四海困窮 不死の国〜徐福と始皇帝〜
2012年12月
タイトルは「フジノクニ」と読む。何故「フシ」ではなく「フジ」なのかは、本編を読むと勘の良い方なら解るはず。商業誌では商品には到底ならないであろう作品、あえてそうした作品を描きたいので描いた。
漫画の可能性を探る作者としては、こうした内容の作品がもっと世界で制作されても良い様な気がする。
本作は2011年の大震災から今も続いている原発事故を体験した作者が、生と死に対して改めて考え、その答えを形にした作品。もちろん蒼田参漢が描くからには、安っぽいハートフルな感動ドラマを造るはずもなく、人間の欲望むき出しのドラマである。最後のメッセージにある通り、物語の根本にあるのはかつて夢中になって読破した手塚治虫先生の未完のライフワーク「火の鳥」です。「死」は必ずしも人間においてマイナスの事柄ではないという事、「死」を知らねば「生」は存在し得ないという事を、「死」を隠し否定し続ける現代の日本の人々に問いかけたかった。
物語の中で徐福はとうてい主役とは思えない行動に出ますが、果たして読者の皆さんには、この行動を完全否定できる心の強さはありますでしょうか?31P


★ストーリー解説★
あらゆる物を手に入れる事ができる最高の権力者、秦の始皇帝。そんな彼の最後に求めるもの、それは不老不死であった。その道の専門家、徐福を呼び出した始皇帝は徐福に不老不死を求める旅を命じる、そこで徐福が見たものとは…。
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