05.02.07 田中栄二です。
とりあえず、1/31「田中栄二企画〜トリオ編+」@ペンギンハウス、多数ご来場いただき誠にありがとうございます。
お陰様で、大変いい思いをさせて頂きました。
ありがとうございます。
私はさておき、佐藤鳥越トリオ、アルミトリオ共に非常にいい演奏で、改めて回りに恵まれているなあと。
佐藤君、鳥越君、野崎さん、山田、本当にありがとう。
で、ご来場された方はわかると思いますが、今回私的な目玉企画として初めてプロのお笑い芸人との共演という演出を試みた訳ですが、これがなかなか大変でして。
なぜこのような事態になったかと言いますと、事の発端はたまたま知り合いにお笑い方面の企画をしている人がいまして、じゃあ例えば普通のセッションとかにゲスト的な感じで出てもらう事とかは可能なのかと言う事を聞いてみたところ、可能どころか喜んでやるのではないかという話になり、じゃあお願いしたいのだが、という流れだったんですよ。
どうやらバンドのライブの合間にお笑いが挟まるような企画はそれほど珍しい事でもないようでして。
例えば対バン式のライブやイベントっぽいライブなんかで、転換時のつなぎだったり、全体の司会だったりという感じですね。
ですので、芸人サイドでは今回も司会、もしくは演奏合間の余興という扱いという解釈だったようです。
しかし、せっかく自分が発注して呼んだお笑い芸人をただ司会とか余興とかで使うだけではもったいない訳で。
なので、ここは自分自身のステップアップの為にもむしろプロのコントに参加するべきじゃないかと。
一体どのベクトルのステップアップなのかはこの際置いておくとして、きっと得るものは大きいのではないかと思った訳ですよ。
で、とにもかくにも一度会いましょうと、そのお笑い芸人とミーティングをかねて飲み会をセッティング。
で、その飲み会の席で「出来れば俺もコントに参加したい」という事を伝え、具体的にどういう方法でライブに組み込ませるかと言う事を酒を交わしつつ話を進めます。
いや、お笑いの人って、本当に凄いですね。
今回呼んだお笑いコンビは「メインストリート」という二人組でして、まあバンバンテレビに出るような活躍をしていると言う訳ではないものの、そちら界隈ではそこそこ頑張っている若手(と言っても30歳)らしいのですが、もう普段の会話レベルが「これはネタか」というくらい面白いんですよ。
「ボケ」と「ツッコミ」というお笑いの基本系はテレビを見ていれば誰もが知っているもので、特にお笑いに携わらない人でも日常的に使っている手法だと思うのですが、それを習わしとしている人と言うのはやはり違いますね。
ああ、やっぱり本物は違うなあ、ちょっとライブのMCで笑いを取ったからと言っていい気になっていたなあ、と笑いのポテンシャルの圧倒的な違いを感じ、改めて自分の笑いに対しての姿勢の甘さを痛感します。
いや、当初は私がネタを考えてそれを演じてもらおうと考えていたんです。
しかし、それは逆に考えると素人がプロのミュージシャンを呼んで自分が歌う為のバックで演奏させるようなもので、そんな事が出来るのは、よほど自分の歌唱力に自信がある人か、そろそろカラオケに飽きがきはじめたセレブか、普段親分とか組長とか呼ばれるようなタイプの人くらいな訳です。
当然、私にそんな自信も無ければ、そんな権力も無い訳で、「申し訳ないが私が参加すると言う事でネタを考えてくれないか」と打診します。
で、快く引き受けてくれ、どういった方向性のネタにしていくか更に掘り下げて話し合い。
で、全体の方向としては、私とコンビのボケ担当が二人でぼけて、まとめてツッコミの方が突っ込むという方向に。
とりあえず、何となくのコントの方向性が見えたところで、ネタ書き担当のツッコミの方が「じゃあ後は僕が考えてきます」と言う事になり、ひとまずライブの方向性が見えた事に安堵します。
しかし、ネタが出来たとしても、如何せん素人を抱えてのコントですので、私もちゃんと出来るか不安でしたし、彼らにしても私の演技力は未知数のはずで、更にライブの日も差し迫っているし、不安要素が完全に消えた訳ではありません。
で、ネタはどのくらいで出来るか、稽古は出来るか、ツッコミの方と更に話し合い。
私「悪いんだけど、出来るだけ早く台本貰えると助かるんだけど」
ツッコミ「努力はしますが、もうあんまり日がないですよねえ」
私「そうなんだよねえ。大丈夫かなあ。稽古とかもしたいよね」
ツッコミ「時間とれますかねえ」
私「そうなんだよね」
ツッコミ「まあ、大丈夫ですよ。初見でもいけるような物を書いてきますから」
初見?
初見??
君は素人に初見を要求する訳か?
自分で言うのもどうかと言う話ですが、私、おそらくドラマーの中では初見は強い方だと思うんです。
簡単な曲であれば、まじめにやれば(毎回まじめにやりなさい)おそらく大したミス無くこなすでしょう。
まあ私に限らず、ある程度訓練を受けていれば可能なのかもしれません。
ただ、例えばドラムを始めたばかりの人間であれば、どんな簡単な曲だったとしても初見で全うな演奏なんて出来る訳ないと思うんですよ。
で。
私「いやあ、初見はちょっときついよ」
ツッコミ「大丈夫ですって」
私「じゃあ、まあ稽古は当日として、とりあえずネタが出来たら台本を送ってくれると助かるんだけど」
ツッコミ「じゃあ、そうしますよ」
私「いや、でも不安だなあ。ボケって難しいでしょ」
そんな私の不安な言動を、笑いのプロは目を輝かせて私にこう言います。
ツッコミ「田中さんね、笑いってのはツッコミが取るもんなんですよ。だから田中さんが間違っても僕が笑いにしますから」
プロの余裕、来た。
ひとまず本番は彼の笑い能力に頼る事に。
で、当日。
結局、私も直前まで札幌いまして(いい仕事でしたね。関係者の方々お疲れさまでした)台本も受け取れず、生まれて初めて初見でコントに挑戦する事となりまして。
どうやらネタ書き担当のツッコミの彼は、ライブハウスに到着してから台本を書いたようで、走り書きの本を渡されます。
本を見ただけでは、それほど難しくはなさそうだったんですが、リハでちょっと合わせてみたところ、タイミングを取るのが物凄く難しいんですよ。
しかも、思っていたより全体の尺が短く、「前半は数分アドリブで行きましょう」という事態になりまして。
初見、そしてアドリブ。
ミュージシャンとしては聞き慣れた言葉も、「コント」という枠での初見、アドリブと言う言葉は物凄く破壊力があります。
しかしもう後には引けません。
ここは一つフリ−ジャズ解釈と言う事で。
で、本番に望んだ訳ですが、おおむね好評だったので、まあ良かったんじゃないかと。
かなり本職の彼らに頼ってしまいましたが、自分的には非常にいい経験をさせてもらいました。
またこういう形でライブを組みたいとちょっとだけ考えてますので、興味のある方はその機会があれば来てみて下さい。
そんな訳で、話は変わりますが、噂の劇団「ピンチ座」のレコーディングが始まりました。
今、まさに一匹君がダビングの作業に取りかかっているところです。
なかなか順調に進んでおります。
4月1日発売と言う事になってますので、よろしくお願いします。
で、ライブ等で言っているように、正直600枚さばかなければ元が取れません。
いや、別に儲けようとか思っている訳じゃないんです。
しかし、せめて元くらいっておかないと、色々厳しい訳ですよ。
なので、ここは一つ人助けだと思って。
しかも、まだ内容に関しては詳しくは言えませんが、今回のアルバムは一応続き物になっているんですよ。
売れなければ次作も作れないし、非常に半端なアルバムになってしまうんです(いや、もちろん一枚でも楽しめるように作ってます)。
なので、ほんと、よろしくお願いします。
多分枚数も少ないのでひょっとしたらプレミアが付くかもしれませんし、そうなればヤフオクとかに流せば一儲け出来る可能性も無い訳ではないので、財テク感覚でも一枚いかがでしょうか。
とりあえず、年内に600枚達成しなかった場合は、このサイトは閉鎖します。
私もみすみすサイトをたたむのは本意ではありません。
その代わり、年内600枚達成したら、毎日更新します。
ママチャリ日記も完結させます。
もう何でもします。
600枚なんて軽いんじゃないかと思われる方がひょっとしたらいるかもしれませんが、色々リサーチしてみると、正直かなり厳しい数字です。
とりあえず、4月1日、よろしく。
*ここをご覧になっている、力を持ったミュージシャンの方、雑誌等のインタビューとかが会った時には言葉の語尾に「それにしてもピンチ座のCD楽しみだよね」という一言を付け加えて頂ければ幸いです。
05.02.14
田中栄二です。
なんとか生活しています。
突然ですが、私、結構「過去の結果としての現在」を重んじるタイプなんです。
というと、なんだかえらく硬い表現ですが、要はちょいちょい過去を振り返って今ある自分を確認するタイプなんですね。
以前某ページの私のコーナーでもちょっとそんな話を書いたのですが、比較的若いミュージシャン(だけとも限らんのでしょうが)には、現在の自分を「過去の結果として」ととらえるタイプと「未来の原因として」とらえるタイプの二通りに別れていると思うんです。
まあわかり易くざっくり別れているとも思わないんですが、本質的にどちらかに属するんじゃないかと。
つまり、私のようなタイプは油断すると今の地位で満足しがちなんですね。
一時期は、そんな自分がどうなのよ、なんて思ったりした訳ですが、まあ自分なりの身の振り方もありますので、最近はあまり気にしないようにしています。
もう、むしろ振り返ってしまえくらいな。
そんな訳で早速自分を振り返ってみますと、小学校の卒業文集の「将来の夢」と言う欄に「ミュージシャンになりたい」と書いた自分にとって、現在ミュージシャンとして活動出来ている状況と言うのは、まあ満更でもない訳ですよ。
もうちょっと上目指そうよ自分、と言う話はおいといて、ある種の満足感は確実にある訳です。
しかし、小さい頃に想像していたミュージシャン像と現在の自分が100%同じと言う訳でもない訳で。
いや、私、プロのミュージシャンって楽器は全部タダで貰えると思っていた訳ですよ。
一部でそう言う人もいるかも知れませんが、まあほとんどのミュージシャンは多少安くなったり、試作品とかをもらったり、レンタル品をいつの間にか自分の物にしたりする事はあっても、全部タダって訳ではない訳で。
で、まあ楽器本体は色んな技を駆使すれば半値とかで入手したりは出来るし、なにより一度買ってしまえば一生ものな訳ですから、多少の出費はいいとして、問題はなのは消耗品です。
私(ドラム)で言えば、スティックとかヘッド(ドラムの皮)とかですね。
ギターやベースの弦に関しては詳しい事はわかりませんが、ドラムスティックやヘッドに関しては購入に際してプロもアマもあんまり変わらないと言うのが実情でして。
例えば自分モデル(シグネイチャーっていうんですかね)のスティックをメーカーが作ってくれれば多分タダで貰えるんでしょうが、ちょいちょい過去を振り返るピンチな人のスティックなんか誰も作ろうと思わない訳で。
で、まあ極普通にスティック、ヘッドはその都度購入している訳です。
で、先日、ライブに行ったらスティックケースに3本しかスティックが無いという状態に気がつき、さすがにまずいだろうとライブハウス近くの楽器屋に行きまして。
イシ○シ楽器と言う、関東圏(だけかな?ちょっとわかりません)では結構大きめの楽器屋なんですが、立地もいいせいか私の回りでは結構利用している人が多いんですよ。
で、共演者の中で5%割引券を持っている人がいまして。
しばらく使う予定が無いからあげるよ、というありがたい申し出を受け、ちょっと得した気分でイシ○シ楽器に向かいます。
私のが使っているスティック、定価で確か1500円だったと思うんですが、その手の店で買えば1200円である事は知っておりまして、いつもなら4組セット(つまり8本)を購入し、税込みでだいたい5000円なんですが、せっかく5%offだから5組購入する事に。
1200×5の5%ですから300円割引になり、それから消費税を加えても6000円弱(5985円)になる計算です。
で、5組のスティックを持ち、5%割引券と「せっかくだからポイント付けといて」と渡された某共演者のイシ○シ楽器カードと一緒にレジに出します。
店員「6237円になります」
あれ?
なんかそれ微妙に予想より高くない?
ひょっとして私の計算が間違っていたのか、店員が間違ったのか。
その場で、「あれ?計算あってる?」と店員に聞いても良かったんですが、劇的な違いでもないし、ひとまずうやむやにしておいて、いつもであればその場で捨てるレシートを一応貰っていき、ライブハウスへと戻ります。
で、その道中、レシートを確認。
で、レシートの情報から、私の計算も、店員も間違っていなかった事が判明。
以下、レシートに印字された情報。
品名 スティック・・・1200円×1
品名 スティック・・・1200円×1
品名 スティック・・・1200円×1
品名 スティック・・・1200円×1
品名 スティック・・・1200円×1(割引5%ー60円)
一組だけかい
いや、良くコンビにとかで同じ商品を何個も買った時、レジの人で打ち方が違うのが気になってはいたんです。
ビール×4と打つ人か、ビールを一度ピッと通しておそらくコピーペースト的な何らかのボタンを連打する人か。
多分後者の方が操作的には楽なのでしょう。
たまに、同一商品だからとボタンを連打しているレジの人を見るとおいそれ一回多く押してねえか?と疑ったりする事があったりしますが、まあ大抵あってる訳で。
なので、結局値段は同じだし、別にいいやと思っていたんですがね。
割引券利用時は、その操作をやられると結構痛いんですね。
まあ、結局数百円の為に店に戻ると言う行為もばからしく思え、楽屋のいいネタにした訳です。
イシ○シ楽器新宿店の店員さん、いいネタありがとう。
そんな訳で、同一商品を一杯買って割引券を利用する時には、レジの打ち方には注意しましょう。
いや、それにしてもピンチ座のCD楽しみだよね。
どうやら「楽しみだよね」コールに賛同(?)して頂いている方が一部いらっしゃるようで、誠にありがとうございます。
特に力を持ったミュージシャン限定と言う訳ではないので、例えば学校の昼休み、職場の飲み会、合コン、上司への業務報告、お隣さんとの朝の挨拶等でも言ってみて下さい。
素敵なコミュニケーションの一環となるはずです。
アナウンサーやスチュワーデスやエレベーターガール学校の放送局等公に人前でアナウンスをする機会がある方も、締めの言葉はこれから「それにしてもピンチ座のCD楽しみだよね」と言う感じで。
しかし、人様に頼ってばかりでこちらが何もしないのでは示しが付きません。
なので、感謝の意味も込めまして、発売日(4月1日)までに少なくともママチャリ日記第7弾くらいはアップしようかと。
ここも更新頻度も発売日までは少なくとも3日に1回はしようと思っております。
よろしくお願いします。
で、録音の方は音楽方面は順調に進んでおります。
レコーディング時に、カメラマンを入れたのですが、今回お世話になった男気あふれるフォトグラファーnojyoさんのH.Pにその時の模様が素敵な写真付きで紹介されています(追記:ここ(2/4のblog)とここ(2/7のblog)で直接ピンチ座recの模様が書かれた日に行けます。他にも格好いい写真が一杯あるので是非見てみて下さい。nojyoさんサンキュ)。
意外とまじめにやっている様が確認出来ると思いますので、興味のある方は是非。
では、明日から某ギタリストの録音作業のためしばらくスタジオに籠ります。
夏頃発売らしいです。これも是非。詳細わかり次第こちらでも随時報告をば。
05.02.17 田中栄二です。
そんな訳で宣言通り更新速度を上げて行きます。
ただ、面白さについては保証しかねます。
現在、某ギタリストのソロアルバムレコーディングの為、連日スタジオ通いです。
家にいながら、同じ場所に通うと言う事がなにげに少ないので、なんだかちょっと奇妙な気分ですね。
何か面白い事件が起こったらこちらでもお知らせしますが、残念ながら今のところ事故も無く順調に進んでおります。
というか、このレコーディング自体ひょっとしたら事件かもしれないのですが。
なかなか濃い内容で、しかも状況的にパンチイン(って、もはや誰でも知ってますかね。まあ知らない人は知らない方がいいです)が出来ないという罠があり、集中力も使いますし、なにより曲が結構な体力を要するものが多くて、大変と言えば大変なんですが、まあそれでも同じ場所で、セットもいちいちバラさずに済む(まあ多少のセット替えはやったりしますが)と言うのは楽でいいですよ。
同じ場所に通って、同じセットを叩くって、なんだか箱バン時代を思い出しますね。
知ってますかね、箱バン文化。
私、札幌にいた頃にこの箱バンを1年ほどですが経験しまして。
8年前くらいですか。
東京やその他の地域の事情はよく知らないのですが、私がやっていた当時の札幌には結構な数の飲み屋でバンドを雇っていたんですよ。
ススキノ大手のキャバクラグループ(?)の偉い人がどうやらバンド好きらしく。その当時札幌箱バン文化は結構栄えていたんです。
私、箱バンに入るまでは、「箱バンなんてミュージシャンのやる事じゃないぜ」ばりに抵抗感があったんですが、確かにお金にはなったし、上京資金を貯めるのにはちょうど良いし、何事も経験という感じで入ったんですよ。
まあでも、入ってしまったら見事に夜の人間に
で、私は主に2件の店を掛け持ちしておりまして(あいにくキャバクラではなかったんですが)、両方の店を自転車で行ったり来たりしていた訳です。
実に、両店を会わせて1日9回ステージ。
その当時は極普通に何の疑問も持たずこなしていたんですが、今考えると結構なステージ数ですね。
掛け持ちをしているせいで、互いの店の休日が合わず休みは一日も無かったし。
で、通常は夜8時50分から最初のステージが始まり、ラストのステージが深夜4時半からという感じだったんです。
つまり、a.mとp.mの違いだけで、完全に9時→5時という健全な仕事ぶりだった訳ですよ。
私が行っていた2軒の店というのが、片方がアースウィンド&ファイヤーやらタワーオブパワーやらスティービーやらクール&ギャングと言った、70年代ディスコを彷彿させるような事を中心にやっている店で、もう片方が店名が「ELVIS」というくらいエルビスプレスリー色丸出しの店で、50年代のロカビリーナンバーを中心に演奏している店でして、アース→エルビス→アース→エルビス→アース→食事→アース→エルビス→アース→エルビスという分単位の音楽性の変化があり、それはそれで面白かったんですがね。
しかし、当然楽器は置きっぱなしだし、身一つで出勤、演奏、移動、演奏と言う感じで、やる曲も限られてくるので、最終的には「毎日同じ日常が流れていくわ」という有閑マダム的な感覚にさえなったものです。
で、たまに違う店のドラマーのトラに駆り出されたりする事がありまして。
基本的に2軒の店だけで一杯なんですが、唯一空いている時間が40分ほどあって、その間にいつも食事をとっていたんですが、また綺麗にハマっているステージが他の店であったりしまして。
これが、大抵キャバクラのステージだったりする訳です。
トラと言っても、事前に資料を貰ったりするようなシステムはススキノの箱バンには無く、完全に初見でやらなければ行けないんです。
私の初見能力と言うのはキャバクラで養われたと言っても過言ではありません。
しかも、マスターリズム(まあコードとか大まかなリズムパターンとかキメとかざっくりした情報が書かれている物ですね)があって、それを元にバンマスが何らかの説明をしてくれて、割と好きに解釈して演奏すると言うスタイルの初見ではなく、譜面はドラムのパターンからフィルに至るまですべての指示が書き込まれている譜面(書き譜って言うんですかね)しか存在せず、しかも一曲目以外は演奏直前、というか曲がコーダに飛んだあたりで次の曲を番号(ファイリングされた譜面の番号ですね)で知らされると言う、まさにこれぞ初見と言う感じなんです。
まあ、誰がトラに来ても毎回同じプレイが出来るようなシステムになってはいるんですが、今考えると恐ろしい話です。
で、こういう状況で初見演奏を繰り返していれば否応無しに初見は強くなっていくんですが、ススキノのキャバクラには更に初見能力を高めさせる罠が仕掛けられておりまして。
その当時、キャバクラなんてプライベートではまるで縁のない世界でしたので、仕事で行くとは言え、一体どんなめくるめく世界なのかという方に興味が行ってしまうのは、まあ仕方の無い事でして。
エレベーターの匂いからしてもうめくるめくな訳です。
で、店内へと進めば、なるほどこれがいわゆる大人のディズニーランドかという、もうなんていうかあれな世界な訳で。
それは組体操かい?と疑うよう格好で男女が会話している訳ですよ。
しかし、レギュラーでやっているステージの合間に無理矢理やるステージですので、ゆっくり干渉する余裕も無く、更に初見で曲をこなさなければならないプレッシャーも多少あったりする訳で、急いでステージに上がり、準備をしなければなりません。
ただ、まあすべてのキャバクラがそうでは無いんでしょうが、私が行ったキャバクラ、バンドが乗っている舞台の位置がちょっと面白いんです。
具体的には忘れたんですが、いわゆる「指名待ち」の女の子が溜まっているポイントがですね、ドラムセットのすぐ左横なんですよ。
で、指名待ちな訳ですから、まあ行ってみれば休憩に近い感覚なのか、多少気分的にも無防備な感じがうかがえ、さらに衣装に関しては確実に無防備な訳で。
まさに、譜面台の先は男のワンダーランド。
しかも、そのキャバクラ、どういう親切心なのかわかりませんが、譜面台が透明なんですよね。
しかし、如何せんこちらは初見で曲をこなさなければならず、悠長にワンダーランド見物が出来る状態ではないんですが、ワンダーランドの匂いだけ嗅ぎながらただ譜面にかぶりくだけでは、餌を目の前にして「お手」とか「おすわり」とか「チンチン」とか「バーンと言ったらくるっと回転する」とかいう芸をやらされたあげく「待て」とか言われて待っている間に猫に餌を横取りされる犬くらい惨めな状況です。
無防備な女の子に見つめられての初見と言うのは、ある意味極限状態です。
しかし、極限に近い状態に置かれると人間というものは恐ろしい能力を発揮するようで。
その当時は、隣の無防備な女の子を見たいが為に書き譜だろうと何だろうと譜面を見た瞬間にほぼ暗譜出来たんですよ。
火事場の馬鹿力と言う奴なんでしょうか。
さすがに今ではそこまでは無理ですが、読譜力は飛躍的に伸びた気がします。
ですので、「いやあ、譜面が弱くて困ってるんだよね」という方、隣に無防備な気分で無防備な格好の女の子を配置しておくと読譜力が上がると思われますので、一度お試しください。
ただ、勢い余ってその子を好きにならないように注意して下さい。
後で知ったんですが、箱バン文化ではその手の女の子の恋愛は絶対禁止になっています。
05.02.20 それにしても、楽しみですねえ。
あの劇団。
と言う訳で、なにげに相変わらず歯の調子が芳しくない田中栄二です。
以前書いたように、歯の痛みが痛みだし歯医者に行ったところ、歯周病と診断されまして、それから週一回ほど歯医者には通っていたんです。
歯周病の疑い有りと言われ、聞き慣れた言葉ではあってもはてさて具体的にどのような病気なのかはあまりに知らず、多少なりとも「おい大丈夫か俺」と思った訳で。
一昔前であれば、なんらかの病気に掛かったとしても、誰でも日常的に掛かる病気でなければ一体どのような対処法があるのかと言うのは、よほどの病気マニアでもなければ、おばあちゃんの知恵袋的な風聞か、後は病院にいって医者の話を鵜呑みにしてしまうしか手だてが無かった訳ですが、高度に発達した情報化社会たる現在では、インターネットを駆使すればいとも簡単に病気の情報を入手出来る訳です。
で、とりあえずネットで歯周病を色々検索してみまして。
そこで、私は本当に歯周病なのか疑われる事実がいくつか出て来まして。
で、あの、ここまで書いたんですが、現在ピンチ座CD追い込みの為、続きはもう少し待って下さい。
もうなんか無理矢理更新ってことで。
すいません。
05.02.24
田中栄二です。
そんな訳で、歯周病かどうなのかと言う話です。
歯が痛み出したのは、実は去年の年末あたりなんです。
まあ、親知らずが疼いて痛み出す事はこれまでもまま有り、一度歯医者に言って検査してもらったところ「まあ(親知らずが)悪い角度で生えている訳じゃないから、たまに痛み出しても基本的には時が経てば痛みは消える」という話をされ、実際、2、3日すれば痛みは消えていたんです。
しかし、今回は思いのほか痛みが長引いたので、これはいよいよ虫歯かと改めて歯医者に行ってみたという次第でして。
で、診断結果が「歯周病」と。
歯周病と言う病名は聞いた事があっても、実際どのようなものなのかと言うのは実は良く知らず、初日の診断を終え、ネットで色々調べてみた訳です。
でね、どうも私の症状と、ネット上に出ている歯周病のオーソドックスな症状が合致しない点がいくつも浮上して来まして。
まず、歯周病とひとことで言っても色んなタイプがあるらしいのですが、とにかく一番恐ろしい事は「初期症状ではまるで痛みが無く、いつの間にか歯が抜け落ちてしまう」という事らしいんです。
つまり、痛み出したら、もう結構アウトという状態らしいのです。
しかし、診断では「初期の歯周病」と言われたんですよ。
で、もう一つ決定的に歯周病の代表的な症状と私の症状が違う点がありまして。
どんなタイプの歯周病にも共通して言える事は、「歯茎から血が出る」という事があるらしいのです。
で、私、ほとんど出血は無いんですよ。
痛み出してから結構気合いを入れて磨いてるつもりなんですが、ちょっと出血するくらいでして。
とりあえず、3回ほど通っても全く痛みは消えず、私の中で通っている歯医者そのものへの不信感が高くなっていきまして。
自分が本当に歯周病かと疑い出したと言うのもあるんですが、通ううちに、私の思う方向の治療と、歯医者が実際行う治療との方向性のずれが出てき始めたんですね。
解散の危機です。
私としては、とにかく抜いても何してもいいから痛みを取って欲しい訳です。
しかし、歯医者的には「こいつは歯周病だから」と、歯周病の王道的な治療をしたがる訳ですよ。
つまり、実際に痛いのは奥歯なのに「前歯の方がちょっと進行しているから」という理由で奥歯は放っておかれて前歯の歯石取りに一日費やされたりした訳です。
まあ、向こうはプロな訳ですから、プロなりの思惑があるとは思うんです。
しかし、まあ微妙な気分にはなる訳で。
なんと言うか、結婚式のBGMで友達のプロミュージシャンに「静かなジャズをやってくれ」と頼んだのに、「この良き日に俺の魂を全力で捧げます。本当におめでとう!」とか言われていきなりフリージャズをどっかんどっかんやり出された新郎新婦の心境ですよ。
よかれと思った事が全く伝わらない感じですか。
まあそんな感じの感情を抱きながら、しかし今から歯医者をスイッチすればこれまでの治療が無駄になる事にもなるだろうし、半ば惰性的に通い続けていまして、何度目かの診察日が訪れます。
で、いつものように歯周病を前提とした治療を施され、歯石を取っていた助手の方(♀)に歯の磨き方のレクチャーを受けます。
助手「・・・と言う感じで、歯を磨くと言うよりかは歯茎の方も磨かないといけないんですよ」
私「そうですか」
助手「田中さん、歯を磨いてるとき血が結構出ますよね」
私を歯周病と疑わないその助手が、決まり文句のように私にこう切り出します。
私、美容室なんかで鏡を使って後ろ髪を私に見せて「こんな感じでどうですか」なんて言われても、よほど大胆に間違った髪型でなければ「あっ、いいですね」というタイプなんです。
自分の意志に関わらず、会話のキャッチボールでつい流れのいい方に行ってしまいがちなんですね。
例えばレコーディングとかで「この曲は○○風に叩いてくれ」とか言われてうわそんな奴全然知らねえとか思っててもついつい「あっ、はいわかりました」ととりあえず言ってしまうんですよ。
まあさすがにその場合は、急いで知り合いの様々なジャンルに造詣が深いミュージシャン(キーボードMとかギター兼役者Mとか。いつもお世話になってます)に電話して「そいつ誰?どんな感じ?」と聞いて雰囲気でなんとか切り抜けるんですが。
で、このパターンもつい助手のペースに巻き込まれ、いつもなら「あっ、血出ますねえ」なんて言ってしまうところなんですが、不信感が多少なりとも芽生えていたせいか、ここは引けんと正直に現状を告白。
私「いや、それがあんまり、というかほとんど血がでないんですよねえ」
これで、ひょっとしたら歯周病以外になにか痛みの原因があるかもしれないと、改めて検査してくれるんじゃないかと言う一抹の期待を込めつつ、その助手に言います。
しかし、私の期待した返答とは異なる返答をまるで聞き分けの無い子供を諭すような口調で、その助手は私にこういいます。
助手「それは、あなたの磨き方が悪いんです」
なるほど、君の中ではどっちにしたって歯茎から血が出る事は決定してる訳か。
あっ、多分君はあれだね?
ガリレオが「いや今更すげえ言いづらいんだけど、地球って回ってる気がしない?」と言ってきた時に「それはあなたの頭が回っているからです」っていうタイプだね。
まあ、もっと色んな可能性を模索するとか言う努力はねえのかよ、とか思った訳ですが、本当に磨き方が悪いかもしれないし、その事は素直に受け止め、ついでに歯周病は初期段階では痛みは無いはずなのになぜ痛いのかと言う事についても探りを入れる事に。
私「それにしても歯周病ってこんなに痛むものなんですかねえ」
助手「初期段階では痛みを感じる事は普通無いんです。だから気がつかない人が多いんですが田中さんはラッキーですよ」
ラッキー?
今、君ラッキーって言った?
まさか、ついてるって事じゃないよね。
勢い余って君んちの犬の名前をうっかり言っちゃたんだよね。
まあ、そんな感じで終始歯周病一点張りの助手だった訳ですが、他の患者を診ていた先生がやっと私の診察を始めた時に、痛みについて色々聞きまして、あらかたの疑問は解けたんです。
やはり初期段階の歯周病が痛みの原因にはなっていて、なぜ普通は痛みを伴うことは無いのに痛み出したかについては、これが面白い事にドラムが原因らしいんですよ。
私、演奏中に思いっきり歯を食いしばる癖があるんです。
ふと気がついたらそう言う癖がついていたんですが、遅い曲で2拍4拍にスネアを落とすときとか、間を取る為に結構力強く噛み締めているんですよ。
例えばスポーツ選手とかにも良くある症状なのだそうです。
で、結局噛み合わせとかを調整してもらい、更に奥歯に食いしばっても多少耐えれるようななんらかの物体を埋め込んでもらって、最近は大分調子が良くなりました。
やっと飯も普通に食えるようになったし。
歯茎から血が出るようにもなったし。
と言う訳で、歯が痛み出して初期段階の歯周病と診断された方は「俺すげえついてるんだよ。初期の歯周病で痛みが出たんだぜ」と近所に自慢して回りましょう。
それにしても、ピンチ座のCDなんだか物凄くいいらしいですね。
某所で鋭意努力を促されている当劇団ですが、おそらくあんたらが考えてるよりずっと努力していますので、気長に待っていて下さい。
すまんね。
05.02.28
田中栄二です。
北海道に「糠平(ぬかびら)」という温泉街があるのですが、そこと帯広を結ぶ路線バスのチョロQが今一部で話題を呼んでいるのをご存知でしょうか。
どうやらバス会社のノベルティー的なものとして作られた物らしいのですが、現在申し込みが殺到しているらしいんです。
おそらく、チョロQコレクターからの注文が多いのでしょうが、いくらコレクターだからといっても、チョロQくらいメジャーな玩具になれば種類も多いだろうし、なにか強力な特徴が無いと話題にはならないと思うんです。
で、なぜこのチョロQが話題になっているかと言いますと、早い話がミスプリントがあるんですよ。
路線バスを再現したチョロQですので、当然「○○行き」的な看板(方向幕っていうらしいです)がバス前面についている訳ですが、この看板に「糠平温泉」と書かなくてはいかないところを「糖平温泉」と書いてしまったらしいんです。
この話、私、深夜のニュースで見たんですが、この商品はバス会社(十勝バス)が玩具メーカーのタカラに発注した商品らしいのですが、どうやらミスの原因はタカラの担当者が完全に勘違いしたということらしいんです。
で、発注した十勝バスの担当者がインタビューを受けていたんですが、なんでも販売ギリギリになってこの間違いに気がついたらしく「気づいた時は血の気が引いた」と。
そりゃそうです。
自社のノベルティーグッズにミスプリントがあるとなれば、会社の信用にも関わりかねません。
あってはならないミスです。
しかし、十勝バスは、ミスプリントであると言う事を知りながら、販売に踏み切ったんです。
発注した方からすれば、これは当然業者のミスな訳で、クレームをつけて損害賠償請求なり、ちゃんと直してもらって改めて発売し直すなり出来たと思うんですよ。
なぜ、ミスと知りながら販売したか。
この件に関して、十勝バスの公式ホームページでは次のように説明されています。
以下、またまた例のごとく無断抜粋。
昨年に続き旧国鉄代替バスをモデルとしたチョロQの発売をいたします。
言い訳する気ゼロだね。
まあつまり、おそらく十勝バスではこういう結論に至った訳ですよ。
なんかさあ、新聞でも話題になったしさあ、とりあえずシール付けて売っちゃわない?
もう、なんでしょう。
完全な開き直りです。
しかし、結果としてこの判断が話題を生み、前出のHPによると2月21日に販売を開始してもうすでに6000個を完売したらしいんです。
まあ、別に私、この十勝バスの判断がおかしいんじゃないかとか、そう言う事を言いたい訳じゃないんです。
このように、物の価値と言う物はしばしば不作為のミスと開き直りから生まれると言う事が言いたい訳で。
で、くどいようですが劇団ピンチ座のファーストアルバムが4月1日に発売になります。
我々、ここ最近は戦争レベルの追い込みだった訳ですが、苦労の甲斐あっていいものに仕上がったと言う気がしています。
ただ、随所に不作為のミスは潜んでいます。
というか、このCD自体ある意味不作為のミスかもしれません。
しかし、ここは開き直っていこうと言う結論でして。
つまり、このCDはプレミアが付く可能性を十分秘めている訳です。
そんな訳で、前も言いましたが、財テク感覚でも一つ。
いざとなったら最初の600枚はピソチ座って微妙に名前を間違っといて、シールを添えて発売しますので。
*CD制作にご協力いただいた方々、本当にありがとうございました。お陰様でなんとか仕上がりました。
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