眼視用パーツ
接眼レンズ
接眼レンズは、望遠鏡の光学系の50%を占める重要なパーツです。(くわしくはこちらへ)取付の規格が幾つかあります。50.8mm差込、31.7mm差込(通称アメリカンサイズ)、24.5差込(通称ドイツサイズ)、36.4ねじ込み(ネジのピッチが二種類ほどあります)様々な種類があります。大抵はアダプターリングを交換することにより、様々な差込サイズの接眼レンズを取付する事が出来ます。一般的に接眼レンズの焦点距離が大きくなるほど大きな差込径の接眼レンズになります。
天頂プリズムと天頂ミラー〜
屈折望遠鏡やカセグレンタイプの鏡筒など、接眼部が鏡筒後端に接眼部がある望遠鏡は、見る天体が空の高い位置に有るほど見にくくなってしまいます。そこで光路を90度曲げて見易くするのが天頂プリズムや天頂ミラーの役割です。天頂プリズムに使われているプリズムや天頂ミラーに使われている平面鏡は重要で、この部分の精度や調整が悪いと焦点像は大幅に劣化し、結果的に見え味を大きく損なう事になるので高品質な物を選ぶことが肝要です。低級品は全体がプラスチックで作られ作りがちゃちでプリズム表面にもコーティングがされていません。サイズも接眼レンズと同じで4種類有りますが予算が許せば50.8差込サイズを買っておけば、アダプターリングを交換するだけでどの差込サイズの接眼鏡を取付が可能です。
天体望遠鏡は、逆さに見えます。天頂プリズムを使用すると「鏡像(裏返し)」になります。
サンプリズム(太陽観測用の小道具、使用には非常に注意が必要です。)
太陽を観測するためのプリズムです。単独で使用する事は無く、サンプリズム用サングラスを併用します。天頂プリズムとは、逆にプリズムが入っていて、プリズム表面で反射する5%の光のみを使い太陽を観測します。残りの95%の光と熱は筐体後に開けられた穴から放出されます。この方法の観測は危険を伴います。口径8センチを上回る口径の望遠鏡では行わないようにしてください。またプリズム筐体後部から放出される光と熱は強烈です。ちいさなお子様などが誤って覗けば失明の危険、また手を近づければ火傷、可燃物がその穴をふさげば火災になります。ご注意ください。
太陽観測用サングラス(古い望遠鏡に付属していますが危険なので使ってはいけません。)
太陽を観測するため接眼レンズに取り付ける濃色のフィルターです。このフィルターは昔は良く使われていましたが、熱が集中する対物レンズの焦点側の接眼レンズにねじ込んだり、かぶせたりして使いますが、太陽光のすさまじい熱でフィルターが破損する事故が後を絶たず、危険すぎるため最近の望遠鏡には付属していません。しかしながら、古い望遠鏡を貰った場合など付属品として付いてきますのでそういった場合は絶対に捨ててください。ゆめゆめこんな物で太陽を観測しよう。などとは考えないようにしてください。太陽に向けた天体望遠鏡の焦点付近は、白い紙を置いただけで燃え上がる程の高温になります。観測途中で太陽観測用サングラスが割れればあなたの目は一生星を見ることは出来なくなりますし、闇の世界に閉ざされることになりかねません。太陽観測は太陽投影版を用意する方法が比較的安全です。定められた手順や基本的な事柄を完全に理解した上で行うようにしてください。
ムーングラス
月面を観測するためのプリズムです。低倍率で月面を観測すると望遠鏡は肉眼の数十倍からちょっと大きいものになると数千倍の光を対物レンズや対物鏡で集めますから、非常に眩しく感じることがあります。そんな時は、倍率を上げて観測するか、すぐにムーングラスを付けてください。月の光と言えども目を痛めてしまうことがあります。
正立プリズム
倒立像の望遠鏡を正立像にするためのパーツです。直視タイプ、45度タイプ、90度タイプがあります。初心者の方にも、また望遠鏡で地上の鳥や動物を見る方にもオススメのパーツです。
バローレンズ
対物レンズや対物鏡の焦点距離を延長します。ただのシングルの凹レンズを組み込んだ安物から2枚のアクロマティク凹レンズを使用した通常品、3枚のレンズを使用したトリプレットの高級品があります。価格は800円から3万円超まで。安物のバローレンズは、対物レンズの収差を拡大し著しく像を悪化させますが、高級品は口径比の小さい望遠鏡に使った場合、中心像も視野周辺の像も改善させる働きもあります。
双眼装置
単眼(片目で覗く)望遠鏡ですが、ビームスプリッターと呼ばれるもので光路分割をして双眼で望遠鏡を覗くための装置です。人間の目はもともと両目で物を見ることが自然なのでこれを付けることにより非常に対象天体が見易くなるばかりでなく、惑星面の細かい模様も見易くなります。さらには長時間の観測でも目が疲れにくいという効果があります。(私感)ただし賛否両論あるのも事実で、有名な冨田弘一郎先生は、反双眼装置派で、今内令一氏は双眼装置派です。向き不向きが有るのかもしれません。ただ私も感じるのですが、双眼装置を片目で見ると像は直視より劣化してるのがわかります。でも両眼で見るとそこには素晴らしい視界が......。
ロータリーアイピースホルダー
これは、日本の屈折望遠鏡の草分け的メーカーのひとつである日本精光研究所(ユニトロン)の特許だとききました。非常に便利な装置で、通常はアイピースを交換して倍率を変えますが、レボルバーの様な装置にアイピースをあらかじめ付けておき顕微鏡の対物レンズの様に回すと目的の接眼レンズで星を観測出来るという優れものです。一度使うと病みつきです。オススメのアクセサリーの一つです。高橋製作所、ビクセンなどのメーカーで販売しています。
1965年スカイ&テレスコープの広告より
便利なヘリコイド
ヘリコイドは、便利です。通常はドローチューブのピントノブでピントを合わせますが、微妙なピントを調節するときヘリコイドを途中に入れて置くと便利です。ピントノブでドローチューブを出し入れし大体ピントをあわせてから、ヘリコイドで微調整してやると非常にピント合わせをし易いです。恐らくですが、ドローチューブのピントノブまわりが、もっときちんと作れれていれば必要の無い装置だと思いますが....。
撮影用パーツ〜天体写真を撮るためのパーツ類
コンパクトデジタルカメラ用アダプター(コンパクトデジカメを望遠鏡に繋ぐための小道具)
お手持ちのデジタルカメラで月面や惑星などを撮影したい時に使うアダプターです。各メーカのデジタルカメラ用に様々なタイプの物が各社より発売されています。自作される方もいます。要は通常は目で見ますが、デジタルカメラで接眼レンズを覗かせる様な感じです。デジカメを手持ちでも、月を低倍率で写すのであれば写せます。手持ちで撮影する場合、接眼レンズがわとデジカメのレンズ側を「ガチンコ」させると大切なレンズに傷がつきますのでご注意ください。
一眼レフ用カメラアダプター(デジタル一眼レフや通常のフィルム一眼レフを繋ぐ為の小道具)
レンズを取り外した一眼レフを望遠鏡に接続して撮影する為のアダプターです。左のカメラアダプター以外に各社のカメラのマウントに対応するマウントアダプターが必要です。
ファインダー〜望遠鏡の脇に付いている照準用の小望遠鏡
ファインダー(照準用小望遠鏡)
望遠鏡本体の上に付いている照準用の小望遠鏡です。昼間明るい内に、望遠鏡の視野の中心に1キロ以上離れた鉄塔の先端を入れておき、ファインダーの視界には十字の線がありますから、その交点付近に鉄塔の先端が見えるようにネジを回して調整しておきます。ファインダーは望遠鏡本体より倍率はずっと低いですが、広視界なので、夜目的の天体を望遠鏡で見たい時に、ファインダーの十字線の交点付近に見たい星をあわせれば、望遠鏡の視界に星が入ります。言い換えれば照準用の小望遠鏡ということです。           左の二枚目の写真の用にスポットファインダーと通常のファインダーを二つ付けると非常に便利です。お試しください。
スポットファインダー(照準)
最近出回り始めた実像式のファインダーです。大変優れもので、ファインダーの調整が簡単で一度調整してしまえば、前面のハーフミラーに反射して見える赤いに星をあわせるだけで望遠鏡の視界に星が入ってきます。特筆すべきは、目をファインダーに近づけなくてもよいのと、視点が多少ずれても目標の星の導入に影響が無い点でしょうか。ただ従来のファインダーと違い、望遠鏡ではないので肉眼に見えないような暗い天体を見る目的には向きません。
写真はビクセン製のスポットファインダー