「新しい色合い-ティー・クリッパー編」
  新しいバラとの初対面は、庭に新たな色合いが加わることを意味する。全く同じ色合いのバラは、存在しないからである。2006年に発表された「ティー・クリッパー」は、そのことを強く感じさせてくれる。これまでのイングリッシュローズには、あまりない要素を持ち合わせているのだ。
  ベースとなっている色は、明らかにアプリコット色。「アブラハム・ダービー」や春季の「エヴリン」など、同系色の品種を挙げることができる。しかし、花容は独特であり、これらの品種とは一線を画していると言える。
  やや荒々しさを感じさせるロゼット咲き。花径も大きく、まさにボリューム満点だ。樹形は、密に散開する傾向が強く、樹勢も強い。このマッチングが原野で自由奔放に咲き乱れるワイルドローズを想起させる。そして、美しいと思う。
  芳香は、一口に説明するのは難しく、ティーをベースに複数の系統がブレンドされているような甘みを有する。その中では、フルーツ香が強いが、咲き進む過程でミルラ香が強くなることもある。複数の成分が入り混じっているため、香りの系統については的確な表現が難しいが、甘く強く香る。
  おそらく、万人に受ける花ではないだろう。ただ、非常に印象に残る花ではあることは間違いない。新しい色合いと形容するのに相応しいバラであり、初めての出会いは実にエキサイティングなものとなった。ワイルドローズに宿っていたと思われるバラ本来の美しさを感じさせる花であり、このようなバラと過ごすことができる時間は、至福としか形容できない。

ティー・クリッパー

<号外メモ>2007.5.25確認
2007年の新作イングリッシュローズが発表された。
デビッド・オースチンのご令嬢や王室関係等に因んだ命名品種があるうえ、花色も多彩で必見である。
http://www.davidaustinroses.com/



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