04.05.07
田中栄二です。
そんな訳で、なんだか暇なんだか暇じゃないんだか人生微妙なゴールデンウィークを過ごしております。
まあ地味に何本か録音仕事があったりしまして。
それでも今年は日がよくて結構休みが多かったわなんて言う世間様のゴールデンウィークなんぞちゃんちゃらかわいく思えるくらい休みましたがね。
で、そんな暇な合間を縫っての録音仕事なんですが、これが結構面白い事を最近して来まして。
詳しい事をどこまで話していいのかわからないのですが、某芸能人がドラムを叩いている映像に合わせて音だけ差し替えるという仕事があったんです。
ひょっとしてこういう事はよくある事なの知れませんが、とりあえず私的には初めての経験でして、なんだかとても刺激的でした。
とりあえず、現場に入るまでは「映像に合わせてドラムを叩いてくれ」くらいのざっくりとした情報しか無く、一体どんな手法で録音するかは行ってみるまでわからなかったんです。
まあでも、なんらかの曲を叩いている映像があって、その曲ごと録音するのが一番早そうだし、おそらくそうなるのではないかなあと思っていたんです。
で、スタジオに入り、その映像と録音方法を確認。
スタッフ「あのですね、とりあえず映像と完全に合わせるように叩いて欲しいんですよ」
私「えっ?じゃあ特に曲とか譜面とかは無いんですか?」
スタッフ「譜面は無いですね。映像は一応曲に沿ってはいるんですが」
私「とりあえず映像の方を確認させて下さい」
そして、その映像が流れます。
某芸能人「ドコシャーン!(某芸能人がドラムを叩く音)皆さん元気ですか?○○○は×××ですよねドコシャーン!・・・(しばらくセリフ)・・・え?それは心配いりませんパーンタカタカドコドコズッズッチャッチャッズッズッチャッチャッズッズッチャッチャッ・・・」
え?
これはセリフ覚えろって事ですかい?
「あの、セリフの合間に適当に入ってる奴とかも全部やるんですか?」
「はい」
「いや、なんか切っ掛けとか難しそうですよねえ」
「そうだと思うんですが、映像の下にカウンターが出てますので秒数とかを頼りにしてみて下さい」
びょおすう?
私こう見えましても結構譜面とかには強い方でして、少々トリッキーな譜面でも行ける方なんですが、今まで結構難解な譜面をこなしてきましたがさすがにテレビモニタでセリフや秒数を確認しながらドラムを叩いた事なんてありません。
この仕事大丈夫だろうか。漠然とした不安が頭をかすめます。
しかし、ドラマーでもあり劇団の座長でもあるこの私、むしろこれは天職かもしれません。
台詞を切っ掛けにドラムを叩くなんて、本望なんじゃないかと。
で、座長の威厳を掛けた録音がスタート。
通常のレコーディングであれば、ヘッドフォンに流れる自分の楽器や他人の楽器の音のバランスが結構大事になってきまして、色々要求を出したりキューボックス(まあ個人用のミキサーとでも言うんですかね)をいじったりする訳ですが、今回の場合は様子が違います。
私「すいません。セリフもう少し返して下さい」
エンジニア「あっ、でもそうなると途中から流れてくるバックのオケがぐちゃぐちゃになっちゃうんですが」
私「そんなの構いません、セリフ優先でお願いします」
こうなったら、もう芝居です。
しかし、実際セリフの間を取ったりしながらも、ある程度バックのオケとの共存をはかるという作業は、なかなか難しいものがありまして。
何回目かのテイクを録り終え、何となくコツをつかんで来た時にスタッフからのエールが飛びます。
普段の録音現場では「いや、今のフィル良かったよ」とか「もう少しこういうグルーヴで」なんて言うことを言われる訳ですが、おそらく映像に携わる仕事をして来た人々なのでしょう、普段のエールとはちょっと様子が違います。
「田中さん、もっと○○さんになりきって、もっと入り込んで」
俄然燃え上がる芸人魂。
こうなれば精神レベルでその芸能人との融合をはかるしかありません。
今こそ「役者田中栄二」の本領を発揮する時です。
で、予定の時間を超えながらも、なんとかあたかもその某芸能人が実際にドラムを叩いている風に見えるような仕上がりまで漕ぎ着けまして。
苦労を察したのか、スタッフから賞賛の声が上がります。
「いや田中さん素晴らしい、もうセリフとぴったりあってますよ」
「いやほんと、本人が叩いているように見えますよね」
一切ドラマーとしての個性とか技術とかに対する褒め言葉は無い訳ですが、とりあえずいい仕事ができたようでまんざらでもなくなります。
どうだ、この芸人魂。
しかし、よくよく考えてみたらですね。
苦労を重ねて録ったこのテイクも、すべてはその芸能人が叩いているように見せる為の努力な訳ですよ。
例えば、出○い系とかで物凄く金をかけてようやく捕まえた女の子とずっとメールのやり取りをしていて「あ、なんかいい感じになって来た」と思ったところでそろそろ会わない?なんて話を切り出して「ちょっといい人っぽいから会ってみたいな♪」なんて返信が来て「じゃあ来週の土曜日8時にハチ公で」なんてことになりまだ見ぬ彼女を色々想像したりして盛り上がっていたら急にギックリ腰になって結局別の友達が俺を装ってその彼女と会う事になってしまうという感じです。
つまりこの仕事、私の功績は一切世に出ないんですよね。
そんな訳で、クライアント各位様。
次はセリフの録音もやりますので。
04.05.14 連日のTSUTAYA張り込みの努力もむなしく、一向に『24シーズン2 vol.7,8』が借りられる気配がない田中栄二です。
ちょっと異常な人気ですね。
一日二回は必ずチェックしているんですが、どう見ても「24」待ちと思われる、人気新作返却棚の周りを取り囲んでいる連中がいつ行ってもうようよいる訳です。
中には、返却されたばかりでまだ事務的な手続きが終わっていないであろうものまで隈無くチェックし、果ては狙いの「24」が返却されると同時に強奪に近い形で奪って行くと言う剛の者まで存在していまして。
まあ、基本的に人生穏健派の私としましてはそこまで突っ込んだ行動もとれず、そんな光景を歯がゆく見守るだけだったんです。
しかし、そんな穏健派に考慮したのか、最寄りのTSUTAYAではついに返却が多い土日に関しては「24専用新作返却棚」が設置される事態にまで発展しまして。
これで穏健派にも平等にチャンスが回ってくる仕組みにはなったのですが、この機を逃すかとばかりに穏健派24待ち集団が群がり、結局借りられずにいる訳です。
あまりにレンタルの期間が空いてしまったため、なんだか最近は以前までのストーリーがおぼろげになって来ており、正直一時期ほどの「24熱」も冷め、もはや半ば義務のようにTSUTAYAに通っている節もあります。
わかりやすく言えば、付き合って丁度3ヶ月くらい経ったカップルのデートくらいな感じでしょうか。
まあ好きな事は好きだし会いたい事は会いたいんだけど、無理矢理スケジュールを空けてまで会う事にちょっと疑問を感じだして来たと言うか。
そんな訳で、現在寂しい深夜は再開した「ファイナルファンタジー10-2」で紛らわす事にしています。
まあ、このゲームに至っては、しばらく封印していたため完全に過去のストーリーは忘れてしまっておりまして、わかりやすく言えば昔ちょっとだけ遊び感覚で付き合った女くらいな訳ですが、またよりを戻したという感じでしょうか。
お陰様で、最近は仲良く夜を共に過ごしております。
で、先日いつものように現在の女「ファイナルファンタジー10-2」に勤しみ、明け方5時くらいそろそろ31歳の男としてギャルゲーに近いとも言われる同作品を半笑いでやり込んでいるのもどうなんだと気がつきだした頃に、まあとりあえず腹が減ったからコンビニにでも行こうとしたんです。
事件は起こります。
ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
唐突に、ゲームではなく明らかに現実に響き渡る悲鳴。
な、なんだなんだ。
ゲームでぼーっとした頭の中で色々な想像が駆け巡ったのですが、そういえばウチの近所には野良猫が結構いて、朝方喧嘩なのかなんなのか物凄い鳴き声で泣き出す事がよくある事を思い出しまして。
あぁ、また猫か。そう思い近所にも迷惑だしここはひとつ追い払おうと勢い良く玄関を開けます。
そして脱兎のごとく走り去る男性×1発見。
なんとなく事件の予感がします。
いやしかし、これはひょっとして物凄く猫嫌いの人が猫にからまれたか、もしくは猫の鳴き声だと思っていたのが実は女性の悲鳴でちょっと酔っぱらったカップルが酒の席で男が向かい側のテーブルの女ばっかり気にしていた事を今更になって持ち出して「あんたのそういう浮ついたところが嫌いなのよ」と言おうとして結果悲鳴になったのか。
事件の予感は感じつつも、そう思うのはゲームのやり過ぎだろうとさして気にせずコンビニに向かうべく歩を進めます。
そして明らかに何かにおびえた様子でうずくまる女性×1発見。
かなり事件の予感が漂ってきます。
とりあえずその女性の元に駆け寄り「大丈夫ですか?何かあったんですか?」と声をかけます。
女性「た、助けて下さい」
事件確定。
彼女に何が起こったのか説明を求めると、多少パニックに陥っていたようであまりよく聞き取れなかったのですが、早い話先程走り去った男性×1に襲われたようなんです。
幸いにも怪我とかは負わなかったようですが、さすがにおびえる彼女を置いて「じゃあ気をつけて帰ってね」とか言って何くわぬ顔でコンビニに向かう訳には行きません。
というか、明け方5時の人気のない路地で暴漢に襲われた女性の元にタイミングよく現れたというこの状況。
これは男を上げるチャンスかもしれません。
私「男はあっちに逃げたんだね」
彼女「そ、そうです」
この状況でその逃げる男を捕まえでもしたら、やらせなんじゃない?と思われるくらいのヒーローぶりをアピール出来るばかりか、彼女に名前を聞かれた時に「いや、名乗るほどの雰囲気じゃないですから」とか言ってさりげなく立ち去ったりしようものなら多分スナックの席での話題には一生事欠かない事疑いありません。
ここは一世一代の大勝負とばかりに男の逃げた方向へダッシュ。
よし、絶対捕まえてやる。
しかし、10歩ほど走った時点で私の中で異変が起こります。
うわ、すげえ怖え。
そしてあっさり方針変換。
ひとまず彼女の元に戻ります。
私「ここは一つ警察に電話しましょう」
まあ、餅は餅屋という事で。
彼女の了解を得て、早速110番。
うちの目の前で女性が襲われた事、詳しい住所、私の氏名などを説明し「すぐにパトカーが向かいますので一緒に待っていて下さい」と言われ、ひとまず警察の到来を待ちます。
しかし、一体どれくらいでパトカーが到着するのか見当がつかないので、ここは一つ彼女に何かしてあげられないかと。
なにせ、さっきいきなり暴漢に襲われた訳で、その心痛たるや察するにあまりあるものがあります。
今、私に出来る事は何か。
とりあえずお茶でも持ってこようかとかも考えたのですが、「いや、今はちょっと」とか言われたら立場ないし。
で、ここは一つ笑ってもらおうかと。
いや、こんな状況で笑えという方が無理な話ですが、こんな状況だからこそ少しでも笑ってもらった方が気でも休まるのではないかと思いまして。
何を喋ったのかはあまり覚えていないのですが、まあ笑いこそしませんでしたが笑顔はちらほら見えるくらいにまでは精神状態も回復しまして。
でね、思う訳です。
この時私と彼女は、多分付き合いたてのカップルよりも強い絆で繋がれていたんじゃないかと。
ほら、よく言うじゃないですか。
危機的状況に陥った男と女は恋愛に落ちやすいとか。
ひょっとしてこの感じはいい感じなのではないか。
明日の夜にはちょっとしたディナーでも食べながらワイングラスを傾け「あの暴漢に感謝しなくちゃね」「どうして?」「うふっ、だって、このワインが凄く美味しいから」なんて言うふわふわトークを繰り広げるんじゃないか。
そう思い始めた時、あっと言う間のパトカー×3到着。
早すぎです。
警察の予想以上の反応の早さと、やって来た人数に驚きつつ、とりあえず現実に立ち返ります。
そして、かなり立ち直った彼女本人が事件の概要を警察に報告。
しかし、彼女は肝心の犯人の顔はあまり覚えていないようで、唯一犯人の顔を確認している私が覚えている範囲の犯人像を警察に言います。
普段、警察に対して、無灯火でチャリを運転していきなり止められた時なんかは「もっと他にする事あんだろ(本園太郎氏『レッカーすんな!!』より無断抜粋)」とか思ったりする訳ですが、この時の警察官の態度が非常に好感が持て、むしろこれは警察の為にも、いや地域の安全の為にも、いやなにより彼女の為にも惜しみなく協力しようと、なんだかやる気にさえなってきます。
そして、犯人の特徴を報告している間にお前はコロンボかという風貌の刑事(多分デカ)登場。
は〜いご苦労さんとばかりににやって来たそのデカが現れるや否や、周りの空気も一変。
これがいわゆる所轄と本庁のなんだかよくわかりませんが面白い関係なのでしょうか。
そして、今まで対応してくれた警察官は、私と彼女に「あそこの刑事さん(コロンボ)に今の話をもう一度してもらえるかな」と言ってコロンボに敬礼をして去って行きます。
で、警察官に現状の報告を受けたコロンボが我々の元へ向かってきます。
いきなりウチのかみさんがねえとか言ったら絶対笑ってやる、とか思っていたんですが、このコロンボ、なかなかに紳士的で「いや大変な目にあいましたねえ。怪我とかはないですか」と終止彼女の事を気に留めます。
なんだ、いい奴じゃないか。
そして、私もコロンボに色々報告しようとしたんですが、コロンボは私の方は見向きもしません。
で、またしても犯人像の話になった時「あっ、僕少しですが犯人を確認してるんです」と自ら申告したんですが「それはもう報告してくれたんだよね」とまるで相手にされない始末。
なんとなくお前はもう用済みと言う雰囲気があたりを支配します。
で、コロンボが彼女に「もう少し詳しい話を聞きたいので、とりあえずパトカーに乗って下さい」と彼女を促します。
しかし、このまま彼女があっさりパトカーに乗るとも考えずらい。
なにせ、いきなり暴漢に襲われ、警察に色々聞かれ、挙げ句コロンボに連れて行かれ根掘り葉掘り聞かれるのは精神的にきついと思われ、そうなると現段階での精神的支柱となるこの私を連れて行こうとするのではないかと。
そんな期待もむなしくあっさりパトカーに乗り込む彼女。
あれ、という事は俺はもう出番終了?
なんだか私的に尻切れとんぼのような気がして、最後にパトカーに向かう彼女に向かい「気をつけてね」と一言声をかけます。
一応彼女も「本当にありがとうございました」と挨拶をくれ、コロンボも「ご協力感謝します」との謝辞を述べたのですが、その目はもはや過去の男を見る目と化していました。
どうやら、今の彼女はコロンボのほうが大事な人のようでして。
ああ、もう俺の時代は終わったんだ。今はコロンボの時代なんだ。そう自分に言い聞かせ私も大人しく部屋に戻ります。
色んな意味での恐怖感や高揚感が微妙に相混じった感覚で、しばらく虚脱。
そして、私はひとつ大事な事を忘れていた事に気がつきます。
コンビニ行ってないじゃん。
もはや空腹などどうでも良くなってきてはいたんですが、この状態ではおそらく寝付けないと思い、ここはアルコールに頼ろうかと。
そして、あっという間にいつもの空気を取り戻した道を歩き、コンビニに向かいます。
そして、いつものようにビールを購入し、この場で一気に飲んでしまいたい欲求をかろうじてこらえ、彼女の事を考えつつも部屋へと戻ります。
すると、どうやら暴漢を捜すべく低速で走るパトカー×1発見。
いや、本当に物騒な世の中だなあ。早く捕まえてくれよ。
そんな願いをパトカーに向けます。
すると、パトカーの中から明らかに私を疑いのまなざしで睨みつける警察官。
こうなったら面白いからいっその事捕まえてくれ。
とまあ、いきなり事件に遭遇した訳ですが、本当に物騒な世の中になったと思います。
今回のケースは、彼女が勇気を出して大声を出したので表面上怪我なく済んだのですが、彼女の心には重大な傷が残った事は疑いありません。
という事で、くれぐれも深夜の一人歩きには注意して下さい。
で、万が一暴漢に襲われたときは、勇気を持って叫んで下さい。
それだけで、近所の人間が気がつくばかりか、おそらく多くの暴漢は怯む事でしょう。
うまく行けば災い転じて恋になるかもしれませんし。
そして、好きなあの子の気を引こうと自作自演で「暴漢撃退劇」を演出しようとしている人がいましたら、多分失敗するので正攻法で攻めて下さい。
04.05.22 田中栄二です。
どうやら一部で『フラッシュが使われているためピンチな人を開いた瞬間にフリーズする』という症状が発生すると言う噂を聞いたので、とりあえずタイトルを昔の奴に戻してみました。
どうですか松本君。
そんな訳で、取り急ぎ連絡事項を。
只今一匹君は韓国に行っているようです。
で、それに伴い一匹君から「留守の間の連絡方法をここに書いておいて」と言われたのですが、どうやら奴は肝心の連絡方法を私に伝える前に飛び立ったようで。
ですので、一体いつ帰ってくるのかよく知らないんですが、一匹君に用のある方はとりあえず留守電にメッセージを残しておくかメールするかしておいてあげて下さい。
もしくは韓国まで行って下さい。
ご迷惑をおかけします。
あ〜ちゃんこ鍋食いたい。 |
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