四季の星座
各季節の星座チャートはクリックすると拡大します。
春の星座達
春の星空は冬の星空とちがい星々の瞬きも落ち着いて見えます。また豪華絢爛な冬の星空に比べると、天の川も見えませんし一等星の数も少なく少し寂しく感じるかもしれません。春の星座散策は北の空高くに昇った北斗七星から始めましょう。北斗七星は都会の星空でも良く見える星座の一つで、おおぐま座の尻尾の部分になります。熊に本来尻尾など無いのですが、星座神話のくまさんには尻尾があります。その尻尾の曲線を右の星図のように南の方へのばしますと、まず行き当たるのが、オレンジ色の明るい星です。うしかい座の一等星アークトゥルスです。更にその曲線を延長していくと、真珠色の星、おとめ座の一等星スピカを見つける事が出来ます。この春の空に描かれる大きなカープを「春の大曲線」と言います。アークトゥルスとスピカを底辺に三角形を描きその頂点にしし座のお尻の部分の星、デネボラが見つかります。その3つの星で描かれる三角形を春の大三角といいます。そこからしし座の頭の方に眼を向けると、しし座の一等星レグルスが輝いています。しし座の頭の部分を形づくる裏返しのクエスチョンマークをししの大鎌といいます。
夏の星座達
右の星図は、夏の宵の頃の星空の様子です。夏の星座は、夏の大三角を形作る3つの一等星、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを見つける事からはじめましょう。はくちょう座のくちばしの先に位置する星は、アルビレオと呼ばれる美しい二重星で、望遠鏡で覗くと青い星とオレンジ色の星が色の対比も鮮やかに寄り添い、それは見事な長めです。東の中天に昇ってきた、夏の大三角から、南のいて座からさそり座に掛けて星空の綺麗な場所では、それはそれは綺麗なMilky Way天の川を見ることが出来ます。この辺りは、散開星団と散光星雲の宝庫で、広視界で低倍率の双眼鏡で散策すると息を飲む程美しいです。特にいて座の方向の天の川は、我々の銀河系の中心方向にあたり、星の密度が高く天の川もひときわ濃くなります。南の空には、赤く輝くさそり座の一等星アンタレスが見えます。この星図ではさそり座の上半部が見えているだけですが、ほとんどの地方では、釣り針型の見事な姿が見えるはずです。
秋の星座達
秋の夜空は、明るい星が少なくやや寂しい感じがします。しかし、かすみがちだった夏の空が大気中の湿度が下がる事で急激透明度が増し、星々は輝きをまします。宵の西空にはまだ夏の星座達もみえています。頭の真上の方には、アンドロメダ座とペガスス座の星が形作る四角形、秋の大四辺形が見えています。この四辺形を手がかりに各星座を見つけてください。アンドロメダ座には、我々の銀河系のお隣の銀河系(といっても210万光年も離れています)が見えていて、空の本当に綺麗な田舎では肉眼でその存在を確認する事も出来ます。もちろん低倍率で広視界の双眼鏡があれば、紡錘状の形を見ることができますし、低倍率の接眼レンズをセットした少し大きめの望遠鏡があれば、渦状の構造も見て取れます。せっかく見るのであれば、アンドロメダ銀河が、太陽のような自分で光る恒星が2000億も集まった物であることや、光りの速度(秒速30万キロ)で210万年もかかる距離にあること、遠い距離に思えますが、我々の銀河系に最も近い銀河系であるということ。今見ている姿は210万年前の姿で有ることを知っていると興味深い事でしょう。
冬の星座達
冬の星空は、豪華絢爛です。3つの一等星が形作る冬の大三角形を皆さんご存知のオリオン座を目印に見つけてください。その冬の大三角形を目印に6つの一等星が形作る冬の大六角形を見つける事が出来れば、それを頼りにオリオン座、おおいぬ座、こいぬ座、ふたご座、ぎょしゃ座、おうし座と冬の星座の主役をすべて見つけることが出来るでしょう。また夏の天の川より淡いのですが、星空の良く見える田舎へ行けば、天の川が冬の大六角形の中を横切る様子が見えるはずです。冬の大六角形周辺は、これまたみどころ満載で、肉眼でもオリオン大星雲や、おうし座のヒアデス星団、そしてあの有名なすばる星団を見ることができますし、低倍率で広視界の双眼鏡が有れば、それらの星雲星団のより美しい姿を楽しむ事が出来るばかりでなく、おおいぬ座からふたご座、ぎゃしゃ座に潜む散開星団を楽しむことが出来るでしょう。もちろん低倍率な接眼レンズをセットした望遠鏡でこのあたりを散策すれば、ちょっとした宇宙旅行気分が味わえることをお約束します。