マックホルツ彗星という名前は、どうして付いたのでしょうか?マックホルツは人の名前です。彗星は、見つけた順番に名前自分の名前が付きます。ヘール・ボップ彗星は、大彗星で有名ですが、ヘールさんとボップさんがそれぞれ独立に発見したのでその様な名前がつきました。ヘールさんが先に見つけ、その後ボップさんが見つけたのです。変わった名前の彗星もあります。IRAS・荒木・オルコック彗星という名前の彗星がありました。IRAS はNASAの赤外線天文衛星、荒木さんは日本人の彗星捜索をしていた方で、オルコックさんがそれぞれ独立に見つけたのです。発見順は、名前の順番通りです。池谷・関彗星、本田彗星、百武彗星、本田彗星、多胡・佐藤・小坂彗星、宇都宮彗星などなど、昔から日本は、アマチュアの彗星捜索家が多く世界でも有名でした。その中でも特に有名な彗星・小惑星の捜索家の関 勉氏のHPは、ここです。しかし近年は、こうしたアマチュアの彗星捜索も厳しい時代を迎えつつあります。地球に接近し、地球に衝突する恐れのある小天体をリストアップしようという気運が高まり、プロがそうした小天体を発見するために活動を始めたのです。代表的なものでは、リニアプロジェクトというのがあります。リニア(LINEAR、リンカン地球接近小惑星探査)プロジェクトは、マサチューセッツ工科大学リンカン研究所がアメリカ空軍の資金を受けて行なっているプロジェクトで、地球に接近する可能性がある小惑星(NEO)を検出しリスト化することを最終目的としていますが、その副産物として、新彗星がそうした捜索にひっかかる様になり、リニアプロジェクトにより発見された彗星は、すべてLINEAR彗星と名付けられてしまいます。90%以上の彗星がそうした捜索網で発見される事になってしまっています。年間何十個のリニア彗星が誕生しているのです。昔は名前を聞いただけで、どの彗星かわかりましたが、最近はリニア彗星と聞いても、それだけではどのリニア彗星なのか分からないのです。そんなわけで最近は、リニア彗星C/2002 T7 とか リニア彗星C/1999 S4など 西暦と発見順で付けられた番号で判別する。そんな味気ない状態が続いていますが、そんな中でこの彗星は、アメリカ・カリフォルニア州に住むアマチュア天文家・マックホルツさんが、2004年8月27日に、口径15cmの望遠鏡でエリダヌス座で発見したのです。彗星の捜索家は、この様な状況下でも彗星発見を夢見て毎夜捜索を続けているのです。