第十回 そして誰もいなくなる姜維奮戦
今回登場する英雄達-------
姜維(キョウイ) 孔明の意志を継ぎ、
北伐に明け暮れる苦労の人。
明るさがないので悲壮感のみが漂う。
司馬懿(シバイ) 魏を乗っ取り、司馬一族独裁政権を作る。
孫が三国時代を終わらせて晋帝国を建国。
魏延(ギエン) 裏切りの人相を持つため孔明から警戒されていた
歴戦の名将。最期はあわれ。
ケ艾(トウガイ) 司馬懿が発掘した三国志末期の名将にして
姜維最大のライバル。
鐘会との巧名争いが悲劇の結末を生む。
さ〜てついに、この三国志も最終回と相成りました!ベベン!思えば呂布だ袁紹だなんてのも、もはや昔の話で〜あります。今残るのは曹操の子孫が治める魏、長生き孫権の治める呉、そして我らがバカ殿様・劉禅様がお治めになっておられる蜀の三国で〜あります。
それぞれ魏は司馬懿、呉は陸遜、蜀は姜維が補佐していますが中でも要注意人物が魏の司馬懿。英雄不作となってきたこの時代で、ひときわ野望と才能をもつ男であるからです。司馬懿はこの三国時代の最後の勝者になるつもりであるので〜あります!
さてさて蜀の国はワンマン経営者であった孔明が死んでから大混乱。みんながそのポストをめぐって争いはじめます。かねてより「裏切る裏切る」といわれ続けていた魏延がついに本当に裏切ります。動機は楊儀という人物との仲間割れから。「年功序列だったら、どー考えても孔明の次は創業メンバーの俺だろー?あ〜ん?」孔明でないとこうした年配武将の管理はできません。どうする姜維?だがしかし!孔明は魏延の裏切りを生前より見ぬいていたのでこの対処法を書き残しておいたのでした!
魏延はみんなに躍らされたあげく、部下の裏切りにあって首をはねられてしまいました。政敵・魏延を葬った楊儀は自分が蜀のトップに立ったつもり、しかし人事が決まってみれば次期リーダーはマニアックな文官!「劉禅!それはないだろ〜!」楊儀はこぼしたグチが劉禅様の耳に入って失脚。憤死してしまいます。姜維はそんな政治争いをよそに、せっせと魏・攻略を考えるのでありました。「俺はどうせ戦争屋だよ・・・」
蜀がそんなものだから、魏ではついに司馬懿がクーデターをおこして国を乗っ取った〜!国の政治は司馬一族が支配して、実質上曹操のつくった魏は滅亡したので〜あります!アッケナイ!さてさて魏にも忠臣はおりまして、この魏を乗っ取った司馬一族に対して反乱を起こす者が現れます。孔明のイトコやら都の政敵やらが反乱しますが、いずれもかなわず、あっさり鎮圧。夏侯淵の息子・夏侯覇などは敵であるはずの蜀に逃げ込む始末(もはや誰が敵だか意味不明・・・) 司馬懿は寿命で死んだけれどその子が権力を受け継いで、さらに地位を確立。天下には司馬一族最強説が流れるようになったので〜あります!
夏侯覇とともに魏を倒そうと意気込む姜維。チョットまて!魏は司馬一族が倒したんだから、姜維、おまえの戦争する意味がないぞ!何で司馬一族と戦うの?というツッコミは彼の前ではタブーであります!「後に引けんのだよ・・・ 後に・・・」とにかく戦い続ける姜維。そんな軍人・姜維、平和ボケの蜀の国では必然人気がなくなっていきます。名政治家の費偉が生きてるうちはまだフォローできたのですが、その費偉が死んでもまだ戦争やっているので、蜀の文官からは嫌われてしまいます。負けるな姜維!友達の夏侯覇もある日あっけなく戦死・・・ 「孔明先生の意志を継ぐのは、もう俺一人なのか〜?」と、一人ストイックに戦い続ける姜維でありました!
そんな中、呉では蜀の理解者である陸遜が後継者争いのゴタゴタで死に、孫権もいつしか寿命で死にます。呉の国も孫権死後は後継者争いでゴタゴタが続き、かつてのような英雄も現れず、寒い時代が続きます。呉もあてにならなくなった姜維は一人で魏(というかもう”晋”といっていいでしょう)と戦いますが、魏には宿敵・ケ艾が登場して姜維の進攻を見事食い止めます!「孔明と司馬懿の対決の後にこれを見させられても、盛り上がらないよな〜」という周囲の冷たい目をよそに十年戦争する両者!「もういい!やめろ〜!」そんな声が聞こえたのか聞こえないのか、晋はついに本気で蜀を攻撃。ケ艾は抜け道を通り蜀の都を襲い、蜀の国を滅ぼしたのでした。平和ボケしていた蜀の国は、あっさり降伏したのでした。メデタシメデタシ。
「・・・・・ チョットまて〜!こんだけ長い三国志が、こんなあっさり終わっていいのか〜!」と、熱い姜維は一人怒ります。「まだまだ、最後のチャンスがあ〜るぜ〜」とばかりに姜維は蜀を取り返す作戦を〜考えついた!ベベン!その一大作戦とは!「まず、晋のケ艾と仲の悪い鐘会と組んで、ケ艾を倒す→鐘会にクーデターを起こさせる→その後、俺が鐘会を倒して蜀を乗っ取る!」名付けて「リベンジ・オブ・姜維!」この作戦、ケ艾を殺すまでは成功しましたが、クーデターは事前に密告者が出て失敗。あわれ姜維は鐘会と共に、蜀の地に散ったのでありました・・・
野望多き者たちが全て共倒れになって一人勝利宣言するは晋の司馬一族!「終わり、終わり、しゅ〜りょ〜!」と、最後の仕事、呉の攻略にとりかかります。
呉ではかつての董卓のような暴君が支配しており、すでに民衆の心は晋の国の解放軍を待つばかり、陸遜の子がガンバッたりしましたが、晋の軍には勝てず、呉も晋に降伏。ここに三国は晋の司馬一族に統一され、晋の国に統一されたので〜ありました!長きに渡る戦乱の世も、ここに見事統一されて、英雄たちのお話も、これで終わりとなったので〜あります。メデタシメデタシ?
古来より!治、極まれば乱を生じ、乱、極まれば治を生ず! と、いう!
乱が収まり治に入る時、それはまた、新しき乱の前兆かもしれないのであった・・・
さてさて、果たして晋の統一で、本当に平和な時代がやって来たのでしょうか・・・(それは歴史の知るところ・・・)
終わってみれば三国志! 三国だれも勝者はおらず! 後に残るは英雄談義!
これで終わりとなりますが、心に残る物語、ぜひに詳しく知りたい方は、全編通してお楽みあれ!
それでは「お笑い三国志」 こ〜れ〜に〜て あ!終〜了〜! 再見!