琉球隆々は貧弱な琉球の知識を元に製作しているので、往々にしておかしなところがある上、、表現的にわざと変更したところもある。そこでわざと変更しているのか、素で間違えているのかをはっきさせるために簡単な説明を記す。
琉球用語説明
国王 ・・・文字通り琉球の国王。王、世王、世主と呼ぶこともある。
中華皇帝や幕府に承認の使節団を送っていた。
ゲームでは地位を認定してくれる中華皇帝も日本の幕府も無いので自力で琉球を統一して名のるしか無い。
王・・・現国王を認めず王を名乗る者。
琉球国王を指す時にも用いるが便宜上独立国の君主に使用。
イメージ的には、三山時代 の中山王、北山王、南山王が近い。
監守・・・方面軍司令官。
山北(国頭)の政軍祭を監視下に置くために制定された、山北(国頭)監守を指す。
代々今帰仁の按司が歴任した。
摂政・・・国相、王相、諸司代と呼ぶこともある。家臣の最高官職である。
通常摂政とは君主がなんらかの理由により国事行為が行われない代わりの代行の事をさすが、
琉球では国王に問題なくとも任命された官職であった。
実務の最高責任者は三司官であるため、
会社で言えば会長に近い名誉職であったと言われる。
王子・・・官職の一つ、おもに国王の子弟が任命された。
琉球に存在する九の地位の中で最高位の正一品である。
按司(あんじ)・・・地方を治める領主。城主というより大名や地方貴族に近い。
元々琉球王は絶対君主というより寄り合い連合の代表のような状態であった。
そのため考えられているほど力は無かったと言われている。地位は従一品。
曹司(さんし)・・・大臣の中でも特に高位の天曹司、地曹司、人曹司の三司官親方を指す。
ゲームでは単なる地位の呼称なので三人以上いることもある。地位は正二品
大臣・・・文字通り国を動かす官僚の事。親方を指すがゲームでは便宜上別扱い。
親方(うぇーかた)・・・曹司以外で政務に携わる人達。地位は従二品。
親雲上(ぺーちん)・・・琉球の武士階級を指す。地位は正三品〜従七品
里之子(さとのし)・・・親雲上より下の士族、従者等。地位は八品
筑登之(ちくとの)・・・階級としては一番下。地位は九品。
仁屋(にや)・・・位の無い下の階級。ゲームには出てこない。
下司(げす)・・・日本語ではよくない響きだが、按司以下の官僚を指す。
大屋子(うぷやぐ)・・・里主所(耕地)を管理する役どころ。いわゆる地頭や代官にあたる。
曹司などの上級役人でもこの役目を受けたものもいるので恩賞(耕地の収穫を私財にするなど)の意味もあったと思われる。尊称をつけて「大屋子もい」と言われる場合は、上級役の人を指す。
里主所・・・村内の耕地を指す。古くは村全体を指す言葉だったと言う人もいる。
城(ぐすく)・・・城砦の意味もあるが、聖なる場所(御嶽)が必ずグスクの近くに存在するため、その延長線上のものとも考えられる。中には石垣などの防衛施設がないものも存在する。
御嶽(うたき)・・・宗教施設のある聖域の事。
間切(まぎり)・・・幾つかのシマを区分したもの。琉球処分の後の町村制度で、
町村に置き換えられたが厳密に言えば都道府県の区割りに近い。
村(しま)・・・漢字は琉球処分後の当て字で、本来はひらがなで「しま」と呼ぶ。
意味は村と同じで集落のことである。
ゲーム上の地位表記
帝国=琉球王国
皇帝=国王
君主=王
宰相=摂政
元帥=曹司
上級大将=大臣
大将=親方
中将=親雲上
少将=里之子
准将=筑登之
地方司令=按司
按司は日本で言えば大名にあたるため、これを独立国の主君にあてようかと思ったが、三王のイメージが強く、また城主級の名称が按司以外に見つからなかった為、独立国の主君は「王」となった。次に引き抜かれた場合、どうみても筑登之に降格されるのはおかしく、せめて大屋子辺りにすれば意味も通るのだが、今度は里之子を下司あたりに変える必要が出てきて、並び的に美しくなく、また、あんまり琉球らしくない。という製作者の個人的な気分で却下された。つまり感情的な部分で設定されており特にシステム的な意味があるわけでは無い。
琉球人名
琉球の人名は基本的に次のようになっている。
[所在地]+[階級]+[名前]
例:今帰仁王子朝義
この場合は、「今帰仁」に居る。「王子」階級の「朝義」さん。
ということになる。居場所が苗字扱いとなっており、
現在でもそれが世襲されている。地名=苗字といっても言い過ぎでは無いだろう。
そのため古い琉球時代では、引越しのたびに苗字が変更される場合も多かった。
また、薩摩侵攻後に薩摩で使われる苗字などは改修させられたという。
そのため日本の苗字と呼び方は同じなのに、名前が違うものがあるのはそのためである。
当時のサインでは[所在地]+[階級]+[名前(名乗り頭+後ろ名)]が普通だが、
公式な書類では、[所在地]+[階級](今帰仁王子)
人名としては[所在地]+[名前](今帰仁朝義)と表記するのが一般的であり
ゲームではこちらを採用している。
※名乗り頭(名前の頭で家々の男子に代々継承される。
こちらが実質的な苗字といっても過言では無い)
ただ現存する資料はほとんど公式の書類であり、人名はほとんど記録に残っていない。極端な話をすれば、古代琉球王の何人かは名前ではなく、王子時代の居城が表記されているとも言われている。
また琉球は中華の冊封体制化にあったので、この名前(大和名)の他に中華名を別にもっていた。今帰仁王子朝義の場合は、尚宣謨という中華名をもっている。
名乗り頭一覧
名乗り頭とは、各家に代々伝わる名前の頭の事である。
名乗り頭を見れば、その人がどの家系に属するか分かる。
拠点が移動するたびに苗字も変ってしまうので、実際の苗字とも言えるかもしれない。
尚 ・・・尚一族の家長、すなわち国王につけられる。薩摩侵攻時の国王・尚寧など
朝 ・・・尚一族の国王以外(傍系や息子等にも)に使用される名乗り頭。
傍系は多く、重職についているものが大半なので史書に多く残される名である。今帰仁朝義など
良・・・第二尚系時代21人の三司官を生み出した大名門馬姓一族。
姓には大浦添、名護など
盛・・・有名なモーイ親方を生み出した伊野波一族。
姓には識名、比嘉など
盛・・・同じく盛の名乗り頭を持つ。
琉球士族・始祖:糸満盛苗か発し、幾つかの分家を生み出した。
姓には糸満など
安・・・馮光盛諸見里親方安春という長い名前の始祖を持つ一族。ゲーム中では分割されている。
姓には諸見里、糸洲、我謝など
大嶺・・・ゲーム中では苗字としか出てこないが、名乗り頭らしい。先祖が海上で見つけた黄金を国王に献上して士族に取り立ててもらったという逸話がある。
昌・・・祖先が大和人という。
姓には糸数、糸村、島袋など
因・・・二人の男子が祖という一族。
姓には小橋川、新垣など
紫・・・琉球士族。
姓には渡慶次、伊地など
宗・・・琉球士族。
姓には普久里、仲井間など
篤・・・琉球士族。
姓には糸嶺など
兼・・・琉球士族。
姓には親川、久高など