第一回 劉備立つ!黄巾の乱〜董卓の乱
今回登場する英雄達
劉備(リュウビ) 三国志の主役。ムシロ売りから身をおこして皇帝になった三国一の成り上がり。
関羽(カンウ) 劉備の弟で現在は中華街におわす神様。義理と人情の人。人気ナンバー1。
張飛(チョウヒ) 三兄弟の末弟。酒と喧嘩が大好きな元祖三枚目。粗暴だが憎めない男。
曹操(ソウソウ) 劉備生涯のライバルにして三国最大の英雄。詩人にして兵法家。頭痛持ち。
孫堅(ソンケン) 実力で南方の地の英雄となる。その義侠と忠義心から、多くの人に慕われる。
流れる川は果てしなく 長江に消えた英雄数知れず・・・
善人さえも悪人でさえも 勝者も敗者も関係なしに・・・
青き山と 紅い夕日は ただ変わらずに我を包みこむ・・・
猟師は渚に一人立ち 秋の月 春の風見て年をとる・・・
酒をもって友と会えば 過去の英雄物語なども 今では一夜の笑い話となる・・・
古来よ〜り!治、極まれば乱を生じ、乱、極まれば治を生ず〜! と、いうのである!
と〜い と〜い 昔の中国。うちの国はまだ邪馬台国(?)だったころのお話であ〜る!
長く続いた漢と呼ばれた時代はダメになって世の中は混乱じょ〜たいにあったのです!
政治家たちは私欲をむさぼり、賄賂が横行する時代。インテリの知識人たちも評論してるばっかりで何もしない人ばかり!しかも税金ばっかり高くなる一方!「いいかげんにしろ!」国民の怒りは頂点に達したわけです。「誰か何とかしてくれ〜」「仕事くれ〜」「消費税反対〜」
そんな国民の声を利用して登場したのが新興宗教の太平道。うさんくさい宗教でしたが混乱の世の中とあって、インテリ層にも支持されて一大勢力となったのです。この宗教、自分らのワールドで勝手にやっているならよかったのですが教団がデカクなるにしたがって教祖様は「国を変える」なんて野望をもってしまって、教祖様はもはや革命家気取り・・・ 各地でテロをおこすほどに暴走してしまったのです。(何でも教祖様は試験に落ちた恨みから、政府に敵意をもっていたそう・・・)太平道はいつしか黄巾族と呼ばれるようになりました。
このテロ対策として政府は各地の軍備を強化しました。しかしどの地方財政も予算が足らず兵隊をバイトで新規採用することに・・・ そんな不景気な求人広告を不景気なツラで眺める色白で耳のでかい男が一人・・・
こ〜の男こそが何を隠そう!三国志の主役!劉備である。職業ただのムシロ売り、職歴資格ゼロ・・・ 財産なし、独身・・・ 何のとりえもない男でしたが、たった一つだけとりえがありました。それは野望です!「俺、ぜってー 皇帝になる!」なんていう夢を持つ、危険思想の持ち主だったのです。村のみんなからはハッキリいってヒかれていましたが、こんな大風呂敷に魅力を感じた男が二人いたのです・・・
それが関羽と張飛という体育会系の豪傑です。関羽はヒゲの見事な塩の密売人。張飛はデブのうさんくさい肉屋。だけれど「何かデカイことをやろう!」という野望を二人とももっていました。しかし二人には起業するだけの力はありません。「いい社長いないかな〜」と考えているところに、ベンチャー精神旺盛な劉備が現れたのです。しかも劉備は自分を皇帝の末裔だと自称する始末・・・ 「かけてみるか・・・ このハッタリ野郎に!」こうして三人は世の中でデカイことをするために桃の花の下で義兄弟の契りを結び、バイト募集に応募したのでした・・・ (これを桃園の誓いというのです。)
「やる気」だけは正社員には負けない!ということを見せつけるため、何事にも本気で挑む劉備三兄弟。管理職のおじさんたちからはヒかれていましたが、同僚には認められていきます。ここで出会ったのが、才能バツグンの金持ち息子、だけれど出身にコンプレックスを持つ男・曹操と実力で這い上がってきたガキ大将・孫堅です。この曹操は劉備の生涯のライバルとなる男でありました。三人とも”実力主義の時代”ならではの男たちです。(この三人が国を創るから三国志なワケですな。)
ベベン!彼らの活躍でメデタク黄巾族は滅亡します。劉備は地方公務員として採用されますが、上司とケンカして即辞職する始末。「イバる上司にへりくだって・・・ 俺のビジョンはこんなんじゃあない!俺は皇帝になるんだよ!!!!!!!!」と、叫んで上司をぶんなぐって逃亡・・・ やはり野望高き男は地方の村では満足しないようです。
一方、黄巾族がいなくなって安心した政府は、派閥争いにあけくれます。そんな混乱に乗じて政権を握ったのが董卓という男でした。この董卓、田舎の出身であるために都の豪華な生活に憧れていたらしく、酒池肉林・贅沢三昧の生活をします。「国民の税金であんなことをする奴は許せん!」と曹操は董卓暗殺をたくらみますが、失敗。董卓は呂布という最強の戦士を抱えていたので、手が出せなかったのです。呂布は董卓に金で雇われたボディーガード。自分の父を殺して董卓に裏切った男です。目先の利益に弱く、頭の悪い男ですが、強さは中国一!呂布とハサミは使いよう・・・(この呂布はこれからいろんな人の野望に使われていくのです・・・ 覚えておいてください。)
さて、故郷に逃げた曹操は友達でお金持ちのお坊ちゃま袁紹と手を組んで(というか、うまく騙して)董卓打倒の野党連合を結成します。董卓のことを嫌いな人々を集めて董卓を倒そうというのです。しかしみんなが自分の派閥の利益を考えて足並みが揃わず、目的をとげぬまま空中分解。新しい政党がどんどん誕生するだけで国民は大混乱!「おまえらとはもう組めん!ブチ切れた!俺一人でやったる!」と暴走した曹操は一人惨敗して故郷に帰る始末・・・ 正直者が馬鹿をみるのは、いつの時代も同じこと〜!さして得るものがなかった連合軍でしたが、劉備はここで活躍し知名度を上げ、見事メジャー路線にデビューを果たしたので〜ありました!
「知名度が上がれば、何とか仕事にありつけるじゃろ〜」と、楽観する劉備三兄弟、果たして彼らに明日はあるのか?そして、曹操たち連合軍でも倒せなかった最強の董卓軍を倒し、悪政から国を救うのは一体誰なのか?それは次回のお楽しみ!