法人の節税
法人の節税方法は、お金が出ていく節税と、内部留保をする節税があります。
”いざという時にお金が用意できる”点から内部留保をする節税をお勧め致します。
以下の項目を中心に検討してください。
役員報酬の増額による節税
法人税率等と所得税率等を比べながら、バランスの良い役員報酬にしましょう。
役員報酬にすることにより、給与所得控除という経費が認められることになり有利になります。
この規定を使う場合には、以下の点にご注意ください。
@ その事業年度が開始してから3カ月以内に変更すること。
A 株主総会議事録を作成しておくこと。
貯蓄性保険による節税
保険各社、節税商品として研究しています。一般に利用されるのが、長期平準保険です。
ただし、近年、課税庁がその効果に着目して税法規定を改正する傾向にはあります。
小規模企業共済への加入による節税※
政府系機関が運用しています。掛け金は、月1,000円から月70,000円まで、自由に選べます。費用になる貯蓄預金です。
倒産防止共済による節税※
政府系機関が運用しています。掛け金は月5,000円から80,000円までの範囲内(5,000円単位)で自由に選べます。費用になる貯蓄預金です。
加入者は、解約手当金の範囲内で臨時に必要な事業資金の貸付けが受けられます。
※ 小規模企業共済・倒産防止共済ともに詳細のお問い合わせ・加入の申込は、お取引先の金融機関の本支店・
商工会・商工会議所などの独立行政法人中小企業基盤整備機構と業務委託契約をしている機関へお願い致します。
広告宣伝費による節税
毎年、更新するホームページの製作費は一度に費用になります。
翌期以降、大きな売上の増加につながる可能性の高い広告宣伝費の支出は有効な節税対策となります。
自家用中古車両の購入による節税
4年以上経過した中古車両を購入されますと使用を開始された月から24カ月間で償却することができます。
新車の場合は72カ月で償却します。
高額の固定資産の購入は、支払った金額の割に、あまり、当期・翌期の経費になりませんので注意が必要です。
経過年数に比して評価の下がらない車両を購入されるのがコツです。
修繕費の計上による節税
修繕費は一時に損金に算入されますが、修繕費として支出したものであっても、一定のものは税務上、資産として計上し減価償却を行って、数年をかけて損金に落としていくものがあります。 これを資本的支出といいます。
税務上、支出時に全て経費に落とすことができる修繕費として支出することが有利です。
なるべく資本的支出にならないように支出することが節税につながります。
☆資本的支出と修繕費の違い
資本的支出とは、その固定資産の使用可能期間を延長させたり、その固定資産の価値を増加させたりする支出をいいます。
これに対し、修繕費とは資本的以外の支出、つまりその固定資産の現状回復や現状維持のための支出をいいます。
☆資本的支出と修繕費の判断
判定1. 明らかに資本的支出であるもの
下記のいずれかに該当するものは修繕費として費用にすることが可能です。
それ以外はそのまま資本的支出に該当します。
@ 20万円未満の支出
A 3年以内の周期で支出するもの
判定2. 資本的支出か修繕費か不明であるもの
下記のいずれかに該当するものは修繕費として費用にすることも可能です。
それ以外はそのまま資本的支出に該当します。
@ 60万円未満の支出
A その資産の取得価額の10%未満の支出
判定3. 明らかに修繕費であるもの
全額を修繕費として全額を経費算入することができます。
このように資本的支出は、修繕費として支出したものであっても、税務上支出時に一括で費用になりません。
大規模な資本的支出をした場合、お金が出ていっているのにもかかわらず、税金はほとんど減らないことがあります。事前の注意が必要です。
少額減価償却資産の一括損金算入の規定による節税
使用可能期間が1年未満、または取得価額が10万円未満の減価償却資産は一括で費用に落とすことができます。
次に、取得価額が10万円以上30万円未満の減価償却資産については減価償却で数年間で費用に落とすか、減価償却せず購入時に一括で費用に落とすことを選択することができます。
たとえば、事業年度の最後の月に車両を購入した場合には、減価償却を選択すると月割計算となり、費用に落とせる金額は6年分の1か月分となります。
実際に減価償却費として落とせる金額はとても少なくなります。