錬金術とはなに?

その昔、西洋では全ての物質は硫黄と水銀、塩でできていると考えられており、それらを組み合わせることでどんなものでも作り出せるという発想がありました。鉄や、銅、亜鉛など容易に手に入る安価な金属を加工して、金や銀、白金などの貴金属に変える技術のことを錬金術といいます。(もちろんそんなこと出来る訳がありませんが)錬金術師は結構有名な人もいて、他の分野で大きな功績を残した人もいます。惑星運動の重要な法則であるケプラーの法則を発見した天文学者ケプラー、そして地動説を唱えたコペルニクスなどは、皆錬金術師でした。しかしながら、現代の科学で言えば、元素と元素を結びつけたり、切り離したりする化学変化で銅や亜鉛から金を生成しようというのは無理な話ですね。

その最終目的である金を生成させる錬金術は、科学知識が未熟な時代の人々のまさに幻想であったと言えますが、金やプラチナを生み出そうとする様々な実験が、その後の化学の発展に多大なる貢献もしたといえるでしょう。