瞬間胸キュン理論
現在の恋愛形態は変貌を遂げつつあります。
インターネット、電子メール等のツールの急速な普及により、出会いの媒体は実に多様化しきました。
切っ掛けは出会い系サイトなんてカップルも今や珍しい事ではありません。
会った事のない人間にでも恋愛感情を持つ事ができる、今はそういう時代なのです。
ではここで、出会い系サイトで知り合った場合の軌跡を辿ってみましょう。
ひろし君の場合 サイト登録⇒⇒⇒運良く返事が来る⇒⇒⇒返事をする⇒⇒⇒返事が来る⇒⇒⇒返事をする⇒⇒⇒返事が来るのが待ち遠しくなる⇒⇒⇒ハートマーク入りの返事が来る⇒⇒⇒返事をする⇒ハートマークがふんだんに使われた返事が来る⇒⇒⇒恋をしている自分に気付く⇒⇒⇒返事をする⇒⇒⇒返事が来る⇒⇒⇒ひょっとしてこの子は俺に恋をしているんじゃないかと思いだす⇒⇒⇒それとなく探りを入れてみる⇒⇒⇒まんざらでもない返事が来る⇒⇒⇒思いきって告白してみる⇒⇒⇒一度会いたいな。と言う返事が来る⇒⇒⇒天に登る⇒⇒⇒今度の日曜日に渋谷で会おうよ⇒⇒⇒おっけ〜。じゃあ8時にハチ公前で。⇒⇒⇒7時50分にハチ公前に行く⇒⇒⇒ひろしさんですか?⇒⇒⇒由香里さん?⇒⇒⇒想像と違ったがセーフ⇒⇒⇒飲みに行く⇒⇒⇒微妙に盛り上がる⇒⇒⇒終電で帰る⇒⇒⇒電車内で今日は楽しかったですと打つ⇒⇒⇒また会おうねと返事が来る⇒⇒⇒完全に恋に落ちる⇒⇒⇒返事をする⇒⇒⇒返事が来る⇒⇒⇒家に着く⇒⇒⇒返事をする⇒⇒⇒返事が来る⇒⇒⇒今度はいつ暇?⇒⇒⇒来週の金曜なら⇒⇒⇒小さく拳を握りしめる⇒⇒⇒金曜日までそわそわする⇒⇒⇒金曜日になる⇒⇒⇒ハチ公前へ⇒⇒⇒飲みに行く⇒⇒⇒思いっきり盛り上がる⇒⇒⇒今日はとことん飲もうよ⇒⇒⇒よ〜し、飲んじゃうぞ。⇒⇒⇒腕を組む⇒⇒⇒勝ち戦である事を確信する⇒⇒⇒もう一軒行く⇒⇒⇒改めて告白してみる⇒⇒⇒本当に私でいいの?⇒⇒⇒もちろん⇒⇒⇒よろしくね。⇒⇒⇒店を出る⇒⇒⇒思いきって○×△□⇒⇒⇒○×△□?⇒⇒⇒うん○×△□⇒⇒⇒えっ、でも○×△□⇒⇒⇒○×△□!!⇒⇒⇒○×△□・・・⇒⇒⇒○×△□○×△□○×△□○×△□○×△□○×△□○×△□○×△□○×△□○×△□・・・・・・・・・・・・・・・・・・
御覧のように、ひろし君は、1.サイト登録 2.メールのやりとり 3.実物との出会い 4.再度メールのやりとり 5.ゴールイン という5段階の行程を踏んでいます。
さて、ここで良く考えて頂きたいのは、恋愛の醍醐味とは何かという事です。
それは、駆け引きです。
実際に結ばれるまでの過程が恋愛の醍醐味なのではないでしょうか。
では、このひろし君の場合、どの段階が一番恋愛の醍醐味を堪能していたのか。
ひろし君は、2から3(メールのやりとりから実物との出会い)までの間に相当数の時間を費やし、更にこの2から3の行程でひろし君は恋に落ちています。
つまり、ひろし君は、実際の彼女に会う前に、恋愛の醍醐味である恋の駆け引きの部分を堪能していると考えられます。
彼女から来たメールの内容により、由香里さんの虚構を造り出し、恋愛の醍醐味たる駆け引きの部分は、ほとんど虚構の由香里さんと行っていたという事になります。
そうです。もはや恋愛に実体を伴う必要などないのです。
これこそまさに、人間の持つ創造性を究極にいかした新しい恋の形といえるのではないでしょうか。
では、ここでもう一歩踏み込みます。
例えば、比較的空いている電車内で、向い側に座った女性(男性)とちらっと目が合ったとします。
それが恋の始まりです。
ここで素早く思考を推し進めます。
きっと向こうはこちらを意識しているはずだ⇒⇒⇒いや、絶対そうだ⇒⇒⇒そうに違いない⇒⇒⇒というか、もうお互いに恋をしているんじゃないか⇒⇒⇒あっ、また目が合った⇒⇒⇒今告白された⇒⇒⇒返事をしないと⇒⇒⇒なかなか目が合わない⇒⇒⇒きっと照れているんだ⇒⇒⇒目が合った?⇒⇒⇒なんだ、もう付き合ってるんじゃないか⇒⇒⇒付き合ってから2駅経つね⇒⇒⇒倦怠期⇒⇒⇒あっ、降りちゃうの?⇒⇒⇒振られたか⇒⇒⇒いい恋したなあ・・・
ほんの少しの切っ掛けさえあれば、恋愛の醍醐味である恋の駆け引きは充分可能になります。
これが瞬間胸キュン理論です。
この理論を実践する事で、サイト登録や、メールのやりとりといった面倒な作業をする事なく、恋愛の醍醐味だけをいつ何時でも体験できるのです。
しかも、活字の世界よりもより正確に、簡単に由香里さんを創りだせます。
更にこの理論、コンビニやレンタルビデオでも簡単に応用が可能です。
さあ、この理論をたずさえて街に繰り出しましょう。
きっと素敵な胸キュンがあたなを待っているはずです。
ただ、この理論を実践するに当たり、一つ注意事項があります。
決して本当に話し掛けたりしないで下さい。
とても危険です。
さあ、ここまで理解できたあなた、更にもう一歩前進してみませんか。
それでは、次回もう1ランク上の理論、脳内結婚理論を御紹介しましょう。
尚、この脳内結婚理論は某キーボディスト発案による理論です。 |