第4節 非個人的な趣味
(非個人的な趣味を見つける)
ストレスを減らす方法でよく言われるのは、運動と睡眠改善です。朝日をあびて散歩すれば気分転換にもなるし、適度な疲れとセロトニン効果でよく眠れるようになるとされています。
著者が勧めたいのは「非個人的な趣味」を持つことです。非個人的とは、「自身の価値観に全く関係のない」というのような意味で捉えてください。「優秀であり教養があることがとが良いことである」こういう価値観を持っている人に対して、それを立証するような、ピアノも絵画の知識も、フランス語も、それらが自身の価値観と繋がっている、つまり個人的な関心事である限りあまりお勧めできません。そうではなく、非個人的な興味(趣味)です。
それでどうすれば趣味を見つけることができるのか? 今から30年程前まででしょうか、日経新聞に「個人と趣味」のミニコーナーがありました。行数10行ほどの量の中に、趣味とそれを始めたきっかけが載っていて、「世の中にこんな趣味があるんだ」と感心するのと同時に、「きっかけ」に興味を持ちました。今でこそうろ覚えですが、趣味を見つけるきっかけで多かったのは、
① 友達や家族に誘われる
② 旅行やぶらりとした街歩きの中で、偶然「面白い」と思えるものを発見
この2点が多かったような気がします。意外と少なかったのが、
③ 子供時代に好きだった趣味を復活させる、
で、全くないケースは
④ 「私はこういう人間なので、この趣味は合うはずだ」と理づめに考えることです。
つまり、趣味は好きだから行うのであって、目的があって行うのではないのです。
そこでアドバイスです とにかく外へ出てみて、なるべく意識を内側でなく外に向けてみることで
す。自分の問題にかかわらずに済む時間を持てる、それだけでもストレス解消に結びつきそうです。
そのうえで、何か趣味につながるものが見つかれば、非常にラッキーなことです。
大体において、外界に対して広やかな興味と愛情を持てる人は、バランス感覚にすぐれ、現実対応力が強く、結果、人間関係が豊富になる人です。さらには、自分中心の考えを免れる人です。とにかく始めの一歩として、外にでて自分を忘れる時間を持つことが必要だと思います。