った際でもそのスタンドを見つけると、プライベートだと言うのに思わずほっとしてしまう自分がいたりする。特に高速道路上の、そのスタンドがあるサービスエリアの場所などにおいては、そこの営業マンかというぐらい皆詳しいものだ。最近、そこのスタンドだけでは地方に行った時に限界がある、という事でもう一社増やしてみたのだが、皆は元々提携しているスタンドを見つける癖が抜けきれず、新しく契約したスタンドは「偶然発見した時に使用」に限られてしまっているのが現状だ。
その他にも、「あそこの客の仕事は月初に多い」だの「この時間から発生する仕事はどこそこの客のあの仕事だ」といった「仕事予想」という知識も身に付く。当社は仕事が入ると、ドライバーの待機室に内線で「○○さん、事務所まで来て下さい」と呼びかけるのだが、その度に「この時間だからあの仕事だろ」とドライバー間で先に配車するものだから、こちらが「どこどこの仕事なんだけど」と言うと「やっぱりね」という答えをもらったりする。下手すると「どこどこでしょ?」と先に言われてしまったりするのだ。なのでこちらも「どこどこだと思ってるだろうけど、実はここでした~!」的な振り方をしドライバーの度肝を抜きその反応を楽しんだりしている。
 顧客に詳しくなるのは大変良いことなのだが、その知識はうちでしか使えないから転職しても役に立たないよね、と会社を愛する事務員としてはその状態をほほえましく眺めている今日この頃だ。
2008年4月16日(水)
***[事務員、給与振込みを失敗する」の巻***
 今まで「振込みじゃ味気ない」と、”給料は手渡し”を貫いていた落合運送だが、銀行さんからの勧めもあり、この度とうとう給与振込なるものを導入する事になった。その諸手続きを私が行う事となり、とりあえず銀行さんからの説明を受け、分からない点はカスタマーなんたらに電話して聞けばまあ何とかこなせるだろう、と事をすすめていった。
 落合運送では去年あたりからE-TAXを導入していて、導入当初こそ上手く出来ずに税務署から「なんか変な項目で振り込まれてきたけど」などと連絡が来たりもしていたが、今ではなんとか源泉所得税だけは支払える様になってきた。もちろん他の項目に関してはちんぷんかんぷんなのだが、そんな事実も忘れ、「E-TAX(源泉所得税のみ)をしている=システムエンジニア」的なポジティブシンキング(?)で、給与振込みに関しても「こんなもん、パソコンの画面上の指示通りに進めていけばサルでも出来るし」とたかをくくってちょちょいのちょい、と行った結果、素人のちょちょいのちょいではやはり何かが抜けていたようで、案の定というか何というか、バッチリ失敗してしまったのだ。
 もちろん、失敗を未然に気づく知識があるぐらいなら最初から失敗などしないため、気づいたのは給料日当日、たまたま別の振込みで銀行に行った社長が気づき、「おいおい、給振出来てないじゃん」と教えてくれ発覚したのだ。時間にして午前11時頃。
 何週間も前から従業員達に「今度の給料から振込みになるから。手渡しじゃないから間違えないでね」と言っていたのに、肝心の振込み自体を間違えていた。この事実にどれだけあせったかは言葉じゃ伝えきれない、とにかくひたすらパニックだ。
 とりあえず、カスタマーなんたらに電話して支離滅裂に説明し、「失敗の原因は後で構わないから、何とかこれからすぐに振込みをしなければなんです!!」と一人あせる私に、親切なカスタマーさんが指示してくれたのは「面倒くさいけど、一人一人振り込むしかないね」とのお言葉だった。
 給与振込用に、従業員全員の口座は既に登録してある。しかし、通常に振り込む場合はまた改めて口座を登録しなければならない。30人近い口座をまた一つ一つ・・・しかも一刻でも早く、だ。従業員の奥様のうち誰かが、鼻歌まじりにふんふ~んと銀行に向かう前に、「あらやだ!入ってないじゃないの!」と騒ぎ出す前に事を収めなくてはいけないのだ。
 仕事の電話がなり、無線が入り、配車をし、とその間ずっとパソコンに向かい泣きながら入力し続けた結果、何とか昼過ぎには全員の振込みが完成。その間、どこぞの奥様から苦情の電話はなかったけれど、影で「使えない事務員ねえ」とぼやいてる奥様がいるのではないか、と思うと気分がへこんだ。
 「こんなもん、パソコンの画面上の指示通りに進めていけばサルでも出来るし」と思っていた数日前の愚かな自分、そして猿以下となってしまった今の自分。しばらくは楽しみなハズの給料日がハラハラする日となりそうだ。
2007年4月28日(土)
***[事務員、免停になる」の巻***
 運送会社の事務員がこんな事を書くのもなんだが、実はこの度、免停になってしまった。それも30日を飛び越えて60日免停だ。この60日免停、2日間の講習をうけてなお、1ヶ月は車に乗れないという素敵なシステム。「事務員、実はドライバー」などと言っていられない事態発生に、仏の様にお心の広い聡明な社長(と褒めれるだけ褒めておかないといけない事態でもある)に「なっちゃったものはしょうがない」と諦めにも似たお許しを頂き、こうして肩身の狭い思いをかかえせっせと事務仕事に励んでいる毎日だ。
 しかし問題は通勤手段。公共の交通機関的に少々不便な所に存在するうちの会社である。免許がない今さてどうする?と考えたものの、どう考えても自転車通勤しかとれる手段はなさそうだ。そこで会社のおじさんに自転車を借り、アップダウンの激しい通勤路を毎日せっせと自転車こぎこぎ通っている。大変ではあるが、同時に「これは痩せるな」とほくそえんでもいた。時間にして20分、往復で40分。結構足がガクガクになる運動だ。その久しぶりの運動に調子に乗ったのか単なるデブ思考なのか、「これだけ運動すれば多少食べても大丈夫」と好きなだけ食べていると逆に体重が増え始めてきた。まさか?とは思ったものの「いや、これは筋肉太りだ。筋肉はぜい肉より重いって言うし。見た目は痩せているはず」と過食生活はそのまま続いた。だって40分も運動しているのだもの、太るはずがないじゃないの。・・・まさしく「自分ルール」という名の落とし穴である。ふと気づけば、今までゆるめだったジーンズの腰周りがきつくなっている。これにはさすがにおかしく思い、改めて考えてみるとある間違いに気づいた。”アップダウンの激しい通勤路”、アップのキツさに隠れて気づかなかったが、アップがあればダウンもある。あ、その間自転車こいでない。半分はダウンとして、40分と思っていた運動時間、実は20分だったようだ。20分でも毎日こなせばいい運動なのだが、しかし40分だと踏んで過食生活をしている。せっかくのカロリー消費もそれを上回るカロリー摂取で台無しとなっていた。あせった私は心入れ替え、節食も取り入れての自転車通勤を試み始めたが、気づくと来週で免停が明ける。よかったのか悪かったのか、何とも複雑な気持ちでその日を待っている。
2007年1月20日(土)
***[事務員、自動販売機と勝負」の巻***
 落合運送の敷地内に、ジュースの自動販売機が2台設置してある(仮にA社とB社としよう)。A社の方は街中でよく見かける「当たるともう1本」といったクジ付きタイプなのだが、実はこのクジ、高設定にしてもらっている為、年がら年中よく当たるのだ。本当かどうか知らないが、1/40の確率だそうで、ドライバーしかり、通りすがりの人しかり、面白いほどよく当てている。そんな素敵な自販機なものだから、逆にB社の方の売れ行きが今ひとつとなり、こんなんじゃ電気代ばかりくってしょうがない、と、とうとう社長に見限られる羽目となった。かといってB社も「はいそうですか」とすんなり撤去するハズもなく、話し合った結果、値段を120円から110円に下げる事で継続が決定。隣り合う二つの自販機、片方は110円、もう片方は120円だけれども高確率のクジ付き・・・これには当初皆で悩んだ。勝負に出るか、堅実に行くか。単なる10円の問題ではなく、堅実なのかはたまた明日のことなど雲任せなのか、自己の性格まで問われる事態だ。当然私自身も悩みはしたが、それでも毎日クジ付きで買ってしまう自分がいた。堅実派に「12本買えば1本分浮くじゃないか。A社は40本に1本だろ?考えるまでもない」と言われた事もあったが、いやいやそうじゃないだろう。確実に手に入る1本よりも、幸運で手に入れる1本の方が気持ち的に全然違うではないか。当たる事によって、ジュース1本の他に何とも言えない幸せな気分までついてくるのだ、その気分こそプライスレス。それを求めて今日もA社で買い続ける私だが、今年に入ってまだ一度も当てていない。それどころか自分の次の購入者が当たるという事態が発生している。パチンコで言う所の「かまを掘られた」だ。「あの人の後に買っておけば」「社長の分も買っておけば」といった後悔の念でいっぱいになる。その気持ちもある意味プライスレスだ。やはり人生堅実が一番なのかも、と自販機相手に人生を考えさせられるといった何とも情けない今日この頃である。


2006年11月22日(水)
***「事務員、猫の恩返しを体験」の巻***
 今から8年ほど前、夜中に友人と買い物に行ったその帰り道に、猫が車に轢かれて横たわっているのを発見した。「かわいそうに~」と言いながら通り過ぎ、ふとバックミラーで何気なく見返すと、微かに動いた気配があった。「あれ、まだ生きてるよ?」と車をバックさせ確認するも、生きてはいるが口から血を出し、意識がない状態で、動いているというよりも痙攣している感じだった。とは言っても生きてる事を確認してしまった、さてどうしよう?そのまま「じゃあ元気でね!」と去った所で明らかに元気ではない事は明白だ。友人と悩んだ挙句、近くの獣医さんに連れて行く事にしたが、残念ながら着いた頃には既に息絶えた後。そこの獣医さんに合同葬してもらう事にし、その日は終わったのだが、その1週間後、年末ジャンボの発表を見て驚いた。今までクジに関しては全く運がなかった私が、5万円も当たっていたのだ。その猫事件に関わった友人と山分けにし(今思えば山分けにする必要なかったな・・・)、きっとあの猫の恩返しだよね、と話したものだ。
 と、そんなほのぼのした話を思い出させる出来事が最近起こった。先日、うちのドライバーが夜中に走っていたとき、前方を走る車が猫を轢いてしまったそうだ。猫が飛んだのを目撃したそのドライバーは、一旦そこを通り過ぎたのだが、気になって戻ってみると、口から血を流してはいたものの、立ち上がろうとしてはパタっと倒れ、と意識朦朧といった感じでまだ生きていたらしい。とりあえず道の真ん中にいたその猫を道路わきまで運んでやり、んじゃ、とその場を去ったそうだ。そんな出来事があった次の日、ふとパチンコ屋に行ったところ、たまたまその店のイベントでクジをやっており、引いたらなんと1等があたった、との話だった。商品は27インチ液晶テレビ。まさに「猫の恩返し」だ。その話聞いた私は、自分の実体験も得意げに話して聞かせたが、「って事はあの猫死んだんだな、死んだからこそ恩返しなんて力が出せるんだろうから」と非情な意見が返ってきて、猫のすばらしさを語り合うことなくその会話は終わった。死んだかどうかは定かではないが、地デジ対応ではなかったそのテレビ、あの時道の端に寄せるだけでなく、獣医さんに連れて行くまですれば、きっと地デジ対応のテレビだったろうなと思わずにはいられない。
 

2006年5月19日(金)
***「事務員、実はドライバー」の巻***
 まずは健康診断の結果から。残念ながらというか、周りの予想通りというか、ボート漕ぎを3日でやめた私の体重は、何もしてないのに勝手に減ってたわ!などという奇跡がおきる事もなく、一緒に行ったドライバー達の中でトップという何とも立ち直れない悲惨な結果となった。あの人よりはいくらなんでも・・・と密かに目をつけていたちょっと太めのドライバーさんよりも重かった、これには言いようのないショックを覚えた。それでも、、一緒に行かなかった為わからないとはいえ、がっしり体型の社長は私よりも重いはず、まだ大丈夫だろう。
 
 そんな社長は本日お休み。といっても昨晩から夜通し走り、朝方帰宅したという状態で、お休みというか何と言うか、寝て終わってしまうであろう1日だ。
 社長はこの頃「最近配達の仕事してないな、たまには遠出したいな」とぼやき続けていたのだが、もちろん他にドライバーが待機しているのに、いくら社長といえど、率先して楽しい遠出仕事に出すわけにもいかないので「そのうち行けますから」とずっと我慢してもらっていた。
 昨晩はドライバーが皆帰った後に舞い込んだお仕事だった為、久々社長自らの出動となったのだが、いつもなら「社長自ら行く事ないですよ!」とたしなめる私も、よかったですねえ~という気持ちで快く送り出してみた。とは言いつつ、実際いくら遠出でも夜通し走る遠出を社長がしたかったは正直わからない所だが、どちらにしても社長しか走れる人がいない状況であったので、願いがかなってよかったですね、とプラスに思い、こんな時間から申し訳ないな、という気持ちは捨て去るしかないのが本音だ。
 かくいう私も最近全く遠出の配達に出ていない。実は事務員である私も、ドライバーがいなければ自ら走る事になるのだが、最近はほとんど出る事もなく、着々と新人ドライバーさんに追い越される日々が続いている。
 私が配達に出るとき、それはけたたましく忙しい時である。運送業の繁忙期中の繁忙期は、師も走るというだけあってやはり12月。その中でもピークに達するのは12月24日、世間が浮かれるクリスマスイブだ。食品関係のお客を何軒か抱えているうちにとって、この日は毎年確実にパニック状態となる。本人はクリスマスケーキを食べる暇などないのに、ケーキ関連の配送がやたらめったら入る他、居酒屋・レストラン系への店舗配送がそれに絡む。去年などはイブが土曜日だった事もあり、店舗配送ラッシュとなり、私も朝から晩まで会社に戻ることなく走り続けた。後日友人が「イブに汐留のクラブを借りきって仮装パーティをしたんだ」などと華やかな話をしていたが、ああ、ちょうどその時間帯なら私も近くにいたよ、新橋の居酒屋へ配達してたから、と近くにいたと言いながらも遠くに感じる思いをしたものだ。
 今の時期は中休みとでも言うべきか、仕事量の少ない時期なので、私に遠出仕事が回ってくる事など皆無だろう。たまには遠出がしたいな、と社長でなくとも思ってしまう。毎日毎日机に座る生活をしていれば、ボート漕ぎを断念した今、痩せる事などまずありえない。かといって運転すれば痩せるってものでもないが、動くだけでも多少は違うかな、と一縷の望みを託して忙しくなる日々を待っている今日この頃だ。

 
2006年4月22日(土)
***「事務員、ダイエット器具に挑戦」の巻***

 先日、引越しに行ったドライバーが、引越しをした人から「ダイエット器具」なるものをもらって帰ってきた。
 もらってきた、というか「捨ててくれ」と廃棄を頼まれた品物らしく、他の廃棄物と一緒に捨てようとしていたところに私が飛びつき、まんまとダイエット器具を手にしたのだ。
 30を過ぎてからというもの、昔ほどダイエットに燃える事もなく、脂肪が蓄積されるがままもぐもぐもぐ・・・と食べていたら、気づくと体型が大変な事になっていた。最初は「やだ、ぽっちゃりしてきた」ぐらいに思っていたが、最近じゃはっきりデブになっている。これはまずい。まずいと思いながらも「別に恋してるわけじゃないし、痩せた所で何が待ってる訳でもないし」とどうもダイエットに意欲が湧かない。そうしてるうちに更に着々と太る。ちょっと前までは「うわ、太りすぎ!」と思っていた体重も、今じゃ逆に目指したい体重だ。
 という訳で、もらったダイエット器具、どうやらボート漕ぎらしいのだが、せっかくなのでそれを始める事にした。目標は、健康診断が行われる5月7日までに5kg減、だ。「2週間足らずで5kg減って難しくない!?」と思う人も多いと思うが、デブの5kg減は通常の人の1、2kgだと思っていただきたい。結構ガクッと痩せられるものなのだ。そして痩せた所でまだデブなのも現状だ。
 その器具、貰いモノだけあって説明書の類などなく、いまいち使用方法の分からないままエッチラオッチラ毎日舟を漕いでいる。椅子がスライドする度にぎぃぃぃぃと呪われた洋館のドアの様な音がする、さすが中古と言おうか、私の重みのせいなのか。椅子から洋館の音がしなくなった時、それが私のダイエット成功の時なのかも知れない。間違った使用法で何の効果も得られなかった、という悲惨な結果は避けたいとこだが、始めて3日目、未だ体重の変化はない。

2006年4月20日(木)
***「事務員、面接する」の巻***

午後、面接の人がやってきた。
社長が不在だった為、急遽私が面接する事になった。
 別に面接するのは初めてではなかったけれど、どうも強面・・・いや、大変威厳のある社長と違って、こちらは一介の事務員、小娘(32歳)なので「相手になめられるんじゃないかなあ」と萎縮してしまう。
 面接する相手は大抵私よりかなり年上のおっちゃん・・・おじ様なので、面接の最中、「こんな小娘(32)に俺の何が分かる!社長を出せ!」と思われてるんじゃないだろうか、とおどおどしながら対応してしまうのだ。
 実際、過去私が面接をした何人かは、私が説明した事を後日社長に再確認したりと私への信頼性のなさを垣間見せる。おいおい、それって私が熱弁ふるって説明したじゃないの・・・とむなしくなる事が多々あるのだ。
 なので、今回は「いかに威厳があり、なおかつ生意気と思われない対応が出来るか」をテーマに面接に臨む事にした。まず見た目、やはり威厳といえばメガネだろう。メガネ=知的、昔からの鉄則だ。ここはクリア。次に年齢。やはり若いよりは年食ってる方がよさそうだ。幸い今日はスッピンだ。実年齢より確実に5以上には見える。よし、化粧せずこのままで。これもクリア。
 次に肩書き。本来の私の肩書きは「事務員」。最近「業務部所属」と言い方を変えているが要は肩書きのない事務員。しかし、面接では肩書きがあるかの様な、「え、もしや副社長?」と思わせる様な話し方をしなくては。しっかりとした説明はもちろんだが、話す姿勢も大事だ。姿勢?何だろう?椅子の背もたれに寄りかかって、腕を組み上から見おろす感じで?いや、それじゃ単なる威張ってる人だ。要職についていそうな雰囲気の態度・・・そうか、社長の真似すりゃいいんじゃん!名案!えっと、うちの社長は、最初は椅子に寄りかからず相手の目を見ながら話をしているが、だんだん雑談になるにつれ、椅子にもたれかかり足を組み、しまいには煙草を吸い始めたりとリラックスしているっけ。それだ!いや、それか?まあいいや、姿勢はそれで行こう。後はメガネの上げ方。書類に目を通すときに、ひとさし指で真ん中をあげると某Yっさん風になるので、やはり片方をつまんで「くいっ」がいいだろう。よし、完璧だ。
 ・・・そして面接スタート。話し方も姿勢も何も、話してる最中にやれ電話がなりやれ無線が入りとバタバタし、威厳どころかまともにお話なんか出来る状況ではなく、「じゃあとりあえず来てみて下さい。」とよく分からないまま採用する事になった。相手も「とりあえず来てみます。」とよくわからないまま答えていた。事務員に威厳はまだまだ身に付きそうもない。