四海困窮 黒船騒動
2010年4月
幕末は「安政の大獄」以降のドラマ作品は多いが、意外に開国前夜のドラマ作品は少ない。個人的には黒船来航あたりの時代もかなり好きで、特に逸話の多い「日米和親条約」はかねてよりドラマ化したい時代の一つであったのだ。今作品は兎に角、面白い話が多くて何を切り捨てていくかが最も困難であった。一人の主役を描くのではなく「時代そのもの」を描く、いわば群像劇に挑戦したくて取り掛かった作品なのだが、結果的に最も地味であった阿部伊勢守正弘が勝手に喋り出し、他のキャラを抑えて目立ち始め「阿部正弘伝」的な作品になってしまったのは、自分は群像劇が苦手な事を物語っているようでもある。この作品の現代の日本への隠れたメッセージをどれだけの読者が拾ってくれるだろうか!業界初!国防漫画!42P

★ストーリー解説★
江戸時代末期、アメリカのペリー艦隊が江戸湾に姿を見せる。幕府は長い平安の時代から目を覚まし、国防政策に沸騰する。政界の派閥争いに一石を投じ「飾りものの政治家」ではなく「歴史を変える政治家」を選んだ阿部正弘、時代を利用し権力を狙う井伊直弼、開明派を育成する佐久間象山、日本のプライドを守りきろうとする中島三郎助や林大学頭など、日米和親条約をめぐる群像を、当時の日本の政界
を大いに沸騰させた「大船建造禁止令の改正論争」を中心に描く。
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