第2惑星~金星 | |||||||
金星のデータ 直径約12104キロ(地球12756キロ)地球よりちょっと小さいくらい直径ですね。 重さ 地球の0.82倍 重さは地球の約80%位 体積 地球の0.86倍 体積は地球の約1/6 重さと体積を比べると地球と比較すると少し比重が軽いのが分かりますね。 自転周期243日(地球の一日は23時間56分) 公転周期(太陽の周りを一周するのにかかる時間)225日 太陽からの平均距離1.08億キロ(地球〜太陽間は1.5億キロ) 地球からの距離 最も遠い時 2.59億キロ 最も近い時0.40億キロ(4000万キロ) 見かけの大きさ 最大64.秒最小9.9秒(角度一秒は1/3600度)あなたの望遠鏡の分解能は? もっとも近づいた時の明るさ マイナス4.4等 |
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金星の特徴 | |||||||
金星は、地球に比べ太陽により近い軌道を周回しています。その関係で地球より太陽に約3割ほど近い位置にあります。それにより、地球と比べると金星での同じ面積で受ける熱量は、1.92倍も多いのです。二酸化炭素を主成分にする厚い大気に覆われた金星は、その太陽熱の大部分を分厚い雲が反射してしまうにもかかわらず、二酸化炭素ガスの温室効果により、昼も夜も摂氏460度の灼熱地獄です。460度といいますと、鉛が溶けてしまう温度です。また地表の気圧も大変高く90気圧近くあることが探査機による調査などで判明しております。(地球の気圧は、1気圧)1気圧は1平方センチあたり1キログラムの圧力ですから、90気圧といいますとあなたの指の先の爪の面積に90キログラムもの圧力が掛かる事になります。 上の金星のスペックを見て頂くと分かりますが、金星の自転周期が非常に長いということは注目に値します。金星が地球などとは逆向きに自転していて金星の自転周期はなんと243日にもなります。(地球の自転周期は約24時間ですね)一方金星の公転周期は225日です。(太陽の周りを一周する周期、地球の場合はご存知のとおり365日ですね。) ということは、金星の一日というのは大変奇妙な事になります。金星では太陽は(もちろん厚い雲に阻まれて見えない訳ですが)西から昇りゆっくりゆっくり約60日かけて東の地平線で日没を迎えます。一昼夜の長さは、およそ117日となります。 さらに、地球の雲は、水蒸気(水の小さな粒)で出来ていますが、金星の雲は、濃硫酸と硫黄でできています。 |
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小型望遠鏡による金星観測のポイント | |||||||
地球の軌道より内側(太陽より)の軌道にある惑星です。このような惑星を内惑星といいます。水星と金星が内惑星ということになり、地球の軌道より太陽から遠い軌道を周回する惑星を外惑星といいます。内惑星は外惑星と違い、地球と太陽との位置関係によって大きく位相が変化します。下図を参照してください。金星は厚い雲にびっしり覆われ地球の大きさが似ていることから兄弟星と呼ばれていますが、地表の様子は望遠鏡では、全く観測できないばかりか、表面の模様は雲にほとんど濃淡がなくびっしりと厚い雲に覆われているため大口径で時折雲の濃淡が観測できる程度です。ですから、太陽地球金星との位置関係によって大きく変わる位相の変化を楽しむことになります。 位相の変化 金星は、月と同じ様に満ち欠けをします。特に内合と呼ばれる位置にある前後1ヶ月は、大きく形を変えるので見ていて大変楽しいです。我々地球の衛星である月の満ち欠けと違い金星の満ち欠けは、形が変わるだけでなく、望遠鏡で見える大きさも一番小さいく見える時と一番大きく見える時で6倍も変わります。ちなみに欠け方が大きいほど大きく見えます。(上図参照)特に内合直前は、下図のように光がまわりこみ、月の満ち欠けではありえない見事な姿となりますが、太陽に非常に近いため、観測には危険が伴います。またこの形の金星は内合直前なので太陽のすぐ近くに位置し日没後すぐに沈んでしまいますので、昼間に太陽がまだ空の高い位置にある時の観測となります。その際、間違って太陽を望遠鏡の視界に入れたら最後失明してしまいますので、安全対策には万全を期してください。出来れば太陽は建物の影に入れてしまってブロックするようにして観測してください。ただ太陽の動きを把握していないと建物でブロックした太陽が再び姿を現すこともありますので本当に注意が必要です。 |
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探査機による直接探査 | |||||||
金星は、米国と旧ソ連によって勢力的に探査が行われています1962年頃から行われ。ソ連は、1966年に金星3号を始めて金星に命中させ、1983年の金星16号まで次々と探査機を送り込みました。着陸機による表面の直接探査では、1975年に金星にパラシュートで降下し軟着陸した金星9号は、はじめて金星の地表のパノラマ写真を送ってきました。しかしながら金星探査機はその厳しい高温高圧の環境下では長時間の観測を行う前に極めて短時間で機能を停止させてしまった、レーダーによる地形の観測などを行いました。一方アメリカも1978年に四つの探査機を金星に降下させるパイオニア・ビーナス探査機を成功させる一方で、1989年に打ち上げられたマゼラン探査機は金星を周回する軌道に乗り長期にわたるレーダー観測で厚い雲に阻まれて今まで詳細が明らかでなかった金星の詳細な地形を明らかにしています。 |
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