初の時代モノ。過去の作品は出来が悪く、作者は否定しているため、これが実質上の処女作。人間の心理描写に重点をおくようになり、シナリオに深みができた。ただシナリオに時間をかけるようになったため、これより一つの作品に時間がかかり、時間のなさに作者は奔走するようになった。数少ない認められた作品の一つである。52P
★ストーリー解説★
戦国末期。ある峠での出来事。その峠は啄木鳥峠。魔物がでるという噂の峠であった。その峠に、思惑の違う3人の剣士が現れた。浪人は魔物をたおしその賞金を狙う拝金主義者。剣豪は自分の腕をためすため魔物をたおしにきた兵法者。役人は仕事で魔物を捕らえにきた仕事第一主義者。3人は戦いの中で三つ巴状態になり、それぞれが自分だけ助かろうと舌戦をはじめる。そのままだと3人とも出血多量で死んでしまうため。結局3人同時に刀を引く約束をするが、結局全員が自分だけウソをついて刀をついたものだから・・・結局この峠には魔物など存在せず、こうした噂をきいてこの峠にやってくる人間の欲の醜さこそが魔物なのであった・・・欲はそれぞれちがえども、その末路は同じであった。 |