各種プラスチック支持膜の特性

ご注意:支持膜のような極薄膜では各種耐性が表中の数値とは若干異なる場合が考えられますので、
下記テーブルは参考としてご利用ください。


ご利用に当たっては、下記特性を参考にして事前に実際の試料処理を試し、耐性のご確認をしてください。
   項  目  プラスチックベース支持膜  マイクログリッド  備  考
 1  支持膜/MGの名称など          
 支持膜/MG名   グラッシィ
フィルム
スライドフィルム   コロジオン  フォルムバール  クリアフィルム ウエッティフィルム  エラスチックカーボン 
エラスチックBioフィルム
 マイクログリッド     
 プラスチック材料   トリアセチルセルロース  コロジオン  フォルムバール  アクリル  ポリビニルビチラール  トリアセチルセルロース  トリアフォール
 プラスチック名   トリアセチルセルロース  硝酸セルロース  ポリビニルフォルマール  ポリメタクリル酸メチル  ポリビニルビチラール  トリアセチルセルロース  酢酸酪酸セルロース
 略称   TAC  NC  PVF  MMA  PVB TAC  ABC
 2  支持膜/MGの構造と膜厚  
 構成    二 層 構 造  二層構造  柔軟性を持つプラスチックと電子線耐性/チャージアップ防止に有効なカーボンとの二層構造膜
 表面素材/膜厚    カーボン/10~15nm  カーボン/10~15nm  カーボン/10~15nm  カーボン/10~15nm  PVB/30~50nm  カーボン/20~25nm  カーボン/10~15nm  ブチラールは親水性を利用するため、裏面にカーボン補強を施しています。
 裏面素材/膜厚    TAC/30~50nm  NC/30~50nm  PVF/30~50nm  MMA/30~50nm  カーボン/10~15nm  TAC/20~30nm  ABC/30~40nm  エラスチックカーボンは電子線耐性(高電圧、高倍率)を高めるためカーボン層を厚目に、そしてTAC層を薄目にしています。
 3  製品に使用される標準的なミクロンピッチグリッド(Mo、Au、Pt製のグリッドも用意しております。)  
 グリッド    Cu100P/150P  Cu100P/150P  Cu100P/150P  Cu100P/150P  Cu150P  Cu100P  Cu150P  グリッド孔間隔が大きい製品では、プラスチック層が厚めに、そしてカーボン層は薄めに仕上げています。
 4  膜およびグリッドに含まれる主な元素  
 構成元素    H、C、O/Cu  H、C、N、O/Cu  H、C、O/Cu  H、C、O/Cu  H、C、O/Cu  H、C、O/Cu  H、C、O/Cu  元素分析時はグリッド構成元素(Cu、Mo、Au、Pt、Ni、SUSなど)にも留意する必要があります。
 5  膜に含まれる主なコンタミ元素  
 コンタミ元素    C、Si等  C、Si等  C、Si等  C、Si等  C、Si等  C、Si等  C、Si等  素材や支持膜の作製工程で混入する場合があり、コンタミの状況は製品ロット毎に変化します。
 6  物理特性
 結晶性    結晶  結晶  結晶  非結晶  結晶  結晶  結晶  クリアフィルムのみ非結晶性プラスチックですので、均質性がより良好な膜が得られます。
 ガラス転移点(℃)    160~180  84~93    72~78  160~180    室温での支持膜作製工程では、クリアフィルム以外は部分的に微細結晶化している可能性があります。
 融点(℃)    230~300  170  140~150  90~100  140~200  230~300  140  耐熱性、電子線耐性はTACが最強ですが、クリアフィルムでも20万倍観察に耐える特性を持ちます。
 プラスチック比重    1.34  1.35  1.25  1.19  1.25  1.34  1.20  クリアフィルムは比重が小さいため、拡大像のコントラストはより向上します。
 強さ(TAC比=1.0)    1.0  0.6  0.8  0.7  0.6  1.0  0.5  引っ張り強さを含め、物理的強度の点ではTACが最も強い支持膜を形成します。
 親水性    ☓  ☓  ☓  ☓  ○  ☓  ☓  ブチラールのみ親水性を持ちます。
 7  有機溶媒耐性  
  アルコール類    
 ● 本テーブルには、文献から得た結果(黒色表記の〇、☓で表記)と、実際に支持膜を各種溶媒に5分間浸漬した後で光学顕微鏡下で状態変化(破れ、溶解など)の有無を確認した結果(
赤色表記の〇で表記)とを記載しています。
   〇、: 耐性あり
   
: 耐性なし

 ● 上記状態変化の他に、膨潤、一部溶解による膜厚の不均一、微小破れやシミの発生など、TEM観察でなければ確認できない変化も発生する場合がありますので、今後は順次TEMによる評価も加味したテーブルに仕上げて行く予定です。

 ● なお、全ての溶媒についての確認をしているわけではありませんので、各製品をご使用の前に、実際にご利用される有機溶媒での耐性評価をご確認ください。

 ● 実評価の結果で表記)が文献結果とは異なるケースもありますが、超薄膜になるとバルクでは見られないダメージが発生するなどバルクよりも耐性が減少しているケースもあり、逆にカーボン補強を施しているために耐性が向上しているケースもあると思われます。

 ● 本特性は、各溶媒が室温時のものです。処理温度により特性は変化しますのでご注意ください。


 
* 製品のご使用に当たっては、実際のサンプリング条件での試用により、事前に耐性をご確認ください。
 メチルアルコール     ☓   ☓   ○   ○   ☓   ☓   ○
 エチルアルコール     ☓   ○   ○   ○   ☓   ☓   ○
 その他    ほぼ○  ほぼ○  ほぼ○  ほぼ○  ほぼ☓  ほぼ○  ほぼ○
  ケトン類  
 アセトン     ○   ☓   ☓   ☓   ☓   ○   ☓
 その他    ほぼ○  ほぼ☓  ほぼ○  ほぼ☓  △  ほぼ○  ほぼ☓
 芳香族      
 ベンゼン     ○   ○   ○   ☓   ☓   ○   ○
 トルエン     ○   ○   ☓   ☓   ☓   ○   ○
 キシレン     ○   ○   ☓   ☓   ☓   ○   ○
 その他    ほぼ○  ほぼ○  ほぼ○  ほぼ☓  ほぼ☓  ほぼ○  ほぼ○
  エーテル類  
 エチルエーテル     ○   ☓     ○   ○   ○   ○
 その他    ほぼ○  ほぼ☓    ほぼ○  ほぼ☓  ほぼ☓  ほぼ☓
  酢酸エステル類  
 酢酸メチル     ☓   ☓   ☓   ☓   ☓   ☓   ☓
 酢酸エチル     ○   ☓   ○   ☓   ☓   ○   ☓
 その他    ほぼ○  ほぼ☓  ほぼ○  ほぼ☓  ほぼ☓  ほぼ○  ほぼ☓
  ハロゲン類  
 塩化メチレン     ☓   ☓   ☓   ☓   ☓   ☓   ☓
 二塩化エチレン     ☓   ☓   ☓   ☓   ☓   ☓   ☓
 その他    ほぼ☓  ほぼ☓  ほぼ☓  ほぼ☓  ほぼ☓  ほぼ☓  ほぼ☓
 8  酸・アルカリ耐性    
 強酸     ☓   ☓   ○   ☓   ○   ☓   ☓  ● 酸・アルカリ耐性はすべて文献から得た結果を示しています。
 ● ご使用に際しては支持膜の種類ばかりでなく、グリッド材料の耐性も考慮することが必要です。
 ● 酸やアルカリに強いグリッド材料:Au、Pt
 ● 酸やアルカリに強い支持膜:ブチラール、フォルムバールなど

 弱酸     ○  ほぼ○   ○     ○   ○  ほぼ○
 強アルカリ     ☓   ☓   ○  ほぼ○   ○   ☓   ☓
 弱アルカリ     ☓   ☓   ○  ほぼ○   ○   ☓   ☓


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