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一人になるとあの夜の出来事を思い出す

そして俺はアイツの事を想いながら独人腰を振り、果てる


あッじ、んっ


あの夜確かに俺とアイツは繋がった

しかし悪魔が降りてきて俺達を引き裂いた

元からアイツは俺の物ではなく悪魔の所有物であったために


「仁〜」

来るな

「仁居るんでしょ?」

来るんじゃない

「じ!!

アイツは悪魔の声に反応していた

「やばっ

あの瞬間俺の思考回路はショートした

どうやって家に帰ったのかは覚えていない

仕事場で会ってもアイツの顔が見れない

気が付いたら俺は俯きながら歩くのが当たり前になっていた

アイツが居ないとこのカラダは覚醒したままだった

アイツが欲しい

そう思いながら夜の繁華街に独人繰り出す

この町も俺のカラダと同じで眠ることを知らない

久しぶりにふと闇に覆われた夜空を見上げるとあの夜とは全く違う形をした月が俺を照らしている

あれからそんなにも時は過ぎていたんだ

そう考えると瞼の端から雫が伝う

まるで乾ききった心を潤すかのように止めどなく流れ出る涙

俺にはアイツが必要なんだ


やっと気付いた瞬間にアイツが悪魔に魂を吸い取られてしまった

悪魔は吸魂鬼のように俺の魂までもを奪おうとしている

俺はアイツの元へ行けるので有れば魂を吸い取られても良いと思ってしまった


またあの夜と同じ月の形になった