さるかにがっせん




ある日のこと、栗やハチたちとかくれんぼして遊んでいた子ガニは、

美味しそうなおにぎりを見つけた。


「お母さんにプレゼントするんだ!」

「お母さん、きっとびっくりするね」


その様子をこっそり見ていたずる賢いサルは、

子ガニにそこらで拾ってきた柿の種との交換を持ちかけた。


「この柿の種はすぐに芽が出て、美味しい柿の実がたくさんできるんだ。

そんなおにぎりなんかより、お母さんも喜んでくれるはずさ」


うまいこと言いくるめられて、

子ガニは、おにぎりと柿の種を交換してしまった。


「すぐに柿の実ができるなんて、ウソウソ!

だまされる方が悪いのさ」

ところが・・・


「はーやく芽を出せ、柿の種。出さぬとハサミでちょんぎるぞ」


子ガニが柿の種にそう声をかけると、

種はぐんぐん大きな柿の木になり、柿の実がたくさん!


「いったいどうなっているんだ!?

・・・しかし、うまそうな柿だな・・・」


サルは、木登りの苦手な子ガニに代わり、

自分が柿をとってきてあげると提案するのだが・・・






日本民話「さるかに合戦」を基にした演目。



素直で明るい子ガニに、いじわるなサル。

しびれを切らした仲間たちが協力して、

得意(!?)なかくれんぼでサルをこらしめます。

それを知らないサルは家でくつろごうとすると・・・



悪さばかりするサルにもめげず、立ち向かっていく子ガニとその仲間たち。

そこに観てくれるみんなの掛け声が加われば、もう怖いものナシ!



思いやりとは・・・? 優しさとは・・・?

ちょっと立ち止まって考えてみたくなる、そんなお話です。